遠征釣行のススメ
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“マグロの島”沖縄県久米島のキハダゲーム/概要編
沖縄県久米島。釣り人の間では“マグロの島”とも呼ばれ、サイズさえ問わなければほぼ確実にキハダなどマグロ類が釣れるという、まさに釣り人の楽園だ。ここでは、そんな久米島のマグロゲームの概要を紹介する。
久米島の概要と魅力
沖縄本島から西におよそ100km。東シナ海の洋上にポツンと浮かぶ、沖縄らしい南国の雰囲気と豊かな自然、そして離島ならではののんびりとした空気感が同時に楽しめる島がある。久米島だ。
人口は約7,000人で、車で島を一周したとしても1時間ほどで回れてしまうほど、こぢんまりとした島だ。そんな久米島はかつては“球美の島”と呼ばれ、それは琉球一美しいという意味だといわれる。そのことは、久米島を訪れてみるとよく分かる。
沖縄本島から飛行機であればたったの30分ほどと近いにもかかわらず、島内には緑があふれ、空港から続く道路の両脇にはすぐにさとうきび畑が広がる。大規模な開発も行われておらず、背の高い建物はほとんどない。テレビCM頻繁に登場する、“東洋一の砂浜”と呼ばれる久米島随一の観光スポット「ハテの浜」は、真っ白な砂浜とエメラルドグリーンの海のコントラストが非常に美しく、これぞまさに沖縄! という風景である。
久米島で釣れるマグロとパヤオについて
久米島は、釣り人の間では“マグロの島”“マグロの楽園”と呼ばれて親しまれている。サイズさえ問わなければ、出船できれば確実にマグロ類が釣れる、というほどに釣れるからだ。
釣れるマグロの種類は、メインとなるのはキハダ。久米島では20kgはアベレージサイズ、30kgで“まあまあ”。狙うは40kgオーバーなのだ。その他、ビンチョウやトンボと呼ばれるビンナガ、メバチ、そして現地でウシやウシシビなどと呼ばれる300kg近い巨大クロマグロが釣れることもある。マグロ以外では、カジキやカツオもヒットする。
ではなぜ久米島ではこれほどまで多くのマグロ類が釣れるのだろうか?
それは、久米島の沖合に十数基設置された「パヤオ」と呼ばれる人工浮き漁礁に起因する。パヤオは水深1000m以上の海底からたった一本のロープが海面付近に設置されたブイまで伸びているという単純なものだが、このパヤオはマグロの回遊ルートに設置されており、まさにマグロたちにとっては高速道路のサービスエリア、道の駅、砂漠のオアシスといった立ち寄りスポット的な存在となっている。
島から最も近いパヤオで航程1時間弱、遠いパヤオでは2時間程度となっている。
このパヤオは、沖縄では本島近海をはじめ、宮古島の海などにも設置されているが、そのほとんどは漁師のみ利用可能で、釣り人は釣りができないことが多い。それが久米島では、漁師のみならず釣り人にもすべてのパヤオを開放している(遊漁の場合は使用時間は決められている)。久米島が“マグロの島”や“マグロの楽園”と呼ばれるゆえんだ。
パヤオでのマグロ釣りシーズン
ここからは、久米島マグロ釣りのメインターゲットである、キハダに的を絞って話を進めていきたい。
久米島のパヤオでは、基本的にはキハダは周年狙える。ただ、冬から春にかけては、久米島が東シナ海の真ん中にポツンとあるという地理的特性から、北寄りの季節風の影響をまともに受けてしまう。その関係で、ほとんど釣りにならないと言っても過言ではない。
したがって、久米島パヤオの釣りシーズンは、4月から10月頃までということができ、秋の沖縄は台風シーズンであるが、台風にさえ当たらなければナギの日は多く、十分に釣りは可能。ただ、久米島への釣行が遠征であることを考えれば、少々博打的であることは否めない。
そして注意したいのは、7~9月の真夏の時期。ここは沖縄。風がなければまさに地獄の熱さとなる。船によっては太陽光を避ける手段がない場合もあるので、熱さ対策、熱中症対策は十分過ぎるほどに行うようにしたい。
出船形態とキハダ釣りのスタイル
久米島の遊漁船はすべて仕立て(チャーター)となり、乗合船はない。釣行人数は、船の大きさにもよるが、ルアーは3~4名、エサは2~3名でのチャーターが快適だろう。
釣り方は、大きくルアーとエサに分けられる。
ルアーは、キハダの跳ねが見られたり魚が海面を意識していたりすればキャスティングでもチャンスはあるが、ほとんどの場合はジギングとなる。
ジギングもハイピッチとスローピッチがあるが、近年実績が高いのはスローピッチだ。
エサは“パラシュート”と呼ばれる、漁師が使用する独特の仕掛けを使う(仕掛けは船で借りられる)。オモリの付いた傘の骨を抜いたような形状の布の中に、コマセとエサを付けたハリ、そしてハリスを忍ばせて口を閉じ、魚探反応に出たキハダの泳ぐ層まで送り届けるという釣り方だ。エサはムロアジやイカのブツ切り、キビナゴなどが使われる。
船のチャーター料金は、船にもよるが概ね一日7万~8万円程度。パヤオで釣りをする場合はこれにパヤオ使用料として一船あたり5,000円が必要となる。
また、エサ釣りの場合は別途エサ代が必要で、金額はエサの種類や使用量によって異なるので、船長に問い合わせていただきたい。
久米島へのアクセスとおすすめホテル
久米島へのアクセスは、本土からの場合は各地の空港から那覇空港を経由し、久米島に入るルートが一般的。那覇ー久米島間は、プロペラ機でも30分程度。まさにアッという間に着いてしまう。また、夏のハイシーズンに限り、羽田空港からは直行便が運行される。
那覇からは船もある。那覇の泊港からフェリーが久米島直行または渡名喜島経由で一日2便就航している。直行便で約3時間、経由便で4時間程度となっている。
ホテルは、釣り人御用達の「ホテルガーデンヒルズ」がオススメ。パヤオでの釣りを楽しませてくれる多くの遊漁船の基地となっている兼城港の目の前に建っており、ホテルから港まではなんと徒歩一分という近さだ。
何より嬉しいのは、釣行スケジュールの相談から船の予約のアドバイスまで対応してくれるなど、釣行前から帰るまで手厚いサポート態勢でアングラーを迎えてくれること。ホテル内には無料で使える洗濯機や乾燥機も完備しており、タックルを準備するための釣り人専用ルームもある。初めて久米島を訪れる人も安心して釣りを楽しめるに違いない。
ホテルガーデンヒルズ
住所/沖縄県島尻郡久米島町兼城10–1
TEL.098-985-2117
http://www.gardenhills.jp