最先端マテリアルと長年の竿作りで培った設計思想で、
とことん突き詰めたタイラバロッドが登場!

感度ビンビン!
超軽量&超高感度
ラグゼ 桜幻 鯛ラバーXX

2023年、がまかつ・ラグゼは新たなタイラバロッドを発表した。これまでラグゼ桜幻シリーズ、そしてその中で最高クラスとなる「ラグゼ 桜幻 鯛ラバーX」が発売していたが、今回のモデルは、これまで様々な釣り竿を作ってきた経験を生かしつつ、最先端マテリアルを装備しさらに高みを目指した最高峰と呼べるロッドだという。このロッドを携えて兵庫県明石沖を舞台にした実釣の様子とともに、その性能を解説したい。

感度ビンビン!<br>超軽量&超高感度<br>ラグゼ 桜幻 鯛ラバーXX

 

ロッドの更なる進化

ラグゼ桜幻シリーズは、これまでタイラバゲームロッドの基本性能を備えたスタンダードモデルといえるラグゼ 桜幻 鯛ラバーS(全5アイテム)、そして細身軽量&高感度設計のラグゼ 桜幻 鯛ラバーR(全8アイテム)、さらにこれまでラグゼのタイラバロッドの最高機種としてラグゼ 桜幻 鯛ラバーXがあった。ラグゼ 桜幻 鯛ラバーXは、魚はいるが、タイラバにじゃれつくような細かい変化、違和感を得られず、さらにフッキングまで繋がらないという状況を打破するための最高峰ロッドとして発売したモデルだ。しかし2023年、更なる高みを目指し、これまでのラグゼ 桜幻 鯛ラバーXを一新し、最新ロッドテクノロジーを纏った「ラグゼ 桜幻 鯛ラバーXX(ダブルエックス)」を誕生させたのである。開発には、がまかつ社のこれまでのロッド作りの設計思想、中でも長きにわたり高評価を得ている抜群の感度を誇る磯竿の設計技術などが生かされているという。そこでその新作の実釣撮影を、開発担当であるがまかつスタッフの松島彰吾さんと、がまかつスタッフ陣が行うということで同行させてもらった。舞台はタイラバ激戦区の兵庫県明石だ。

明石の海上

実釣は、11月中旬。明石の海上に新作のラグゼ 桜幻 鯛ラバーXXを全機種持ち込んだ。この日は動画撮影であったが、アングラーズタイムも同船させてもらい取材を行った。

桜幻 鯛ラバーXXでマダイをヒット

桜幻 鯛ラバーXXの開発担当スタッフである松島さんは、ロッドの実力を証明するかの如く、コンスタントにマダイをヒットさせていった。

がまかつスタッフ陣が真鯛を連続ヒット

船後方では、がまかつスタッフ陣がいろいろなアイテムを試していた。時合には、連続ヒット!

最先端ブランク素材で圧倒的な性能を装備

まず、桜幻 鯛ラバーXXの性能解説から。今回のロッドは最先端カーボンブランク素材のTORAYCA®T1100Gを採用し、さらに高強度高弾性素材で強度を30%向上させるTORAYCA®M40Xをコンポジットしている。これにより更なる強度を確保。さらに、従来のモデルより細身軽量化を実現し、驚異的な荷重変化、アタリを逃さず潮流もしっかりと把握する感度を備えたモデルとなっているという。実際手にしてみると、しなやかでありながらシャープと言う印象。しかし、どのモデルにおいても大型マダイや外道の青物がヒットしてもしっかりとリフトするパワーを備えているという。
「感度は、これまでにないほど抜群です。最初はリトリーブをしていて、違和感を感じてもなかなか魚がフッキングまで持ち込めないと思うかもしれません。しかしそれは、これまでより情報量が多いからです。今まで感じなかった小さなアタリ、マダイのタイラバへのじゃれつきを感知できます。そしてそれらを感じることができれば、ゆっくり巻く、速く巻くなどの次の一手を繰り出すことができます」(松島)

タイラバロッド

写真で見ても分かるように、細身のブランクが特徴。軽くしなやかでありながら、シャープさも持ち、さらに強度も備える。ロッドブランクの新素材に加え、ラグゼ独自の製法を組み合わせ、最高峰と呼べるタイラバロッドが完成した。

