オフショアワールド vol.18

オフショア実釣。
故郷の海、日本海・丹後半島で青物狙い。
ブリ、ヒラマサをジギングで狙ってきました。

私がオフショアゲームを学んだフィールド、日本海。30年前はメタルジグで青物を狙うスタイルは当然なく、開拓の日々。永井誠一師匠とともに毎週のようにエサ釣り船に乗り、船長にジギングを理解してもらう動きを続けていた。オフショアゲームという言葉がまだ日本海には浸透していない時代から、現在のフィールド人気ぶりも合わせて今回はご紹介したい。

オフショア実釣。<br>故郷の海、日本海・丹後半島で青物狙い。<br>ブリ、ヒラマサをジギングで狙ってきました。

日本海 丹後半島沖へいざ、出港。

神奈川県から車で新東名高速、伊勢湾岸自動車道を抜け、京滋バイパスから京都縦貫自動車道で舞鶴まで入る。これだけでも30年という時代の流れで相当にアクセスが便利になっていると感じる。学生時代を振り返ってしまえば、古い話と歴史を伝えたくなるが、飲みの席で一番語ってはいけない事だと27歳の長男から言われているので、「便利になった」と全てを省略したい。昔話を書き出したら、指定文字数に収まらない。今回の釣行だけのリアルな話でお伝えしたい。

釣行を行ったのは、2023年の12月上旬。舞鶴港周辺のコンビニで今回の同船者と合流。向かうフィールドは冠島、経ヶ岬沖(白石礁)。いつもの様な乗合船ではなく、和船であるがプレジャー船である。この船は学生時代の柔道部仲間が所有しており、毎週末沖に出て青物を狙っている梅原後輩が舵を握る。同船者も柔道部仲間。大学時代は柔道部寮でともに生活し、全国大会に毎年出場していた仲間達。歳を重ねる事で再び趣味がこうして人を結び付け、今回の実釣会となっただ。先輩、後輩と今回は5名。皆、青物狙いに熱くなっている仲間でである。釣りを生業にしている私としては、これ以上嬉しい時間はない。学生時代の友が30年を経て青物を狙う。「ヒラマサを釣ってみたい」「ブリの狙い方を知りたい」。柔道仲間からの言葉に私は浮かれ気味だった。

船は西舞鶴に停泊されており、そちらへと向かう。この日は冬の日本海ではなかなか無い南風で海は凪いでいた。北風が何日も吹き海が荒れるイメージが強い冬の日本海。ミラクルは起きるものだ、と誰よりもこのコンディションを喜んだ。「ミラクルだ」と言いながら、5人は船に乗り込み出船となった。

今回は遊漁船でなく、柔道仲間とともにプレジャーボートで楽しんだ。写真は京都学園大柔道部の1つ下の後輩の梅原くんと、梅原くんが所有する船が停泊する西舞鶴の船停泊所。

青物中心のジギングでの狙い方

西舞鶴港停泊所から走る。白石(経ヶ岬)には10時にならないと入れない。これは30年前から同じルール。その当時から白石に入る前に、他のポイントで時間調整をしていた。私達は冠島に向かった。ポイントに到着する。誰も入っていない。事前情報では白石礁でブリが好調なだけに、他の船は派手な動きはしないだろうという予想が的中した。我々は肩慣らし程度でジグを落とし始めた。

水深50m。瀬周りのベイトの反応に当てるように船を置いた。ポイント熟知をしている梅原船長が幸先よくアオハタをヒット。良型のアオハタに柔道仲間も盛り上がる。Gummy 160gでまたヒット。梅原船長は「青物や」と。上がって来たのはメジロ。ワラサのサイズを関西エリアではメジロと呼ぶ。連発の梅原船長。柔道部時代は「平松釣り部」の部員でもあり、練習がオフの時や練習後に寮から抜け出しよく釣りに行った後輩だ。

根魚にワラサの立て続けの釣果。好調はこれで終わらなかった。10時前になるタイミングでヒラマサを連発する。私を含めて他の柔道部員はアタリすら無い。ヒラマサ2連発には脱帽だ。Gummy fat 180gのヘッドグローを上手く使い、ボトムで食わせていた。このタイミングに乗り切れない私。しかし、10時の白石礁解禁リミテットになり「ヒラマサ」に後ろ髪を引かれながらポイントを移動することにした。

朝一は冠島に入った。舞鶴沖は青物で盛り上がっていたが、冠島は誰も入っていなかった。

ワラサに続き、ヒラマサも手にした梅原船長。釣果が止まらない。焦る平松。

前日の白石礁の釣果は、SNSでどの船宿さんも盛り上がっていた。10kg超えるブリや巨大ヒラマサまで上がっていた。そんな情報から、自分にもチャンスはあるぞ、と興奮する。良くも悪くも情報社会はこうして人の心を動かせる。地方からの参加の私は完全に気持ちが上ずっていた。そして、経ヶ岬沖白石礁には目で確認出来るだけでも40隻を超える遊漁船やプレジャー船が集まっていた。遅れて入った我々も反応を見つけてジギング開始。ボトムの反応と中層反応はサワラが回遊している様子で、その二択でジギングを楽しむことになった。

