これほどこだわり、開発期間を要したプライヤーを私は知らない!
スタジオオーシャンマーク
オーシャンプライヤー・OP165HP/OP140P
巷には数々の釣り用プライヤーがある。その多くに、ルアーやルアーフックを装着する際のスプリットリングを開く機能が備えられている。ここで紹介するオーシャンプライヤーも同性能を備える。ただ、ここまで作り込み、スプリットリングを簡単に開くことを追求した製品は、なかなかないだろう。
開発開始から6年で、ついに発売!
「やっと形状が決まりました」。海外でのGTフィッシングの取材のときに、スタジオオーシャンマーク(以下SOM)の代表である大塚隆氏がテスト段階のプライヤーを持ちそう説明した。2018年の11月のことである。その時までにフィッシングプライヤーの開発、そしてテストを繰り返していることは知っていた。しかしすぐに発売されると思っていたそのプライヤーは、なかなか発売されなかった。それから3年、さらに先端部の試行錯誤を繰り返すことになったという。そしてついに、2022年に発売となったのだ。その開発期間は、6年という長いものになった。
SOMは、これまで自分たちの、テスターたちが必要とする新しい道具を開発してきた。どこかの製品に少し手を加えただけのものではなく、これまでに無かったものを作り上げてきた実績がある。どれもが斬新で、これまでに無かった考え、新たな機構を取り入れたものである。今回のオーシャンプライヤーもそんな製品。使ってみると、その違いが分かるはずだ。
2018年のテスト時。写真は代表の大塚氏。この時、すでに形状はおおよそ決まっていたものの、ここから先端部を考え直し、ついに納得のいくものが2021に完成。そしてついに発売となった。
SOMがプライヤーの設計で目指したもの
釣りで使う、特にオフショアで使うプライヤーは強靭でなくてはならない。釣り場でプライヤーを使うのは、スプリットリングを広げてルアーやフックに装着する時、魚からフックを外すとき、ラインを切る時などだ。プライヤーは先端で物をつかみ、そして力強くヒネることを繰り返すとガタが出てくる。それはリングを取り付けるとき、フックを魚から外すとき、ともに起こる。そのため強靭さが求めれれる。
このプライヤーの開発期間中、同時進行で開発していたトラックスプリットリングがある。このスプリットリングは、強さを追求したもの。ただその強さから一般的なプライヤーでは、スプリットリングを開きにくいという意見があった。そんなこともあり、バネ力の強いスプリットリングでもスムーズに開くことができ、さらにルアーなどへも取り付けやすいプライヤー性能を、開発中に見直す必要がでてきたのである。
その結果、辿り着いたのが下に掲載した写真の形状となるL型ノーズ。リングの1本に突起部を引っ掛け、突起が付いていない側のプライヤー先端部の外側に装備されているリングサポートがリングの角度を安定させることで、リングを押し開けるのだ。プライヤーの先端の爪で開くモデルとは異なり、強靭な大型スプリットリングを軽い力で開くことができるのである。
使い手のことを考えたその他の機能。
一生使えるプライヤーだ
このプライヤーは、その他にもより快適に作業できるような機能が装備されている。プライヤーを開いた際にある小さな突起「リングサポート」が、リング装着時のリングを回転させていく時に、僅かにリングを開くことでよりスムーズに行えるというもの。さらにタングステンカッターは驚くほどの切れ味。さらにタングステンカッター部の横に備えられているラバー部分・ラインホールドラバーでラインを挟んで固定して、その後にカッター部分がラインを切る仕組みになっている。加えて、カッター部分は左右変えられるため、左利きの人も使いやすい。またSOMはアフターサービスも充実。修理などにきちんと対応してくれるので、ずっと使用し続けることが可能だ。その他、さまざまなSOMのこだわりが詰まっているプライヤー。その詳細を知りたい人は、ぜひ下記のSOMのホームページで確認してほしい。
カッター部は、切れ味抜群のタングステンカッターを採用。逆側のラバーでPEラインなどのラインを挟み、ラインが固定された後にカッター部がラインに触れる仕組み。しっかりとラインを保持してからカットできる。また、カッター部の最下部にはラインが挟まらない設計。
http://studio-oceanmark.com/products/pliers/op165hp_140p/