【エキスパートのクロマグロの極意】
誰もが認める
マグロゲームの第一人者
佐藤偉知郎が語る
クロマグロキャスティング
今や全国のオフショアアングラーに、ルアーターゲットとして認知されるようになった究極のターゲット・クロマグロ。しかし過去、大型クロマグロをルアーで釣るのは不可能と言われていた時代があった。しかし、強い想いで挑み続けた男たちがいた。その中心人物であり、スタイルを確立し、全国的に広めたのが、誰もが認めるマグロゲームの開拓者・佐藤偉知郎さんである。そして、現在までの変化し続けるマグロ釣りにおいても常にシーンを牽引し続け、新たなタックル開発、戦術の提案を行っている。そんなトップランナーの過去、現在のマグロキャスティングゲームを語ってもらった。

写真提供:ダイワ
INDEX
2025年4月から2026年3月末までのクロマグロゲーム
クロマグロの遊漁は、2025年4月から2026年3月末日までは月ごとの捕獲数量が決められており、年間60トン、月当たり5トン(9月からは3トン)と水産庁の決まりによって定められている(前の月に捕獲量を超えた場合は変動)。例年、4月1日から新たな枠で開始される。釣り上げた場合は届出を行うことが必要であり、30kg以下は終年採捕禁止。30kg以上は1人毎月1尾までとなっており、陸上げ後1日以内に報告する必要がある。
数量は月初めからスタートし、基準の捕獲数量を超えるおそれがある場合は、マグロ釣りは禁止となる。そのような背景から捕獲数量に達するのは、時期にもよるが月初めの数日となることが多い。そのため、多くの人が楽しめるように、船によってはリリースを推奨していることもある。リリースは、リリースに慣れた船長、同船アングラーと打ち合わせの上で行いたい。
また、人間よりも遥かに大きいマグロ釣りは、ファイト中、ランディング時の事故、想定外の使用方法による道具の破損が伴う可能性がある。実際に怪我や道具のトラブルも聞く。釣りは自己責任で行うものであることを認識して、十分な安全確保のうえ楽しんでほしい。そしてマグロ釣りにおいては、しっかりとした知識、大型魚を相手にする体力を身につけて挑んでほしい。

写真提供:ダイワ
マグロキャスティングゲームの幕開け
現在のクロマグロをキャスティングで狙う釣りがあるのは、長きにわたり挑戦者たちの探究の歴史があったからだ。その第一人者であり、スタイルを確立し、マグロゲーム界を今なお牽引し続けているのが佐藤偉知郎さんだ。オフショアルアーフィッシングの創世記、国内での大型魚狙いは、ロウニンアジのキャスティング、ジギングでのヒラマサやカンパチ、イソマグロなどが開拓者たちにより確立されていった。当時、大型クロマグロはルアーでは釣れないと言われており、ターゲットとして加わったのはその後になる。そもそもクロマグロのルアーフィッシングが始まる前は、クロマグロは漁師にとって価値の高い魚であり、漁師が獲る魚という認識だった。遊漁で、しかもルアーで狙うのは難しいと思われていた。そんな環境の中で、佐藤さんは友人とともにマグロ狙いをスタートした。今から32年前だったという。まだインターネットは一般的ではなく、釣りの情報を得るためには雑誌かテレビ、または釣具店で聞くしか手段がなかった頃だ。
「雑誌などでオフショアの大物釣りが騒がれ始めた頃でした。ただ、そのような釣りをやりたいと思っても、情報も少なく、きっかけもなく、頼る人もいなかった。そこで、自分の住む青森県の近くに大型魚は何がいるかと考えた時にクロマグロが思い浮かんだのですが、周りからは釣れないと言われました。しかし、そんな意見を言われたことで、ますます火がつきました。そんな中で陸奥湾にいるという情報を聞き狙いに行きました。今では笑い話ですが、ジギングで狙い、20匹サバを釣り上げると、同じサイズのメジがヒットする状況。確かにマグロだが、これではない。そこでさらに調べ、久六島がマグロの水揚げが凄いという情報を得て、地元の船に頼み込みチャレンジしました。そこで友人がジギングで5〜6kgのメジをキャッチしました。ただ、ナブラが発生している状況だったため自分はキャスティングでやりたいという思いがありました。そしてマグロを狙い始めて3年目のシーズン、7月2日に10kg台を2本釣り上げたのです。これがマグロキャスティングの幕開けだと思います」
この当時、マグロ狙いを想定したプラグはもちろん存在しなかった。大型のルアーといえばGT用であり、前年にポッパーや大型ペンシルプラグ、さらにジグなどをキャストしたがヒットは得られなかった。そこで佐藤さんは、これまでにサクラマスの釣りで愛用していた重心移動搭載で飛距離が出せるタックルハウスのミノー・K-TENに着目。その140モデルは28gしかウェイトが無かったため、内部に散弾銃の弾を入れて60gにした改造を行い、それを持ち込みヒットさせることができたという。
「それから行くたびにヒットさせられるようになりました。サイズは20kgほどでしたが、このサイズでも大型と言われる時代でした。ここから一気に、マグロキャスティングが急加速していった感じです」
リールは満足いくものがなかった。クロマグロキャスティングに合ったロッドも、もちろんなかった。最初はGT用を使用したが、硬すぎて使いにくいものばかり。その他アイテムも満足いくものがなく、通販で海外の製品も含めプロショップから購入して試したという。また、様々なメーカーに問い合わせた。
その後も佐藤さんは久六島に通い続けた。山形県の飛島、青森県の松前、竜飛崎、大間方面にも足を運んだ。そして、徐々にスタイルは確立していった。そんな中、サクラマスで繋がりのあったルアーメーカー・スポーツザウルス社で専用ロッドを作り始めることとなった。そしてその後、これらのロッドを引き継ぎ、SOULS社を創業することになる。2026年現在、創業21年となる。
「SOULSの創業前は、クロマグロキャスティングは東北のアングラーと一部の遠征組がチャレンジしている感じで、一般的な釣りでないことから進化が遅かった。やれる場所も少なく、やりたくてもやれない人も多かったと思います。自分としては、マグロキャスティングを流行らせようと思ったわけではなく、こんなに面白い釣りは他にはないと感じていたので、とにかく夢中で取り組んできました。その後、タックル開発、釣り方が分かってきたことで、どんどん釣れるマグロがサイズアップしていきました。そして2008年7月に98kg、9月に131.5kgを釣りました。100kgオーバーが釣れるようになり、多くの遠征アングラーが青森・竜飛崎に来るようになった感じです」
ただ、この頃にマグロ資源の問題が出てきた。マグロの乱獲だ。
「ある時、塩釜のマグロの漁師の水揚げがゼロになりました。これにより漁師船団が日本海に入り、小型も含めて獲るようになった。これで一気に減った。僕らが、一日探しても一匹も見ないということも多くなり、それが当たり前になった。熱いアングラーは、青森でチャレンジし続けたが、マグロが少ない時期は何年も続いた。そしてその後、マグロの保護が始まったことで年々増えていき、現在になります」
佐藤さんは、これまでマグロをルアーで釣るために、日本で最も多くの時間を捧げた男だろう。マグロルアーフィッシングの歴史を作ってきた。そして、より釣れるように数々のタックルを開発してきた。だからこそ、彼の言葉には説得力がある。