平松流のマストパターン

大型遊漁船の流しを見と、片舷に10名は入り、20人を超えるアングラーが青物を狙っていた。タモが動けば、ヒットとわかる。アナウンスでは狙う層も伝えている。私は、青物の回遊に合わせてジグがボトム周辺にどれだけ入っているのか、がヒット率を上げてるのだなぁと予想。回遊待ちは、瀬を通過したら再び船は移動して上り、再び瀬を流している。大きな移動はなく、そのようなことからも回遊待ちの様子が見て取れた。我々の船はそんな大型船の隙間を流していく。

私は狙い方を回遊待ちスタイルではなく、攻めのスタイルにした。冠島で梅原船長にコテンパンにされ、気持ちが焦っていた。冷静にと自身に問いかける。私はボトム反応をいかに効率よく狙っていくか、が釣果を引き出すポイントになると読んだ。

狙いは的中。船は1.7ノットで流れていた。潮上にジグを投入し、潮に馴染ませるようにボトムを沿わせて誘っていく。「線の動作」で狙うKEI-JIG SHARP 235gと、「点の動作」で探るGummy fat 200gを使い分けた。バーチカルでの作業はKEI-JIG SHARPのほうが効率が良い。大型船での攻めスタイルとは違うが、ボトムへのスピーディーな立ち上がりからのアプローチは、KEI-JIG SHARPで機敏に探りたかった。

fatではボトムの起伏に沿わすようなレンジキープを意識しての喰わせ方を狙ったスタイル。回遊待ちではなく、こちらから回遊先へとジグを投入して誘い出すスタイルになる。どちらがパターンとなるかを探りながら探していった。

すると手返しよく打っていったKEI-JIG SHARPにバイト。「グッ」ボトムに到着したKEI-JIG SHARPにまずはハマチサイズがヒット。他の船がそれほど釣れていないタイミングでのヒットだったのが嬉しい。太ったハマチは大量にイワシを吐く。ベイトも相当な量だとわかる。この1尾に気持ちが落ち着く。

私は太ったハマチサイズ。梅原船長は「メジロですよ」と気を使って言ってくれるが…。ただ、フィールドを読み掛けたので嬉しい一匹。

次の狙いはヒラマサに絞る。ヒラマサが混生するエリアなだけに、動きのシャープさを出して探る。ただ、12時のタイミングで潮は緩くなり、どの船も穏やかな雰囲気。柔道部仲間はジグにブレードを装着し、サワラを面白いように釣っていく。私は頑なにボトムトレースし続けた。これがマストパターンになる。メジロサイズではあったが、2本連続してのヒット。アプローチの仕方次第で魚が口を使ってくれる面白さを満喫した。

その後、柔道部仲間もポツポツとメジロやサワラを掛けていった。時間が経つにつれ、40隻以上あった船は少しずつ減っていく。夕方にかけての時合が果たしてあるのだろうか? プレジャー船だけに、この日は粘りましょうと梅原船長。サワラは中層でよく当たってきた。こうして日没近くまで頑張ってしゃくったが、メジロ以上のサイズは我々には出ずロッドオフ。帰港となった。

ジグ、ブレードジグでサワラも顔を出し、メンバーは京丹後日本海白石礁のジギングを満喫。

30年振りの京丹後日本海白石礁ジギングを楽しんだ。昔話は控えめにしたと先述したが、まだナイロンラインでしゃくっていた時代からの故郷フィールドがこれほどまで盛り上がっているのは、たまらなく嬉しい。「そんなナマリなんぞ、食わへんぞ」と言われた時代がある。ここをルアーフィールドとして船をいっぱいにしたい、と開拓を始めた師匠の背中を見ながら通い続けた丹後半島。今では遊漁船の数も多く、予約も取れない程の人気フィールドになっている。港までは由良川河口などを眺めつつ、昔を思い出しながら戻ってきた。あの時に師匠が描いた海は、そこに出来上がっていたんだ。少しでもそんな海域になればと信じ、私も一緒に動いていたことを思い出し、喜びにもなった釣行だった。次は今回獲れなかったヒラマサの良型に標準を絞りたい。

日没近くまで、ヒラマサを求めて粘ったが、この日の私は出会うことができなかった。ただ、このエリアのジギングが現在は盛り上がっていることを、昔に開拓していただけに嬉しく思う。次回はぜひ、良い魚を獲りたい。

ジギングタックル
ロッド:PENN トルクPHK-63ML(プロトダイプ)
PENN トルクPHK-63MH
リール:PENN オーソリティー 6500HS
PENN スラマーDX 6500
ライン&リーダー:サンライン X8フルコンタクト 4号&ツナギート12号、14号
ルアー:K-FLAT Gummy200g、220g
Gummy-fat180g、200g、235g
K-FLAT KEI Jig200g、235g
KEI Jig シャープ200g、235g

フック&パーツ:オーナー ハイパーワイヤー♯7、ソリッドリング6.5mm
JS-39 ブルーチェイサー11/0、9/0

偏光グラス:zeal optics veroモデル

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AUTHOR

平松慶

神奈川県座間市在住。 K-FLAT株式会社代表。オフショアゲームを中心に、自身で釣り具を開発しつつ、その他メーカーからのサポートも受け、プロ活動を続けている。国内外への釣行日数は、多い年では210日を超えたほど。長きにわたりメディアで文章を書き、枻出版社では「平松慶のヒラマサワールド」を発行。その他DVD多数リリース。

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