今季絶好調!
朝からヒット連発!
三重県鳥羽沖の近海マグロ
バンブルズジグで攻めるトンジギゲーム
ここ数年、近海でマグロが釣れるとあって、三重沖、南伊豆沖を舞台に流行しているトンボ(ビンナガ)狙いのジギング、トンジギ。さらに今期、三重沖は多くの釣果が出ている。そんな三重沖のトンボを狙いに、ジャッカルのプロスタッフの杉山代悟さんとショップ・フィッシング遊のスタッフ陣が挑んだ。そして良い結果を残したのだった。そこで、杉山さんに釣行後にインタビューをさせてもらった。実釣の様子とともにここで紹介しよう。
絶好のトンジギ日和!
12月の後半に差し掛かる頃、ジャッカルのプロスタッフであり、自身も駿河湾で遊漁船の船長を務め、様々な釣りの経験している杉山代悟さんと、大型釣具店・フィッシング遊のスタッフである西 正浩さん、稲垣太輔さん、早川 潤さん、杉野嘉之さんたちは、三重県鳥羽から漁盛丸で出港し、ビンナガ狙いにチャレンジした。テレビ愛知で放映されているフィッシングラバー東海の撮影で訪れたのだ(2023年1月28日、AM7:00~7:30に放映済み。動画は下記から)。この日、前日は時化、翌日も時化という天気であったが、釣行日だけはナギで風無しの釣り日和。しかも今回の実釣の時化前は7~8㎏、最大で10㎏ほどのトンボが連日釣れているという状況での出船となった。
ただ、「昨日までいたのに! 釣れていたのに!」というのはトンジギでは度々あること。トンジギは、回遊してくるトンボの群れを待ちながら水深50mから、深いところで200mなどのタナをドテラ流しで船を流しながら探っていく。ドテラ流しで探るのは、ラインを斜めに送り込み、より広い範囲を探るためだ。そしてそんなポイントで回遊が無ければ釣果ゼロの可能性もあるし、なかなか回遊してこないという日もある。回遊すると予測されるフィールドへ行ってみないと分からないということが多い。ちなみにそんないつ来るか分からない回遊してくる群れを探るため、アングラーは根気よく探り続けなければならない。さらに風や潮で船がどんどん流される状況では、ジグは重くする必要があり、深い場所がタナの場合は少々気合が必要となる。それでも近海でマグロ類が釣れるとあって人気なのだ。
杉山さんの当日のタックルセレクト
「釣行日は潮の流れも弱く、風も強くなかったので探りやすかったです」(杉山)
ちなみにトンジギでのジグは、通常300g以上を使用する。この日、杉山さんは風が無く、潮が弱い状況だったため、320gのジャッカルのバンブルズジグ・セミロング トンジギスペシャル(以下、バンブルズジグ・トンジギSP)からスタート。ロッドは、同じくジャッカルのバンブルズロッドのBB-C62-2Sと3Sを用意してきたが、2Sを選択した。
「バンブルズロッドは、青物ジギングでワラサやブリ、ヒラマサやカンパチの10㎏クラスまでを狙う時に最適なロッドです。今回はナギで潮の流れも速くなかったので、バンブルズジグのトンジギスペシャルの中で一番軽い320gをまず選んだので、バンブルズロッドの2Sを選びました。潮が速くなったり、強めの2枚潮になったり、風が出てきてラインが真下に落ちづらくなったらバンブルズロッドの3Sでジグも400g、480gに変更しようと用意していたのですが、1日通して2Sでやり続けられました。2Sのロッドで、あまり跳ねさせないようなイメージでしゃくり続けました」と杉山さんは教えてくれた。ちなみにバンブルズロッドの2Sは、ルアーMAX190gの設定だが、今回のような潮が緩く、風が弱い状況で、バンブルズジグ・トンジギSPの320gなら、問題なくジャークすることが可能とのこと。ロッドが曲がり続けてしまうような感じでなく、しっかりとティップが跳ねてジグを動かしてくれるという。バンブルズロッドは、ワラサからトンボまで幅広く使えるロッドということだ。
さらにバンブルズジグ・トンジギSPについて話を聞くと、ジャーク時に抜けの良いジグで、重さがあっても楽に引くことができるジグとのこと。潮抜けの良いシャープなヘッドとボディ形状、片側にウエイトを配分した左右非対称設計により軽くしゃくれ、その後は簡単にローリングとスライドを組み合わせたフォール姿勢を作ることができるジグである。思い引き抵抗のジグでは、いざヒットした時に「ファイトする体力が無い」なんてこともあるだろう。トンジギにおいてジグ選びは重要ということだ。ちなみにバンブルズジグ・トンジギSPのカラーはトンジギで効果的なミラーシルバー、UVレンズ ベイト、ボーダー シルバー、そしてイカパターンで有効なアカキン・マグマウェーブホロがラインナップされている。
「バンブルズジグ・トンジギSPは、販売時にトンジギに適したフックがセットされています。そのため、フック選びの必要なくそのまま使用可能です。フックは、巻きでのヒットを想定してフロントのフック、フォールでのヒットを想定してテールのフックが装着されています。もしもフックを交換するのであれば、同じようなサイズのフックをセレクトすればOKです」(杉山)