各モデルの詳細。
次なる一手スピニング

ちなみに今回のラインアップは、ベイト4モデル、スピニング3モデル。中でもスピニングモデルは、タイラバゲームの次の武器としてオススメだと松島さんは言う。自身も普段からスピニングによるタイラバゲームを好み、多くの釣果を叩き出している。そのスピニングモデルは、S65ML、S62Mのソリッドティップモデルと、オールチューブラのS60 MHというラインナップだ。
「スピニングはタイラバをキャストして斜めに引けます。タイラバはベイトが基本ですが、スピニングはベイトではスイッチが入らないマダイを違う角度から攻めて口を使わせることができる釣法だと思います。斜めの動きにしか反応しないケースも多く、さらにより広く探ることができる。また船下を探る際にも、スピニングしか反応しないケースもあります。スピニングリールならではの巻きで、ヒットに繋がるということです。そのようなことから、好んでスピニングを使用することが多いですね」(松島)

スピニング各モデルの詳細はというと、S65ML-solidは、60gのタイラバのフルキャストに対応し、リトリーブ感度が高く、細かな変化をロッド全体で察知できる性能。

S62M-solidは、80gまでのタイラバをストレスなくフルキャストでき、反発力が高いことで遠投性能が高いのが特徴のスピニングモデルの中心的なモデル。キャスティングウエイトの幅が広く、操作性も高いことから、総合的に戦闘力の高いモデルだという。

またシリーズ内で唯一となるチューブラ構造のS60 MHは、キャスティングにより特化したモデル。80gのタイラバを振りぬく性能を備え、100g程度までは遠投可能で、どんな釣り座からでもキャストしやすい設計。ただ広く探れるだけでなく、金属的にアタリを感じる感度の高さがあり、離れた位置からのアタリもしっかりと捉えることが可能。魚の動きがダイレクトに手元に伝わる、病みつきになるモデルだという。

明石の船上で釣り

投げて探ることで幅広く探れる。またキャストすることで、エンジンや船の影を嫌う時にも効果的。角度をつけて探り、アタった角度、水深を把握することで、次のバイトにも繋げることができることも多い。また、スピニングならでは巻きで、ベイトでは得られなかったバイトを取れることもある。

ロッドのグリップTOUGH LIGHT

細身の「TOUGH LIGHT」と呼ぶグリップにより、握りやすいのが特徴。「ロッドは力を入れすぎず軽く持つほうが、僅かな変化を把握しやすい。そのためにも細身が適しています」(松島)。ちなみに松島さんは、右の写真のようにロッドのグリップエンドを軽く胸に当てて探っていく。これにより、より細かなアタリ、水中の様子が把握しやすくなるという。

安定&高感度ベイトモデル

もちろんタイラバの基本となるベイトモデルにも、がまかつのこだわりが見える。アイテムはB67FL-solid、B67UL-solid、B67L-solid、B65ML-solidの4種類だ。

まず最もライトなB67FL-solidは、今回のXXから追加された追従性をとことん突き詰めたフェザーライトモデル。軽量タイラバでも安定したリーリングを可能にし、ショートバイトも弾かない性能。目感度でもアタリを把握でき、掛けてからはフルベンドでファイトを楽しめるモデルだ。

B67UL-solidは、細かなアタリ、潮流変化、チェイスなど、情報収集能力が優れたモデル。しなやかなブランクは、浅場やマダイの低活性時に活躍するが、このロッドならではの情報収集能力で戦略的な攻めの釣りでも活躍するという。

またベイトモデルの中心的なアイテムとなるB67L-solidは、様々な状況で安定したリトリーブを演出できるとともに、荷重変化の察知能力も高いことから深場の釣り、速い潮の中で釣りにも対応するモデルとなっている。

さらにベイトモデルの中で最もパワーのあるB65ML-solidは、操作性と感度の高さが特徴のモデル。深場はもちろん、ちょい投げにも対応し、船下にラインが入る釣り座でも、しっかりと引き続けることができる性能を備えている。もちろん大型狙いにも最適だ。

ちなみにベイトモデルは、細かなアタリを把握できるように、全モデルしなやかなソリッドティップ構造で、その長所を最大限に生かすためオールシングルフットのスパイラルガイド仕様。シングルフットでより軽くし、スパイラルガイドでラインのソリッド部、ブランクスとの干渉を避けつつ、より細かなアタリを捉える設計だ。またソリッド部分のティップ周辺のガイドは、従来モデルよりガイド径を少し大きく設定。これはラインが拾ってくるゴミ対策だという。

