厳寒期にアングラーを熱くする!

北海道・恵山沖 サクラマスジギング
ラインシステム、ジグの使い分けが釣果のカギ

厳寒期と言われる一年で一番寒さが厳しい時期に、アングラーを熱くさせるターゲットがいる。降海型のヤマメ「サクラマス」である。北海道、東北で、近年盛り上がっているオフショアターゲットであり、そんなサクラマスジギング2024年シーズンがスタート。バリバステスターである横島敏弘さんが、早速釣行して報告してくれた。

北海道・恵山沖  サクラマスジギング<br>ラインシステム、ジグの使い分けが釣果のカギ

冬から春の楽しみ、サクラマスジギング

北海道で厳寒期にサクラマスジギングが楽しめるのは、羅臼、東部の小樽や積丹、南部エリアの苫小牧から室蘭に掛けてのエリア、そして今回紹介する道南エリアに位置する函館恵山エリアである。このエリアでは、年が明けて1月の中旬から末に掛けての時期に釣れ始め、2~3月にピークを迎える。その中でも人気なのは、函館山裏と呼ばれる函館の街中から近いエリアから戸井、恵山、椴法華と函館山から恵山に掛けて。この広大なエリアでサクラマスを狙うことができるのだ。

私は同エリアに昨年から通い始め、サクラマスジギングを楽しんでいる。このエリアの水深は80~90mがほとんどで、その中層を狙っていく。朝一は40~10m位までの上層を狙い、時間の経過とともに下層の60~40mを根気良く狙っていくのがパターンとなる。

今シーズン、そんな道南エリアのサクラマスジギングに訪れたのは2月中旬。今年は暖冬?のためか、サクラマスの南下と回遊が遅れており、1月末から2月初旬は思わしい釣果が出ていなかった。「どうした?」という感じの状況が続いていたのだ。しかし私が釣行を計画した数日前から釣れ始め、「絶好調!」の連絡を受け、意気揚々と函館へ向かうこととなった。

私の住む東京からのアクセスは、羽田空港から函館空港への空路と、新幹線を利用した陸路と2通りを選ぶことができる。前もって予定を立てての釣行であれば、飛行機の利用が時間的には便利だが、情報をキャッチしてからの釣行であれば新幹線の利用もオススメ。
私も今回の釣行は新幹線を利用し、一日目を移動日として函館に入り、しっかりと準備を整えて初日の釣りに備えることにした。

まだまだ寒さが身に染みる北海道・南エリア。しかしアングラーを、この地に訪れさせる魚がいる。それがサクラマスである。サクラマスジギングにハマるエキスパートも多く、横島さんのそのひとりだ。

横島さんが今回、お世話になったのは恵山港の「泉洋丸」。この時期は釣行中止などの可能性もあるため、飛行機よりは時間は掛かるが、都心から新幹線を利用して釣行。函館北斗まで向かい、そこからレンタカーで釣行。

レンジ把握と潮止まりの作戦で、初日から絶好調!

今回は恵山港の「泉洋丸」に御世話になり、6時少し前にポイントに向けて出港した。この日は地元独特の釣りである「バケ」の釣り人と同船し、30分程の航程でポイントに到着した。

朝一は魚が上層にいると想定し、愛用の2way-spiky・ReBORNウミホタルカラー(横島グリーン)135gで様子を見てみる。リールのカウンターで確認しながら40mまでジグを落とし、適度なスピードでジグを操る。すると船長から「ジグは30mから上をやって?!」とアナウンス。すぐにリールを巻き、29mからロッドアクションを開始するとサクラマス特有の金属的な「カンッ!」というアタリが早速得られた。

フッキングが決まると小気味良いファイトを楽しませてくれる。水面に姿を現したのは綺麗な魚体のサクラマス。この一尾で何となくこの日のヒットパターンが解った気がしたので、その後もジャークの強さ、幅、フォールの距離を意識しながらサクラマスを狙っていく。時間の経過とともにヒットレンジが下がっていくが、的確にレンジを捉えることができ、数を伸ばすことができたのだった。

この日は10時半にソコリを迎える潮周りで、そのタイミングの釣りもイメージしていた。潮が止まったタイミングでジグをセミロングからロングにチェンジ。ジグのスライドの動きを大きくして、喰わせの「間」を意識して作っていくと、ヒット得ることに成功。そんな中で「もしかしたら?」のビッグヒットも得られた。それは、43mで何度もチェイスしてきて、ヒット後は100m程走り暴れまくってリーダーをブレイクしていったヤツがいたというもの。果たして‥‥。そしてその後もコンスタントにサクラマスをキャッチすることができ、ツ抜けの釣果を得られて初日の釣行は終了となった。

初日は、2way-spiky・ReBORNのウミホタルカラー(横島グリーン)135gで絶好調。

細く強いラインで釣果に差がついた2日目

この日の予報は、風が落ちて凪でいく予報に反して、早朝はマイナス7℃まで冷え込み、雪が舞い散る極寒の状況。そのためシビアなゲームが予想された。前日同様に「泉洋丸」に乗り込み、定刻通りに恵山港を出港する。昨日と同様、ポイントに到着すると既に沢山の船が集結しており、私達の船は船団から少し離れた所から釣りを開始した。

ジグは初日同様に2way-spiky・ReBORNセミロングウミホタルカラーをセットする。曇り空によるローライトで水中が暗い時には特に有効であるカラーだと自分を信じてジグを操るが、この日は少し厳しい状況で「バケ」にもヒットが無い。そこで船長はポイント移動を決断し、恵山に近いエリアに移った。この判断が的中し、サクラマスの群れを捉えることに成功しヒットが続いた。そしてこの時に他のアングラーと差が出たのがタックルシステムであった。私はなるべくライトなラインを使いたいという考えから、バリバスの新製品であるアバニジギング10×10MAXPOWER PE X9の0.8号に、フロロカーボンリーダー16lbの組合せにしていた。極力、水の抵抗とスラッグを減らしプレッシャーを軽減できればという考えで組んだシステムだ。
このラインは通常のPEラインより1~2ランク強度が高いので、より細いラインが使える。そのメリットを最大限発揮できる展開であった。また、20lbのリーダーを使用しているアングラーとは大きく差が開いたのが印象的であった。この日の恵山エリアは激シブのようだったが、船長の判断とタックルに助けられて大満足の釣果を得る事ができたのである。

これからサクラマスの南下が始まり、青森県の尻屋崎沖、野牛沖、白糠沖と本土方面でも釣れ始める。3月1日には三陸エリアの解禁を迎え、6月頃まで楽しむことが出来るサクラマスジギングゲーム。それぞれのフィールドで、楽しんでみてほしい。

まだまだ寒さが身に染みる北海道・南エリア。しかしアングラーを、この地に訪れさせる魚がいる。それがサクラマスである。サクラマスジギングにハマるエキスパートも多く、横島さんのそのひとりだ。

これまでテストをし続け、今年発売になったPEライン、アバニジギング10×10MAXPOWER PE X9の0.8号に16lbのフロロカーボンを結束。これまでのものより1~2割ほど強く、伸びが少なく、水切れ、タワミも少ない。このラインのおかげもあり、満足できる釣果を得ることができた。

横島敏弘(バリバステスター)

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