写真提供:バリバス
佐藤にとってのマグロはサイズではない
これまで多くの大型マグロを釣り上げてきた佐藤さん。クロマグロ釣りの開拓を始めた当初は大型を釣ることを目標にしていたが、現在はより大きいマグロを釣り上げるということが目標ではないと言う。
「アングラーであれば、自己記録更新を目指すというのがあるべき形だと思いますが、自分はプロアングラーとしての意識よりも、クラフトマンという意識が高いです。そのため、新しいロッドやルアーの開発、新しいメソッドの確立などのほうに重きを置いています。もちろん大きいサイズ、自己記録が釣れれば嬉しいのですが、それよりも物作りのほうに自分の魂を注いでいる感じです。誰よりも大きいサイズを釣るよりも、SOULS製品のユーザーが結果を残す、クロマグロに挑戦し始めた人が自分が開発したルアーを使って、『釣れました!』と言ってくれるほうが嬉しく思います」
そのようなことから、フィールドに立っている時は、多くの場合がテストとなる。ただ、フィールドに立っているからには、いつも最大魚を想定して挑んでいる。

日本で最もルアーキャスティングによるマグロ狙いでフィールドに立ってきた。そして数々の釣果を得るとともに、マグロ攻略のためのタックル類を生み出してきた。写真提供:ダイワ
かっこよく釣るためのロッドとセレクト
佐藤さんのタックルは、長きにわたり大きく変わっていない。SOULSのキャスティングロッドのラインナップでは、最もライトなものはPE2号クラス。クロマグロキャスティングで使用できるモデルは、ライトなものでPE6号クラス、最強モデルでPE12号OVERクラスとなる。これらを使用ラインに応じて「レベル」と表現している。
「マグロキャスティングで使用するSOULSのロッドは、OCEAN‘S Power Class LEVEL SERIES、OCEAN‘S Power Class ASHURAになります。地域によってアベレージが決まってくるので、PE6号の6レベルから12号OVERの14レベルまでラインナップされています。その中で選んでいただければと思いますが、最近は全国でクロマグロのアベレージが上がっているので、最低でレベル8、メインでレベル10、レベル12、レベル14が必要でしょう。8、10、12、14とそれぞれ長さ違いでラインナップしています。また2025年は、ダイワでも自身が監修したロッドも出しました。こちらは長さ違いとともに、材質も異なるため、使い心地が異なると思います。釣りとして面白いのは、飛距離も出せて、テクニックで釣果が左右するレベル8ですが、フィールドで100kg以上がいるのであれば、迷わずPE12号でレベル12、14をセレクトするのが良いでしょう。ただこのクラスのタックルになってくると、風の強さを利用したり、船長とのチームワークなどが必要になってきます」
ラインはPE8号、PE10号、PE12号を使用し、3タックル持ち込む。フィールドのアベレージサイズによって用意するタックルは変わる。いつもPE8号、PE10号、PE12号でなく、大型が多ければPE8号、PE12号×2。80kgクラスまでならPE8号×2、PE12号にする場合もある。
ちなみにOCEAN‘S Power Class LEVEL SERIESは、レベル6の85、レベル8の75、80、83の長さ違い、レベル10は78、83の2種類、レベル12は76、80の2種類、12号OVERのレベル14は76、80の2種類で展開。佐藤がクロマグロをより獲れるように一切の妥協をせずに、コストパフォーマンスも度外視して性能を追求して作り上げたシリーズとなる。

