各地でベストシーズン開幕

ロッドティップで僅かな反応をしっかり取る
春のティップランエギングin三重県志摩沖

アオリイカ好きが待ちに待った春シーズンの開幕。春は前年度に生まれたアオリイカが大きく育ち、産卵を意識したアオリイカがベイトの捕食に活気づくシーズン。そんなことから大型が狙える季節でもある。しかも船から狙えば、陸からは狙えないエリアを攻められるため、ヒットの確率は自ずと高い。そんな大型アオリイカをティップラン釣法で楽しむために、ラグゼスタッフとフィッシング遊のスタッフが三重県志摩沖に訪れた。

ロッドティップで僅かな反応をしっかり取る<br>春のティップランエギングin三重県志摩沖

ティップランエギングの魅力

アオリイカの狙い方は様々なものがあるが、エギで狙う場合は、堤防や磯からの陸っぱり、そして船から狙う場合は、縦のしゃくりの釣りとティップランエギングというのが一般的である。陸っぱりの釣りは手軽だが、攻められる範囲を限られることから、今や簡単には釣れないことが多い。一方、船からの釣りは陸からは届かないエリアを攻めることができ、ポイントも多く、より確実に釣果が得られると言える。そんな船から狙う場合、古くからある縦のしゃくりの釣りがあるが、こちらは中オモリの先にリーダーを結んでエギを装着し、それをしゃくっては落とすといった動作を繰り返して、アオリイカを誘き寄せてエギに抱かせる釣り。一方、ティップランエギングは、エギ自体を重くし、それをドテラ流しで流す船からエギを沈めてしゃくり上げて誘う釣りだ。基本は数回しゃくりを入れ、フォール、ステイ中のティップの動きでアタリを取り掛けていく。よりテクニックを要するが、アタリをしっかりと把握して釣り上げた時は「釣った」感がより得られる釣りともいえる。

そんなティップランエギングを楽しむために、今回釣り場に集まったのは、ティップランを得意とする、がまかつ・ラグゼスタッフの伊藤宗利さんと、フィッシング遊の森啓輔さんと、フィッシング遊松坂店の田中颯さん。テレビ愛知の「FISHING LOVER東海」の収録(2023年4月1日放映。その動画は最下部に掲載)で集まったのだ。釣り場は、関西のアオリイカの聖地ともいえる三重県志摩沖エリアだ。がまかつ・ラグゼスタッフの伊藤宗利さんにとってはホームグランドである。

この記事の志摩沖のティップラン釣行は、テレビ愛知の「FISHING LOVER東海」の収録。この地をホームとする、がまかつ・ラグゼスタッフの伊藤宗利さんと、ゲストにフィッシング遊の森啓輔さんと、フィッシング遊・松坂店の田中颯さんというメンバーで行われた。

基本はエギの着底タッチ&ゴー
タックルは軽く繊細さが大切

釣り場に着き、同時にエギを落とすメンバー。エギが着底したら、すぐに巻きに転じる。タッチ&ゴーが基本だ。エギがフォールしている際に、そこにアオリイカがいれば追っかけてきている。その際、ボトムに着底したままだとエギは離れていってしまう。そのためのタッチ&ゴーだ。分からなければ、ウエイトを重くするなどの対処が必要だ。今回、伊藤さんは30gのエギに30gのウエイトを装着した。またリールは3000番のスピニングをセレクト。ラインはPE0.6号、リーダーはフロロカーボンの2号という道具立てだ。

そして着底したと同時に、5~7回しゃくり上げてロッドを止め、エギがフォールまたはステイしている状態でアタリを待つ。この時のアタリをいかに取るかが釣果を左右するのだが、それはロッドの良し悪しでも大きく異なる。今回、伊藤さんがセレクトしたロッドは、「ラグゼ EGTR X アルティメイト S65ML±solid」というモデルだ。
「このモデルは、自重が50g台と驚異的な軽さのロッドです。オリジナル高弾性極薄カーボンパイプリールシートで、塗装を極力減らし、ガイドも軽量化を図っています。軽くすればするほど、扱いやすくなり、感度も向上します。」
ちなみにこのモデルは、ブランクにTORAYCA®T1100GとTORAYCA(R)M40Xをふんだんに採用。贅肉を削ぎ落し、軽量化と強度確保を実現。さらにオリジナル高弾性極薄カーボンパイプリールシートにより、手感度が大幅に向上。ティップには極細カーボンソリッドを採用し、細かな変化を逃さない作りになっているのだ。

ラグゼ EGTR X アルティメイト S65ML±solid

製品ページはこちら

厳しい状況をどう攻略するか?

