手に取りやすい価格帯だが
しっかりとした剛性を備える

レバードラグリール
PENN・FATHOM Ⅱ&FATHOM Ⅱ2speed
(ファゾムⅡ&ファゾムⅡ 2スピード)

ペンリールから発売されているレバードラグリールFATHOM。現在FATHOM Ⅱと、この秋に加わったFATHOM Ⅱ2スピードモデルが発売されている。そこで今回は、レバードラグリールの良さとともに、それぞれの特徴を紹介。どちらも近海から遠征まで、活躍するレバードラグリールだ。

レバードラグリール<br>PENN・FATHOM Ⅱ&FATHOM Ⅱ2speed<br>(ファゾムⅡ&ファゾムⅡ 2スピード)

レバードラグリールの利点

ベイトリールのドラグには、スタードラグとレバードラグがあるが、どちらも一長一短と言える。スタードラグはドラグの設定を回転させるだけで簡単にできる反面、ファイ中にドラグ値を変化させる場合は、どのくらい回せばどのくらいの数値UP、数値ダウンができるのか分かりづらく、もしもファイト中に調整するなら、おおよそで行うか、1/2回転、1回転でどのくらい変わるのかを記憶しておく必要がある。スピニングリールのドラグと同様だ。一方、レバードラグはレバーの位置でドラグ値を覚えておけば、ファイト中に素早くドラグ値を上げたり下げたりと調整がしやすい利点がある。

レバードラグリールには、レバーがストライク表示の手前にメモリがあるものと、ストライク表示の先にもメモリがあるものがあるが、今回はこの記事内で紹介するFATHOM Ⅱの構造でその良さを解説しよう。FATHOM Ⅱは、ストライク表示の先にはFULL表示のモデル。最大にドラグを効かせる状態にするレバー位置は、ストライクポジションとなる。

例えば、ライン強度に対して最大値でドラグ設定をする場合、ストライクの位置で最大の値に設定しておく。PE4号で64lb(29㎏)の直線強力があるラインを使用した場合、一般的なドラグ設定となるライン強度の1/3にしておけばラインブレイクする確率は低い。このPE4号の場合は、9~10㎏となる。ストライクの位置で、この数値に設定しておけば、レバーの調整で切れることはない。ただ、そこまでのドラグ値が必要なかったり、実釣中に掛かった魚によって口切れ防止のためにドラグ値を下げたい、船べりまで魚が寄ってきたときの魚の突然の突っ込みに対応するために少し下げたいということもあるだろう。その場合は、ストライクの位置からメモリを下げていけば簡単にドラグ値を下げることができる。この下げた時のレバーの位置でドラグ値が何キロか知っておけば、魚とのファイト中にドラグを操作しても間違ったドラグ値にならないというわけだ。逆に最初から手前の位置にレバーをセットし、MAXドラグ値よりも弱い値でジャーキングやファイトを行い、強いドラグが必要だと感じた時に上げていくということもできる。ストライクポジションでMAX値を設定しておけば、ドラグの締めすぎでラインブレイクは起こらないというわけだ。

そんなレバードラグのリール・FATHOM Ⅱは、近海のジギングから、スロージギング、大型魚相手のゲームまで対応する性能を備え、用途に合わせたラインナップが揃えられているうえに、レバードラグリールでありながら手に取りやすい価格が魅力のリールだ。

レバーを操作することでドラグ値を変化させることができるレバードラグリール。事前にリールにあるメモリのドラグ値を把握しておけば、ファイト中に素早く、確実にドラグ調整をすることが可能だ。

FATHOM Ⅱの特徴

では、その性能とはどのようなものなのか? まず注目したいのが、ダイキャストワンピースフルメタルボディ。これはメタルパーツで構成されたフレームとサイドプレートが、高負荷時にも歪むことなくギアをしっかりと支え、回転をしっかりと伝達。内部はメインギア、ピニオンギアともにステンレス素材を使用しており、優れた耐久性とスムーズな回転を実現している。