上記のスペック表以外に、「PS-080L14S POWER slow」が追加ラインナップされています。
またOCEAN‘S Power Class ASHURAは、ティップからグリップまでワンピースで設計され、リフトパワーとキャスト性能を追求したシリーズ。アメリカ遠征でモンスタークラスとテストを繰り返し、完成させたモデルとなる。こちらはPE12号に対応する65、70の2種類と、PE12号OVER対応の70のdeath roadモデルを展開している。


OCEAN‘S Power Class LEVEL SERIESとOCEAN‘S Power Class ASHURAは、パワークラスごとに長さ違いで展開されている。ロッドの特性上、長ければ飛距離が出せ、短ければファイトがより楽に行える。どの長さを選ぶかは、アングラーの好みによるだろう。
ちなみにSOULSのロッドの特性はどのようなものなのか?
「SOULSロッドで常に目指しているのは、リフトパワーが強いということ。どのメーカーよりも破断テストを繰り返していると思っています。そして他のメーカーの破断強度より、2ランクほど上に設定しています。さらに粘り強く、楽にファイトできることを追求しています。SOULSのロッドは、立てられるのは当たり前。もちろん状況によってストレートファイトも必要になりますが、基本はロッドを立てたファイトで、マグロにプレッシャーをしっかりと掛け、かっこよく釣り上げたいと思っています。またロッドの弾力を使うことで、マグロとのやりとりをより楽しめるとともに、糸への負担、リールへの負担も少なくなります」

佐藤さんのファイトは、ロッドを立てて曲げ、プレッシャーをどんどん掛けて寄せていくスタイル。SOULSのロッドは、そのための強度をしっかり備えている。写真提供:バリバス
【SOULS ROD / LEVEL SERIES / ASHURA】
https://souls.jp/products/salt-rod
また、ダイワでもSOULSロッドとは異なる仕様のモデルを監修して展開している。それが「SALTIGA DOGFIGHT」だ。佐藤さんのロッドメイキングのノウハウとダイワのテクノロジーを組み合わせ、佐藤さんが考える近年のマグロゲームに必要とされる性能を具現化したモデルとなる。佐藤さんのスタイルである、しっかりと曲げて獲ることが可能な84-6、81-8、76-10、72-12の全4アイテムがラインナップ。佐藤さんがこれまで自身が培ってきたマグロロッドに対するこだわりを注ぎ込み、リフト力、粘り、感度、軽さを徹底的に追求してバランスよく搭載したモデルとなる。

ダイワで監修したモデルは、SOULSのロッドと同様にロッドを立てたファイトがしっかり行えるモデル。SOULSロッドよりキャストしやすく、初心者にも使いやすいと言う。写真提供:ダイワ


【DAIWA SALTIGA DOGFIGHT】
https://www.daiwa.com/jp/product/ye4akug
耐久性がなくては戦えない。大きく変わった25SALTIGA

写真提供:ダイワ
もちろん、ロッドパワーに合わせてリールサイズもセレクトする。マグロとのファイトで壊れない、ドラグが高負荷でもきちんと作動して壊れないことが絶対条件となる。使用しているのは25SALTIGAだ。20 SALTIGAで、それまでのSALTIGAから大きく変貌を遂げたが、25 SALTIGAではさらに大きく進化した。
「相当変わりました。これまで長年、SALTIGAスピニングの開発に携わり、自分の意見をぶつけてきました。20 SALTIGAが出た時に、かなり良いリールが完成したと思い、これで充分だなと思いましたが、それでもさらに進化を求めてさまざまな意見を伝えてきました。そして数々のテストの末に完成した25 SALTIGAで、また驚かされました。巻きがさらに軽くなり、ドラグが強くなり、高負荷で魚が走った後のドラグ性能の安定性が上がり、より壊れにくくなった。設計者が粘り強く取り組んで完成させたリールだと思います」
高負荷でのドラグ性能については、マグロゲームにおいて最も重要な部分。開発陣にドラグ力が下がらないという要望を、これまで幾度となく伝えてきたという。そして25 SALTIGAでは、佐藤さんが納得する数値に仕上げてきたという。それを可能にしたのが、これまでのカーボンワッシャーではなく、金属プレートに8つの金属ローラーが搭載されたDRDワッシャーを採用したDRDだ。
「それまでのカーボンのドラグは、マグロの強烈なランがあった後に、同じ位置にドラグノブを回しても、初期と同じドラグ負荷にならない。これはカーボンが摩耗するからです。グリスも飛びます。ところがDRDは、ワッシャーの熱が下がりさえすれば同じ負荷になる。劣化がないからです。グリスにも頼っていない。熱耐性にも強い。この進化はマグロゲームにおいて、強い武器になります。ダイワからラボでの実験結果ももらいましたが、それだけでは信用できず、実際に魚を掛けたり、車で引っ張ったりして、高負荷でラインを出した後に、同じ位置で同数値のドラグが入るか確かめましたが、しっかりと入れることが可能でした」
従来のカーボンワッシャーは、金属ワッシャーとの接地面の摩擦力によりドラグを効かせていた。そのため、高ドラグ値での激しいライン放出では、高熱によるドラグ力の低下、摩耗、固着などが起こる可能性があった。しかし、DRDはすべて摩擦劣化が起こりにくい金属プレートであり、ワッシャーに取り付けられている金属ローラーの傾斜による回転と摩擦でドラグを効かせていることで、耐久性が高いのだ。