明石の海上でがまかつのテスト

様々な条件に対応できるようにベイトは4種のラインナップ。どのモデルも感度抜群の設計で、軽くしなやか。中でも写真のB67FL-solidは、追従性をとことん突き詰めた性能。軽いタイラバでもしっかりと泳がせ、ショートバイトも弾かずに捉える。

スパイラルガイド設計のベイト

ベイトモデルは、全てスパイラルガイド設計。ライントラブル防止や感度UPが期待できる設計だ。またスパイラルガイドにすることで、ソリッドティップの性能がより生かされ、軽量化にも繋がる。

細身のTOUGH LIGHT

ベイトモデルも、細身のTOUGH LIGHTのグリップを採用。リールをパーミングしながら握っても、その細さで握りやすく、手が疲れにくい。

ラグゼ 桜幻 鯛ラバーXXのスペック

タイラバ激戦区の明石

早朝、メンバーは遊漁船「海豚」に集合。まだ薄暗い時間に出港し、ちょうど太陽が覗く時間帯に明石海峡大橋の西側のポイントに入った。船長のスタートの合図とともに、松島さんはS65ML-solidを手にし、ミヨシからタイラバをキャストした。すると開始して20分ほどでヒットさせた。
「キャストしてボトムから2、3回巻いたところで違和感があったので、少し速度を緩めてやるとフッキングしました」(松島)
早速、結果を残した松島さん。しっかりとマダイがじゃれてきたことを把握し、その後バイトまで持ち込んだのだ。ちなみに使用していたタイラバは、桜幻TGシンカーに桜幻シリコンネクタイスリットカーリー。フックは桜幻カスタム チューンフックセットスーパークイックの4本鈎仕様だった。
「タイラバロッドは、感度が重要。指先の延長のような感度を、このロッドには求めました」(松島)
ちなみにスピニングモデルは元ガイドに小口径のものを採用している。これはリトリーブの安定性を高めるためとのこと。桜幻オリジナルのガイドセッティングだ。そして次に移動したポイントでは、B67FL-solidモデルを手にした。そして、しばらくしてタチウオを1本釣り上げ、その後すぐに更なるヒットの声を上げた。
「このモデルは最もライトなフェザーライトモデルです。より水中の様子を把握することができます。今回、グリップ周りはTOUGH LIGHTという新たな設計を採用しています。少し細身のデザインで、握りやすく、軽く持つことが可能です。さらにエンドグリップも軽量化のために細くなっています」(松島)
これにより少し荷重が前寄りになり、ロッド前方で感じる水中の様子が手元に伝わりやすくなっているという。

その後も、深場のポイントではB67L-solidに変えたり、浅場のポイントではチューブラモデルのS60 MHに変えてロングキャストしたりと、状況に応じてロッドを交換しつつ、コンスタントに釣果を伸ばしていった松島さん。時合こそ、同船のアングラーにヒットがあったが、松島さんは時合以外の時間も反応を捉え、ヒット&キャッチし続けていった。異なる性能のロッドを用意し、状況に応じて攻め方を変えていくことで、より多くのヒットが得られることをタイラバ激戦区の明石エリアで実践したのだった。

タイラバの最高の季節となる春のシーズンインまではすぐそこ。ぜひ、このロッドの高い性能を試してみてもらいたい。また、2月、3月はフィッシングショーや展示会が各地で開催される。気になる人は、会場で手に取ってみると良いだろう。

朝一に明石で釣れた真鯛

朝一に、スピニングでキャッチした1枚。桜幻TGシンカーに桜幻シリコンネクタイスリットカーリーにヒット。

船中でマダイを連発

2枚目はベイトのB67FL-solidで。松島さんは、細かいアタリ、水中の変化をしっかりと捉え、船中でひとり連発。

サミングする様子

松島さんは、スピニングでのタイラバのフォール時は、人差し指と中指の間にラインを通しサミングする。フォール中の僅かな変化を取るためだ。

がまかつスタッフ陣も次々とマダイをキャッチ

途中からは、松島さん以外のがまかつスタッフ陣も次々とキャッチ。よい釣行となった。

取材協力:がまかつ
https://www.gamakatsu.co.jp/
取材協力遊漁船
http://umibuta.jp/publics/index/18/

写真と文 : 大本英則(アングラーズタイム)

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