また、レバードラグリールのドラグ調整はプリセットノブを採用しているモデルが多いが、ファイト中に誤ってノブを押してしまうことでドラグ値が変化してしまうこともあるため、FATHOM Ⅱではプル式を採用。ノブを引っ張り回転させることでドラグ調整ができる仕組みだ。また、なんといっても滑らかなドラグ性能を備える。レバードラグリールは、スプールとほぼ同サイズのドラグワッシャーを搭載できることで、スタードラグリールと比べてドラグの効きが均一にできる。FATHOM Ⅱで搭載されている「デュラドラグ」は、スムーズな滑り出しを実現しているという。

また、握りやすいフットボール型ハンドルノブ、5個のシールドボールベアリングで巻き取りもスムーズ。サイズは、10NNLD、15LD、25NLD、30LDと4タイプがラインナップされている。

FATHOM Ⅱは4サイズのラインナップで、近海から遠征、深場のジギングまで対応する。

ボディは、ステンレス製。フレーム&サイドプレートが、高負荷時にも歪むことなくギアをしっかりと支える。

優れた耐久性とスムーズな回転を実現する、ステンレス素材のメインギア、ピニオンギアを使用。

ドラグは、レバーの付け根を引っ張ってから回して設定。ジャーキングファイト中に誤ってドラグを触ってしまうトラブルを解消。

ファイト中にライン残量の把握ができるようにスプールにキャパシティリングを採用。1/3、2/3のラインの残量が把握できる。下巻きラインの目安にもなる。

スプール径と同じサイズのドラグを装備できるレバードラグ。FATHOM Ⅱで採用されているデュラドラグシステム。デュラドラグはヒットした瞬間、ファイト中ともにスムーズな滑りでしっかりとドラグを効かせてラインブレイクを防いでくれる。

さらに使い勝手の良い
FATHOM Ⅱ2speedモデル

そしてこの2023年9月に発売となったのが、FATHOM Ⅱ2speedモデルだ。この2スピードは、ハイギアとローギアをファイト中でもワンプシュで変えられるというもの。基本構造は、FATHOM Ⅱと同じだが、ハンドルの付け根にプッシュ式のボタンが備えられ、押すことでハイギアからローギアに瞬時に替えることができる。またプッシュ式のボタンの下にある小さなボタンを押せば、再びハイギアに戻すことができる。使い方としては、例えばジギングでジグをしゃくる際にはハイギアで行い、大型魚とのファイト中でパワーが必要な時にはローギアに変更。また、より細かく刻んで探っていく時にはあえてローギアで探り、ヒット後に素早くボトムから離したいといった時にはハイギアで巻き取るなど、使い方はアイデア次第といえるだろう。

ハイピッチのジギング、スロージギング、小型モデルなら近海のジギングと幅広く活躍するFATHOM ⅡとFATHOM Ⅱ2speed。

赤い矢印の部分のボタンを押すことで、ハイギアからローギアに変更できる。戻す際は、下側にある青い矢印を押せば、瞬時にハイギアに。

ちなみにハイギアは10XNLD2と15LD2は6.2:1(ハンドル1回転の最大ライン巻き取り81cm)、15XNLD2、25NLD2、30LD2は5.5:1(ハンドル1回転の最大ライン巻き取り97cm)のギア比に設定され、ローギアでは全モデル2.8:1になる。ローギアでは、巻き取りの距離は短いが、ある一定の水深からなかなか魚が上がらない、非力でファイトが大変といった状況において、少しずつでも巻き取りを可能にするというわけだ。

またFATHOM Ⅱからの変更点として、2スピード以外に、ハンドルの形状も変更されている。長時間の巻きとりを力強く快適にサポートする大型Tハンドルノブ搭載し、ハンドルアーム長は82mmになっている。

15XNはボディーサイズ/スプール径は25Nと同じであり、スプール幅が36mm(25Nは43mm)とナローになっています。

手にフィットし、握りやすい大型Tハンドルノブ。長時間のジャーキングでも手が疲れにくい。

FATHOM Ⅱ、FATHOM Ⅱ2speedともにサイズごとに十分なラインキャパシティを備えているため、深場の大物狙い、太糸による大物狙い、中深海&深海でのアカムツ、クロムツ、キンメなどで活躍するだろう。手に取りやすい価格帯であるため、初めてのレバードラグリールにもオススメといえる。また、FATHOM Ⅱ2speedは、記者自身が先日、3日間使いまくってきた。そのインプレッション記事も後日掲載する予定である。

購入はこちらから

まとめ:アングラーズタイム編集部

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