また25SALTIGAでは、20SALTIGAよりも直径で10%大型化、厚みも6%増しているドライブギア、オーバーサイズパワーデジギアを採用している。
「20SALTIGAの時も大きくなりましたが、さらに大きくなり、あれだけ大きくなれば使い心地は全然違います。巻き味がとにかく軽い。自分は魚が掛かっている時は、リールパワーだけで上げるのではなく、ロッドの反発を利用して巻き上げますので、ギアが大きくなったことによる差をあまり感じませんが、誘い出しでキャストを繰り返すときは、軽さの違いをとても感じられ疲労感が少ない。ちなみにロッドの反発を利用して巻き上げることで、リールを壊さない。ハンドルだけで寄せようとする人がいますが、そのように使うとリールは壊れることが多いです。ちなみにSALTIGAの頑丈さは、20モデルの時で感じており、テストの時から使用して100本くらい釣り上げましたが、交換部品はありませんでした。25SALTIGAになっても堅牢さは健在。安心して使い続けられます」



20SALTIGAでモノコックボディになりギアが大型化したが、25SALTIGAでさらにギアが厚くなり大型化。より軽い巻き心地を手に入れた。モノコックボディによる剛性、気密性の高さも健在。写真提供(写真下):ダイワ
ちなみに佐藤さんがクロマグロ釣りで使用しているのは、25000番と20000番。使用するラインの太さにより変わるという。ちなみに25000番は、パワーギアモデルとして発売されているが、ハイギアとパワーギアのどちらが良いのか?
「ハイギアを長年使い続けてきたのは、ナブラ撃ちが主流だったからです。ナブラ撃ちは、ナブラに向かって撃ち、ヒットがなければ素早く回収して次の場所に撃つ必要があります。しかし最近は誘い出しが多く、パワーギアでも問題ないと感じています。ちなみに自分の中でのパワーギアは、ヒットしてから巻き上げが楽だからというのがセレクト理由ではない。ファイトではロッドを立てて、ロッドの反発を利用して巻き上げてくるため、その際のパワーギアによるパワーはそれほど重要ではないと思っています」
しかし、クロマグロとの最後の攻防では、ロッドを立てるファイトとストレートファイトを併用する場面が多い。その際、佐藤さんのように状況に応じてスムーズにファイトスタイルを切り替えられるアングラーであれば問題ないが、慣れていない人の場合、ストレートファイトの体勢から持ち替えられず、そのまま巻けるタイミングで少しずつラインを回収するファイトになりがちだ。そうした状況においては、パワーギアがアングラーの大きな味方となるだろう。
ちなみに25000番と20000番は、ボディは同じである。そのため、ナブラ撃ちで手返しよく攻めたいという人は、20000番のハイギアのボディに25000番のスプールを装着して対応するというのもありだ。
また、2026年には佐藤さんがテストを行った30000番が発売されることが発表されている。25000番は12号が300m巻けるラインキャパシティだが、それを超えるラインキャパシティになる。30000番の登場で、マグロゲームにも変化が起こるはず。そちらの佐藤さんの考え、30000番の使い心地などは、別のタイミングで紹介したい。
【25SALTIGA】
https://www.daiwa.com/jp/product/i25pggl


インタビュー取材の後に実釣取材の予定が入っていた佐藤さんが用意していたメインタックル。この時は、OCEAN‘S Power Class LEVEL SERIESの076L14SとOCEAN‘S Power Class ASHURAの070PCS death roadモデルを用意。リールはともにSALTIGA25000、ラインはPE12号。
耐久性の高いラインが、マグロには不可欠
使用するメインラインは、すべて「VARIVAS AVANI Casting PE Si-X X8」だ。ちなみにマグロはもちろんだが、GTやヒラマサ狙いの釣行でもこのラインを選んでいる。佐藤さんがマグロキャスティングのためにプロデュースしたラインだ。
「Si-Xの前は『AVANI Casting PE SMP』を使用していました。Si-Xは、大型クロマグロの強烈なランに耐える高い耐久性と、ラインローラーやガイドを通る際に発生する摩擦熱を軽減するように改良されたラインになります。通常のPEラインは、組んだ後に表面にコーティングを施しますが、『VARIVAS AVANI Casting PE Si-X X8』は、特殊耐熱素材『Si-X』を、原糸を編み込む前の段階から練り込んでいます。そのため、コーティングが剥がれにくくなっており、高耐久性と耐熱性能を長時間維持してくれます。結果、毛羽立ちの少なさにも繋がっています」
これまで佐藤さんが数々の大型マグロを獲ってきた実績から、その性能は証明されている。

