強い引きを味わいたい
新鮮なカツオを食べたい!
今期好調!
カツオキャスティング
上屋敷隆さんが解説! タックル、釣り方、ファイト方法
春から秋にかけて、相模湾に黒潮の分流次第で回遊が見られるカツオ。年により、すぐに抜けてしまう時もあり、釣果はタイミング次第の時もあれば、ベイトが豊富な相模湾に長く回遊し続けることもある。そんな相模湾カツオが、今年は春先から好調。そこで頻繁に相模湾に通っているマングローブスタジオの上屋敷さんに、その様子とタックル等について解説してもらった。釣行前にぜひ読んでほしい。
2024年、長く回遊している相模湾カツオ
相模湾で春から秋にかけて人気のキャスティングゲームといえば、キハダ、そしてシイラだが。そのどちらのアングラーも、釣行の際に一緒に釣りたい魚が「カツオ」だ。そんなカツオが今シーズンは数年ぶりに、しかも早い段階の5月から現れた。
相模湾のカツオは、その年により回遊量は異なるが、春先に姿を見せ始める。そしてそのまましばらく居続けてくれることもあれば、すぐに湾内から抜けてしまうこともある。そして8月になるとコマセ船が解禁。コマセがあることで、湾内に定着するが、若干キャスティングでは狙いにくくなることも多い。シーズンが進むにつれて様子が大きく変わることもあるため、キャスティングで楽しみたいアングラーは、回遊、釣果か出ているタイミングで、すぐに釣行したい。
さて、私も含めシイラキャスティングの乗合船に乗ることが多いアングラーは、シイラ狙いながら、潮目を流し漂流物、鳥の動きも観察していく。クジラ、イルカ、サメの大型生物の近くにはベイトがおり、カツオの群れが近くあると感じてほしい。そして突如現れたらカツオにたいして、カツオ対応を考えたタックル、ルアーを撃ち込んで攻めたい。
庄三郎丸
https://www.shouzaburo.com/
カツオはどのように狙うか?
まず、カタクチイワシの群れが海面まで持ち上げられ、上空から鳥に狙われ、下からは次々と端からソギ取られるようにカツオに喰われている様子を「ハミ」という。イワシが団子状態になっていれば、より狙いやすい。これを見つけ、プラグをキャストしていく。そしてもう一つの狙い方は、海面で群れをなして移動する様子「ミズモチ」を見つけて探っていくというもの。こちらも見つければチャンスだ。凪の海では、慣れているアングラーや船長はスグに見つけてくれるであろう。もちろん移動中は、常に周囲の様子を観察し、水面を意識している、水面に突っ込んでいる鳥や海面にベイトやカツオなどによる変化があれば、すぐに船長に知らせたい。
カツオを狙うタックルとキャスト
カツオキャスティングゲームにおいてのタックルは、シイラを狙うときと同じ7フィート前後のキャスティングロッドに、ラインはPE2号。リーダーは50~60lbのナイロンリーダーを結束するのが無難だ。リールは、5000番、6000番あたりが無難だろう。
キャストするルアーは、プラグなら30~40g前後のシンキングペンシル。オススメは、アトゥーラ、スギペン、ギグなど。釣り座がミヨシ、ミヨシ寄りなら、前記したシンキング
ペンシルで、カツオの動きを見ながら、カツオの進行方向の前に着水するようにサイトで狙っていこう。
アトゥーラ
https://www.mangrove-studio.com/mangrove_s/products/ocean/ocp-at.html
スギペン
http://supplies2011.web.fc2.com/Product_BlueJack.html
ギグ
http://www.palms.co.jp/lure/product/?name=gig100s
http://www.palms.co.jp/lure/product/?name=gig-hook-100s
また小型ジグをキャストするのも良い。ジグなら50gまでの小型が良いであろう(ブルージャック、スキルジグなど)。ジグは、最近流行りのブレイド系ジグも良いと思う。釣り座が胴の間でアンダーキャストでないと投げられない場合は、飛距離が出やすいジグのほうが使いやすい。
スキルジグ
https://www.mg-craft.co.jp/pages/products-Skill_Jig.html
そしてこれらのルアーを群れ撃ち込んで最初に喰わすことが肝心。船中で1匹ヒットすれば群れ全体にスイッチが入ったように一斉に喰いだすことが多い。そのため、移動する船が船足を緩めたら、慎重にキャストしたい。あまり早いタイミングで投げてしまうと、船の移動でルアーを動かしきれない。逆に遅いと群れが船から離れてしまうので、キャストのタイミングをしっかり見極めたい。
ルアーと動かし方?
ルアーを投げた後は、基本素引き、スキッピング。余計にロッドを動かさず海面を滑走させたタダ巻きで狙う。ルアーが海中に入りすぎないように、海面から飛び出さない程度の速度で巻く。付いているフックだけを海面に付けるような速度が重要だ。それで喰わないようなら、少し沈めてみるのも効果的。ベイトとなるイワシの下側を通すイメージだ。イワシ団子においても、イワシ団子の両サイド、奥側にキャストし、イワシ団子の下側をトレースするように誘うとヒットしてくることも多い。また、キャスト時にジグが海面に激しく着水すると上空から鳥が突き刺さるシーンと同様のような状態になり、ベイトを散らしてしまうので、着水のタイミングでしっかりとサミングし、そしてルアーは着水と同時に海面を滑らすことが重要である。
ヒット時の注意点
ヒットしたら、引きが強く俊敏なカツオの動きに同調させ、ラインテンションを緩めないようにラインを巻き、常にプレッシャーを掛け続けるロッドワーク、リーリングを行う。これがバラさない秘訣。また、船中1本目は大事にネットですくってくれるが、次々にヒットする状況になってしまった場合、ネットが間に合わないこともあり、そんな時は抜き上げることも考えておく。3㎏位までなら信頼できるロッドなら抜ける。ロッドティップの近くまで巻き、ロッドを立てすぎずに、一気に抜く。もしも使用ロッドで抜き上げるのが難しければ、素早くリーダーを持って速やかに抜き上げる。この時、細目のフックだと伸びてバレる可能性もあるので、フック強度も気をつけたい。
また、前記したように相模湾では8月から「コマセで狙うキハダ&カツオ船」が解禁となる。この時期からはミヨシにルアーのお客さんを乗せ、ジギングをメインで狙うこともできる。こちらは、そのタイミングで解説したい。
何といっても釣れたカツオを食すのも楽しみ
春のさっぱりした味の「初ガツオ」、秋の脂のノリを楽しむ「戻りガツオ」と言われますが、相模湾に入り込んだカツオはどちらにも言えない身質をしている。何故なら、ベイトとなる「カタクチイワシ」、時には「シラス」を毎日たらふく捕食しているので、湾内に入り一週間もすれば上質なほんのり脂が乗った旨味ある身質になるからだ。釣り上げたら、是非「刺身」「タタキ」で食べてほしい。私は船上で即血抜きをするため、釣ったその日は身に弾力があり過ぎ、2日目と3日目が一番美味しく頂けると感じている。釣り物のカツオは、購入した物とは味が全然違うので、是非味わってほしい。新鮮であるから栄養豊富な“血合い”も取り除くことなく美味しく頂ける。