しばらくして伊藤さんがつぶやいた。ラインがずっと真下に入っているのである。これは、船が動いていないことを指す。ティップランで釣果をより得るには、船が動くことが大前提。広く探ることができないからである。理想はロッドに対し糸の角度が45度に出る状態だという。この角度が、アオリイカが引っ張るアタリ、エギを持ち上げるアタリの両方が出やすいとのこと。しかしこの日は、潮があまり動かないのだ。そこで伊藤さんは、ウエイトを10gに変更し、ゆっくりとエギをフォールさせて斜めに出ていくように調整。ただ、この方法だと着底が分かりづらい。より集中することが必要だ。

そんな中、ちょっとした変化を感じてアワセを入れる伊藤さん。「ティップランは、怪しいと思ったら合わせを入れることです。ただ、今回の志摩沖は、まだ春の産卵を意識したアオリイカの抱き方ではないようです。春はリアクションで抱いてくることも多いですから」
ちなみにこの時期の志摩沖のアオリイカは、アベレージはキロオーバー、大きいので3㎏ほどあるという。「アタリは繊細ですが、掛かってからエキサイティングなのがこの時期の楽しさですね」。繊細なティップ、感度、大型でもしっかりと対応するブランクのロッドが必要ということだ。

当日は潮が動かない状況。着底を感じることが前提だが、船が流れない時はエギに装着したウエイトを軽くして、ライン角度を付けることも。45度の角度でラインが出ていくのが理想だという。

ここで伊藤さんのしゃくりを見ていると、しゃくり方は素早く激しい。そんなキレのあるしゃくりでもこの時期はエギが反応するという。
「ただ、しゃくる際にティップの糸絡みは気をつけたほうが良いです。繊細なティップのため、トラブルのもととなります。激しくしゃくりながらも、糸ふけを出さないようすれば、ティップ絡みも減ります」
また、「ラグゼ EGTR X アルティメイト」のティップ部には、アタリを目感度で取れるように、オレンジのスレッドを採用している。この色は、色々な色を試して辿り着いたという。1日を通して、海面の色と合わせた時に、オレンジが最も見えやすかったそうだ。

ティップ部は目感度で僅かなアタリ、ティップの動きが分かるようにオレンジのスレッドを採用。背景の海面に対して目立つカラーだ。

待望の大型アオリイカ

伊藤さんにティップランエギングやタックルについて聞いていると、隣の田中さんに待望のヒットが訪れた。アタリは戻るアタリだったという。アオリイカがエギを押し上げ、曲がっていたティップが戻るアタリということだ。そしてそのファイ中に、伊藤さんにもヒット。こちらも戻るアタリだ。ティップランは、ヒットがあると周りの人にもアタリが訪れることが多い。誰かにヒットしたら、素早くエギを沈めたり動かしたりし、対応することが大切だ。

大型アオリイカ

田中さんは、秋らしいサイズをキャッチ。嬉しい一杯だ!

田中さんのアオリイカは2㎏オーバー。一方、伊藤さんのロッドは強い引きで綺麗に弧を描いたものの、惜しくも途中で生命感が無くなってしまった。上げてみると、エギにはアオリイカの太い足だけが付いていた。これには伊藤さんも天を仰いだ。

アオリイカの足

伊藤さんがヒットさせたアオリイカは、ファイト途中に生命感が無くなった。上げてみると、掛かっていたのは足のみ。この足だけでも、そのサイズの良さが想像できる。春らしい大型個体だったようだ。

その後、田中さんが小型を1杯追加。続いて森さんにもヒット。いったんアタリがあった後、再びアタリがありフッキング。僅かにティップが戻ったアタリだったという。ちなみに森さんの使用ロッドは、「ラグゼ EGTR X 65M-solid」モデル。少し強めのモデルだが、しっかりとアオリイカの動きに対して曲がり、いなし、ファイトしやすかったという。

田中さんは、もう一杯追加。アタリは分からなかったようだが、厳しい状況の中、釣れれば嬉しい!

森さんもしっかりアタリを捉えヒット。無事、ランディングに成功した。

製品ページはこちら

実釣後半、再び伊藤さんにヒット! だがこちらは本命ではなく残念ながらコウイカ。しかしサイズが良かったため、嬉しい一杯となった。そしてこの釣果でこの日は終了となった。潮が動かず、渋めの釣行となったが、あれこれ考え、対策を練りながらの釣りは楽しい。伊藤さん、森さん、田中さんと、十分楽しかったと帰港後に感想を述べた。ちなみに今回の船「FP志摩」の谷口匡哉船長は、今年の志摩沖は大型が多いとのこと。実際、ブログを見ると3㎏オーバーのモンスタークラスもヒットしている。またその他の地域でも春の盛期を迎えている。ぜひチャレンジしてみてはいかがだろうか?

帰港まであと僅かなタイミングで伊藤さんにヒット。しかしこちらは上げてみると、アオリイカでなく良型のコウイカ。ちなみに、今回の釣行では、3名ともにエギはクレイジーオーシャン ティップランナーを使用。シンカーは、クレイジーオーシャン オーシャンシンカーVをセレクトした。

【今回の遊漁船】
FP志摩(谷口匡哉船長)
住所:三重県志摩市志摩町片田
電話:090-8952-6646
WEBサイトはこちら

記事協力がまかつ https://www.gamakatsu.co.jp/

Fishing Lover 東海
当日の「Fishing Lover 東海」の動画はこちら
当日の模様のFishing Lover 記事はこちら

まとめ:アングラーズタイム編集部

SHARE
  • Twitter
  • facebook
  • LINE
  • link