【VARIVAS AVANI Casting PE Si-X X8】
https://www.varivas.co.jp/Product/searchgroup/id:4521
「また、2025年に発売されたSMPナイロンリーダーが、マグロゲームに非常に良い。まず、しなやかで糸クセがつきにくいということ。そして直線強度、耐摩耗性が高い。さらに通常ナイロンよりも10%ほど伸縮するよう原糸の見直しを行なっています。この伸びにより、高負荷時のファイトでアングラーをサポートします。加えて、柔らかさがあることで摩擦系ノットとの相性が良い。PEラインがリーダーに食い込み、高強度を実現します」
また色も徹底的にこだわったという。
「水中から表層を見た時の映像を天候の違い、水色の違いで何度も撮影し、カラーの違いによる見え方を分析して辿り着いた色を採用しています。リールの性能向上により、以前よりもラインに負担が掛かるようになりました。その際、リーダーのナイロンは吸水することで時間とともに劣化することから、ナイロンへの負担がより大きいと考え、従来よりも太いポンド数の250lb、300lbをセレクトするようになりました。しかし太ければより目立つという問題があるため、徹底的に目立たないカラーを追求したのです」

【AVANI SHOCK LEADER SMP】
https://www.varivas.co.jp/Product/searchgroup/id:5140
結束100%を目指し誕生した「ファイティングリーダー」
ちなみにバリバスには、佐藤さんが監修した「アルティメット ファイティングリーダー」という製品がある。リーダーの先にザイロン素材がセットされ、そこにSOULS社のBBパワーマックススイベル「BB STRONG」が装着されたモデルだ。
このリーダーは、「使用するラインの強度を100%維持すること」を佐藤さんが求めたことから誕生した。通常、ラインは結ばれると強度低下を起こす。そこで佐藤さんは、PEラインとリーダーの結束は、ミッドノットを改良した「16ノット」という結びを試行錯誤の末に完成させた。このノットは、PE本線と同等の強度を結束しても発揮できるようにしたものだ。身体全体を使い徐々に締め込んでいく結束方法で、完璧に結ぶには船上での作業には向かないが、これまで結束部分が抜けたり切れたりしたことがないという結束方法だ。PEラインの強度と同じ、100%の強度で結束することができ、長年にわたり、この結束で多くのマグロを手にしてきた。
そして、この完璧な結束の結果、佐藤さんはリーダーとリングの結束部の強度に着目した。そこでこの部分も100%に近い結束を目指して研究して生まれたのが、ザイロンをリーダーに被せてBBスイベルにスレッドで巻き止める方法だ。それを、誰でも使えるようにしたものが「アルティメット ファイティングリーダー」として発売されている。
「アルティメット ファイティングリーダーのザイロンによるスイベルの結束は、もともとは100%の結束を追求した結果に生まれたものです。実際には結んでいるのではなく、圧力で固定しています。そのため、リーダーの強度低下もなく、高負荷でのファイトによる結束部の締まり切れもない。さらに、シイラパターンのようなマグロがルアーを飲み込む可能性がある状況を考慮し、歯切れ防止の観点から、ザイロンの長さ違いも出すことになりました。ちなみに先端にザイロンが付いていることで食い渋ると考える人もいるかもしれませんが、自分は釣果の違いを感じたことはありません。これはマグロだけでなく、GT、ヒラマサも同じです」

アルティメット ファイティングリーダーは、ザイロンノットの長さの違いでラインナップされている。INVITED MODEL(5cm)は、ルアーの操作性に優れた誘い出し専用のショートモデル。MULTI MODEL(10cm)は、ナブラ撃ち、誘い出しの両方に対応するミドル設計。SHOOTING MODEL(35〜45cm)は、ナブラ撃ち専用で、丸呑みやスレ掛かりの状態でも安心なロングザイロンモデルだ。先端には強靭でガイドに通しやすいSOULS社のBBスイベルが装着されている。リーダーの強度は105lbから220lbまでをラインナップ。
【VARIVAS アルティメット ファイティングリーダー】
https://www.varivas.co.jp/Product/searchgroup/name/type:/view3:2/id:4863
ちなみにアルティメット ファイティングリーダーは、佐藤さんが監修した「アバニ キャスティングショックリーダー マグロ」を使用しているが、今後はSMPナイロンリーダーを使用したモデルも発売予定だという。16ノットの結び方は、下記の動画を参考にしてほしい。