また杉山さんは、メインラインはPE3号を使用。リーダーはナイロンの60ポンドを結束している。
「ジギングではフロロカーボンを使用するのが一般的ですが、トンジギの場合はヒット後に根ズレする心配が無いこと、フロロカーボンより柔らかいことでPEとリーダーの結び目がガイドを抜けるときに引っかかりが少なく扱いやすいのが理由です」(杉山)
当日の様子とジグアクションについて。
この日、海の様子がトンジギ日和だっただけでなく、釣果も好調だった。船長の指示ダナは浅めの60m。そして朝一のひと流し目、なんと杉山さんを含む4名にヒットしたのだ。杉山さんは動画内で朝一の解説を始めたところでアタリを捉え、そのアタリは乗らなかったものの、すぐにジグを沈め直しヒットへと繋げた。こんな日もあるのだ。
「僕自身は、普段は南伊豆でトンジギをやっており、三重沖でやるのは初めてだったのですが、今回は良い釣果に恵まれました。状況的には数多くの群れで泳いでいる感じで、ひとりにヒットがあると、周りの2~3人がパタパタとヒットするような状況でした。そのような状況が1日のうちに4回ほどあり、そのタイミングを逃すと少しアタらない時間があるという感じでしたね。トンジギで釣果を伸ばすためには、そのタイミングを逃さないということです。周りの人にアタった、ヒットしたというのがあったら、その水深を聞き、すぐに合わせることが重要です。また、休んだりせずに常にジグを水中に入れて探り続けていることが必要です」(杉山)
休んでいて誰かがアタってからジグを投入したのでは遅い。群れがいるタナまで落としているうちに群れが抜けてしまう時もある。群れがいるタナ付近にジグがあれば、すぐにアジャストできるというわけだ。
トンジギはアタっている時はそのタナの周辺を探るが、アタリが無い時は広く探っていくのが基本パターンだが、今回の杉山さんのしゃくりパターンについて聞いてみた。
「今回のヒットパターンは、60mの周りでアタリが来る感じだったのですが、あえてそこをネチネチ探らずに、少し幅広く探りました。初めてのエリアであったこと、深い場所に大型がいるという情報もあったからです。80mほどまで落とし、40mくらいまでジャカジャカ巻きプラス、ロングフォールで探っていく感じです」(杉山)
このジャカジャカ巻き、ロングフォールは、5~10回ほどジャカジャカ巻きでしゃくり、最後に大きく跳ね上げてからロングフォールを入れる感じ。ビンナガにジグの存在を気づかせたり、追わせたりして、フォールでバイトさせるイメージだ。またヒットの情報が出るまでは、船長の指示ダナより20~30m下から探り、指示ダナの上の20mほどまで探るのがベストだと言う。突然、指示ダナとは別のタナに回遊してくることもあるからだ。また、指示ダナよりかなり深いタナに大型が回遊している情報があれば、一発大物狙いで狙ってみるのも良いだろう。ちなみに潮の流れや風などでラインが斜めに出る場合は、プラス10mほどラインを多く出し探っていくとのことであった。
「また、海中の中で潮目がある時に、そこを重点的に探ることもあります。しゃくっていて、ジグの重さの変化が感じるところが潮目です。そんな潮目には、プランクトンが群れ、ビンナガのベイトとなる小魚がいることが多く、その下の層にビンナガが回遊することが多いと感じます。そんな時は、そのタナの少し下からスロージギングの感じで、リールハンドル半回転、1/3回転でしゃくり上げ、毎回フォールを入れる動きで細かく探っていきます。タナをピンで探っていく感じですね」(杉山)
トンジギは、群れのタイミングにジグをタナに入れられれば、他のマグロ類をジグで誘うよりヒットしてくる確率は高いように感じる。ただ、釣果を得るためには、ジグ選び、やり続けること、タナを合わせること、ジャークの仕方などのキモはある。ぜひそれらのキモを頭に入れて、挑戦してほしい。最終的にこの日は、5人で11本のビンナガをキャッチし終了となったという。最後に杉山さんから、これからトンジギに挑戦する人に一言コメントをもらった。
「ビンナガ近海で釣れるとあって、チャレンジする人も多く、女性の挑戦者も多いです。ロッドは、専用のタックルでなくても挑戦できるのがトンジギです。すでに青物ジギングの経験者であれば、青物を対象にしたジギングロッドで少し強めの物なら対応できるので、まずはそれでチャレンジすると良いと思います。疲れにくさ、フォールでのバイトを捉えることを考えるなら、ベイトモデルがベストです。ジグは重めのもので、ジャーク時の抜けのよいロングジグが必要になるので、それだけ用意してください。あとは休まずに、しゃくり続けることです(笑)」(杉山)