【佐藤偉知郎考案の16ノット動画解説】
スペーサーシステムとスペアスプール
現在、佐藤さんは前述したようにPEとリーダーの結束には、16ノットを使用しているが、近年は結束部の上にスペーサーシステムを採用している。結束部分の上のPEラインは、キャストを繰り返すことで傷みが出やすい。しかしスペーサーを入れることで、そのデメリットを解消した。そのスペーサーは、取材時には開発中とのことだったが、2026年に簡単に装着できるスペーサーが「アバニ キャスティング PEプロテクト」という名で発売されるという。
「自分は、PEラインに一本でも毛羽立ちがあれば気になってしまいます。しかし今のスペーサーのシステムを組んでいる限り、魚が掛からなければ、キャストを繰り返してもPEとリーダーの結束部分の上の部分が劣化することはありません。本線のSi-X もSMPリーダーも劣化が少ない。マグロをやる海域では、サメやダツにやられることもないため、掛からなかったらスプールを取り替える必要はありません。ただ、大型のマグロが掛かったり、船底に擦れたと感じた場合は新しいラインのスペアスプールに交換します。その際、次のチャンスに備えるために素早く準備することが必要。ノットを組んでいる時間はありません。そのためにスペアスプールにノットを組んだ状態で準備しておくのです」

【VARIVAS AVANI Casting PE PROTECT】
https://www.varivas.co.jp/Product/searchgroup/id:5169
交換用のスプールは、あらかじめ完璧に16ノットでラインシステムを組んだ状態で、一回の釣行につき10個ほど持ち込む。完璧な16ノットは現場では作れない。ならば他のノットで対応するという考えもあるかもしれないが、それでは100%の強度の結束はできない。仮に他のノットで70%の強度しか出せなければ、PEラインは実質的にワンランク下の強度になってしまう。それでは太いラインを使う意味がない。そのため、事前にしっかりとラインシステムを組んだスプールを用意するのだ。
ちなみにスプールへの糸巻きは、ファイト時にラインが食い込まないようにしっかりテンションを掛けて巻くことが鉄則となる。ただし、必要以上に強くテンションを掛けすぎるのも良くない。5号以上のPEラインであれば「号数×500g」を基準とした負荷が無難な数値だという。

ラインは、テンションを掛けて密に巻く。ただ、高すぎるテンションはラインにダメージを与えてしまう。適切な負荷で巻いておくことが大切だ。

スペアスプールは多数持ち込む。スペーサーのシステムを組むようになってから、スプール交換の回数は減ったというが、それでも船上では何が起こるか分からない。
釣り場で結ばなくて良いSOULS・BBマックスパワースイベル
SOULSでは、オリジナルのボールベアリングスイベルをラインナップしている。これは、バリバスのアルティメット ファイティングリーダーにも装着されているものだ。その性能についても聞いてみた。
「まず、ルアーの泳ぎを殺さないこと。さらに、十分な強度を備えているものを目指しました。抵抗を少なくするためにリングの直径を小口径化しつつ、強度を確保するためにリングのワイヤー径を太くデザインしています。そして、この小口径化により、装着したままロッドガイドを通すことが可能になっています。サイズは#4から#7までありますが、#7でもSOULSのマグロ用キャスティングロッドすべてのガイドを通ります。これにより、スペアスプールも含めて、自宅でスイベルを装着した状態でラインシステムを組んでおけば、釣り場で結ぶ必要がありません。BBマックスパワースイベルを作る前は、同等のパワーを持つスイベルはリングが大きく、ガイドを通らなかったため、現場でスイベルだけを結ぶ必要がありましたが、その手間が不要になりました」


バリバスのアルティメット ファイティングリーダーには、SOULS社のBBマックスパワースイベルが装着されている。リングは太く強靭でありながら、小径設計となっている。
フックセレクト&愛用リング
佐藤さんは、トレブルフックをメインに使用している。海外などでシングルフックのレギュレーションがある場合はそれに従うが、無ければトレブルを選択する。
「シングルとトレブルには、それぞれ特性があります。掛かると抜けにくく、飛距離が出るのはシングルです。ただし、フッキングの確率は低いため、魚が出る確率が低い状況では、トレブルのほうが圧倒的に有利です。ちなみに、フックの契約はないので、さまざまなメーカーのものを使用しています。好みとしては、素早く刺さるストレートポイントのものです」
リングは、SOULSオリジナルの「チューン・スプリットリング」を使用する。このリングは、デコイ社に製作を依頼しているモデルだ。

「デコイ社のスプリットリングが非常に強いことから、デコイ社に相談して依頼しました。これまで使ってきた中で、これが一番強い。アメリカでのクロマグロ釣りでは400lbのスプリットリングが伸びてしまう場面を何度も見てきましたが、デコイ社のものは伸びなかった。その理由は、リングの切断面にあります。断面が垂直ではなく、斜めにカットされている。垂直にカットされていると、シングルになっている部分でルアーのワイヤー部が切断面にロックされ、そこに撚りが加わることでリングが開いてしまうことがあるのです。しかしデコイ社のスプリットリングは、切断面が斜めになっていることで開かない。このデザインに惚れ込み、そしてさらにロックしにくくするため、SOULSのオリジナルモデルではフッ素コート加工を施し、滑りを向上させました」

左が一般的なスプリットリング、右がカツイチ社・デコイのスプリットリングにフッ素コート加工を施したSOULSのチューン・スプリットリング。切断面が斜めにカットされていることが分かる。斜めにカットされていることで、切断面でルアーのワイヤーがロックされずにズレるため、リングが開かない。
マグロを掛けるために開発したルアーとセレクトについて

写真提供:ダイワ
シチュエーションごとのルアーセレクトについては、「この状況ではこれを使えば良い」という明確な答えは特にないという。どれも佐藤さんがマグロ攻略のために、動きやアピールを徹底的に追求して完成させたルアーだからだ。そして現在、マグロ対応としてラインナップされているプラグは、「モグラッパー」「モグラッパースリム」「ダイナマイトドンドン」「鮪山(シビヤマ)」「コムソー」で、いずれも必要不可欠な存在だという。

クロマグロの捕食を研究し、数々の体験をもとに生み出されてきたSOULSのルアーたち。佐藤さんがすでに多くの実績を積み重ねていることからも、その人気の高さに頷ける。

「正直、使いたいルアーを使ってもらうのが一番良いと思っています。どれがヒットするかは分からないし、使い手によっても結果は変わってきます。ただ、それぞれのモデルには明確な狙いがあります。
まず『モグラッパー』は190mmを最初に出しました。ただ一般的に好まれるのは、『モグラッパースリム』の230mmです。これはどちらも同じ150gです。自分のクロマグロ釣りは、まず掛けることを前提に考え、その後、しっかり獲れるかどうかを考えます。そして、シルエットが短く太いモグラッパーのほうが、獲れる確率が高いと言えます。なぜなら短く太ければ、前後両方のフックが口内に掛かる可能性があるからです。モグラッパースリムでは、どちらか一方のフックが掛かる、もしくは遊んでいるフックが外側に掛かる可能性もあります。片方のフックだけでは外れる可能性があり、外側に掛かると、どうしてもファイトに時間が掛かり、フックアウトのリスクが高まります。ただし、操作時の引き抵抗は軽く、扱いやすいため人気です。また、モグラッパーよりも、さらにアピール力を強くしたのが『ダイナマイトドンドン』です。そしてダイナマイトドンドンに対して、全長が長く、飛行姿勢が良く、連続ジャークがしやすいことから、多くのアングラーに好まれているシルエットが『鮪山(シビヤマ)』です。ちなみに、シイラパターンであれば、実績のある『コムソー』を選ぶことが多いです」

多くの実績を持ち、人気の「モグラッパー」。カップを備えつつ、サウンドを発生させながら泡をまとってスイミングするスイミングサウンドペンシル。太く短いシルエットにより、マグロのバイト時に前後のフックを口内に掛けることで、フックアウト率の軽減を狙っている。45g /130mm、75g /150mm、105g /170mm、155g /190mmがラインナップ。

モグラッパーの後継モデルとして登場した「モグラッパースリム」。短く太いモデルよりも、スリム形状のほうが人気が高い。細く長いデザインは、アクション時の抵抗が少なく、モグラッパーよりも泳ぐ距離が長いほうがバイトしやすいと感じる場面で活躍する。ラインナップは、65g /170mm、90g /190mm、120g /210mm、150g /230mm、250g /300mm。

モグラッパーを進化させ、大きなサウンドとナブラ撃ちに効果的な遠投性能を備えた「ダイナマイトドンドン」。大型カップから発生する音は、単に大きいだけでなく、フィッシュイーターの捕食周波数に近づけている。誘い出しではビッグバブルで強くアピールするため、魚が出にくい状況で威力を発揮することが多いという。55g /130mm、75g /140mm、95g /150mm、115g /160mmのラインナップ。

ダイナマイトドンドンと同様に、大きなカップによるマグロが好むサウンドを発生させつつ、泡をまといながらスイミングでアピールする「鮪山」。厳しい状況や魚が出にくい場面で、ハイアピールで寄せ、スイミングで捕食本能を刺激する。65g /180mm、95g /200mm、125g /220mm。
【SOULS LURE‘S】
https://souls.jp/products/salt-lure/
また、取材時には開発中のルアーも見せてくれた。
「今のマグロゲームでは、ポッパー系を使う人が多いです。SOULSでもポッパー形状のモデルが多い。この流れの最初はSOULSのエアマティックだと思っています。小口径のカップを備えたルアーです。このルアーに小さなカップを付けた理由は、音によるアピールが重要だと考えたからです。マグロが好むサウンドを出しながら、泳いでいく軌道上に細かい泡を出す。この音と泡の出し方には、多くの結果が出ました。その性能を踏まえながら、以降のモデルも開発してきました。
他のメーカーはペンシル系を出してきましたが、他とは違うものを出したいという思いがあり、モグラッパー、モグラッパースリム、ダイナマイトドンドン、鮪山と音と泳ぎでアピールするカップを備えたルアーを展開してきました。しかし最近では、他社からも同様のポッパー系が増えてきた。そこで初心に立ち返り、現在はペンシル系を開発しています。見た目は普通のペンシルですが、使い方が少し違う。これまでにないフローティングペンシルです。実績はかなり出ていますので、発売までもう少しお待ちください」


開発中のペンシル。詳細はまだ発表できないが、新しいメソッドとともに登場する予定だという。発売が待ち遠しいルアーだ。
実釣ではどのように探り、ファイトはどうするのか?
マグロ攻略は、ナブラ撃ちと誘い出しとなる。ではどこに投げ、どのように誘うのか?
「ナブラがあれば、その横にルアーを投入します。ナブラのど真ん中に入れるとラインブレイクになる可能性があるので注意が必要です。シイラナブラでは、次にマグロが出る場所を読んで投げ入れます。サバに出ている時も、マグロがどちらに向いているかを読んで、その進行方向の先に投げ入れます」
数回アクションを入れてマグロが出なければ、回収して次のキャストに備える。
一方、誘い出しでは潮目や鳥の動き、単発の跳ねが出た場所の周囲を探ることとなる。


マグロの動きをしっかりと捉え、進行方向を予想してルアーを投入。焦らずに、素早く状況を見極めてキャストすることが大切。写真提供:ダイワ
「ヒットしたら、アワセはそれほど意識しません。向こうアワセになるようにするための、まずはきっかけ作りをします。一度だけ強くロッドを煽ります。相手を向こう側に走らせるためのロッド操作です。向こう側に走れば、アワセが決まります。
この時、ドラグの数値は10kg程度にしています。このファーストランで、相手がどのくらいのサイズかを判断します。走り方を見ながら、段階的にドラグを上げていき、サイズを見極めます。サイズが良さそうなら、ドラグを20kg、25kg程度まで上げます。マグロの動きを感じながら、どのような掛かり方をしているかも判断します。
そして、リールスプールが冷めていくスピードに合わせて、ドラグ値を徐々に下げていきます。15kgほどまで落とします。最初は脇挟みのまま走らせますが、ロッドを立てるタイミングはケースバイケースです。100kg前後だと判断したら、相手が止まったタイミングで立てます。大型と判断できたり、セカンドランで勢いよく走ったりするようであれば、ドラグを調整して止めます。相手の走りが止まれば、ロッドを立てて負荷を掛け、ポンピングでラインを巻きます。もしも掛かり方が悪いと判断したら、無理をせずに自分の下方向にマグロが来るまで脇挟みのまま巻き、真下に入ったタイミングで少しロッドを立ててファイトを始めます。
横に掛かっている場合は、あまり無理をすることができず、魚の圧力でなかなか浮いてこないため、魚の泳ぎを利用しながら巻き上げてきます。船の真下に入ってきた時は脇挟みで耐え、船から離れてこちらに向かってくる時に、ロッドを立てて距離を詰めていきます」

マグロの動きを観察しながら巻き上げていく。どこに掛かっているかを判断することも重要だ。真提供:ダイワ
マグロは、最後の30mほどで強く抵抗を見せるため、そこをクリアするための体力を残しておくことが大切だ。そしてクリアしたら、巻ける時に少しでも距離を詰めていく。その際は、脇挟みとロッドを立てる動作を併用する。
船下にマグロが回り込む時は、船底でラインが擦れないよう脇挟みで誘導する。マグロが浮いたらキャッチとなるが、リリース、キャッチともに船長がいる位置へマグロを誘導して終了となる。
リリースの場合は、SOULSのソウルズギャフやモンスターローリングギャフを唇の先端、皮一枚の部分に掛け、ソウルズリリーサーⅡでルアーを外して完了となる。これらのリリース器具も、幾度となくテストを重ねて辿り着いたアイテムだ。
「本当に簡単かつスムーズにリリースできます」

マグロを浮かし空気を吸わせたら終了となるが、ランディング時やリリース時に魚が暴れることもある。ルアーが飛んできたり、ラインやモリのロープなどで事故が起こりやすいタイミングでもある。最後まで気を抜かないようにしたい。写真提供:ダイワ

写真提供:ダイワ

グローブ、ギンバルは必需品。またSOULSグローブと相性の良いグリップテープは、かなりオススメとのこと。多くの人が、1本のロッドに付けると、全ロッドに付けたくなるという。
「自分では“グリップサポート”と呼んでいるのですが、グリップを力強く握らなくても、手に引っかかるためにロッドを保持できます。ファイトしていると、徐々に握力がなくなってきますが、これを付けていれば安心ですし、ファイトが格段に楽になります」
これからクロマグロに挑戦するアングラーへ
「最近は大型のマグロが多くなっているので、挑戦するなら、確実にキャッチできるタックルでチャレンジしてほしいと思います。それはラインシステムも含めて、すべてです。自分自身で研究し、練習し、さまざまな状況を想定したうえで挑んでほしい。また、大型のマグロとのファイトは常に危険が伴います。安全には十分に配慮してほしいです。特に事故が多いのがランディング時です。ランディングの際は、ロッドを立てないこと、無闇にラインを持たないこと、モリを撃つ場合はロープの位置や動きに注意することなど、さまざまな点に気を配る必要があります」
佐藤さんが長年にわたり向き合い、研究を重ね、自身のスタイルを確立するとともに、新たなメソッドを提案してきたクロマグロキャスティングゲーム。しかし佐藤さんは、その完成に満足することなく、常に次のステージとなるマグロゲームを模索し続けている。そしてクロマグロに限らず、キハダやGT、ヒラマサといったターゲットにおいても、タックルやメソッドの研究を続けている。それらすべてを含め、アングラーズタイムとして、佐藤さんが目指す“その先”を追いかけていきたい。

写真提供:バリバス



















