【ヤマシタ・山中陽介のイカメタルTIME】その1

これからイカメタルを始めたい人は必見!
タックルの選び方

メタルスッテでイカを狙うイカメタルゲームは、タックルも軽く、イカの引きも堪能でき、ビギナーでも簡単にイカが釣れる釣り方の一つです。そこでイカメタルをこれから始めたい、イカメタル好きのアングラーのために、イカメタルのプロフェッショナル・ヤマシタの山中陽介さんが自ら執筆し、不定期連載【ヤマシタ・山中陽介のイカメタルTIME】をスタート。第一回目は、これからイカメタルをチャレンジしようと思っているものの、いったい何を揃えたら良いのかわからない! 今持っているタックルではできないの? 今回はそんなイカメタルを始めるにあたって必要なタックル、また代用できるタックルについて解説してくれています。

これからイカメタルを始めたい人は必見!<br>タックルの選び方

【ロッド】専用モデルがベスト! 代用できるロッドもあり!

イカメタルで使用するロッドですが、今では専用のロッドが各社から発売されています。価格もお手頃なものもあり、もし新たにロッドを購入するのであれば、専用のロッドを購入したほうが良いでしょう。

もし購入する場合は、エリアによって使用するメタルスッテの重さが15号がメイン、20号がメイン、30号がメインというように海域によって異なりますので、釣行を予定しているエリアの釣船がどのサイズのメタルスッテをメインとして使用しているかを問い合わせるか、調べてからそれに合うロッドを購入したほうが良いです。

また、とりあえず手持ちのロッドで試してみたい! と思っているのであれば、代用できロッドは、タイラバ、タチウオテンヤ、ティップランエギング、アジング、ライトゲームロッド、スーパーライトジギングロッドなどです。専用ロッドと比べるとやや調子が異なりますので、それぞれのロッドの特徴を理解して使用することが重要です。

タイラバの竿は、一般的にはやや胴調子で全体的に竿が曲がるので、やや強めにアワセを入れないと掛かりにくいです。またタチウオテンヤの竿は、やや硬めなので強くアワセを入れると身切れしてしまうことがあり、タチウオテンヤでタチウオを釣る時よりも小さくアワセを入れる必要があります。ティップランロッドやアジングロッドは、イカメタルロッドとしては流用可能なのですが、あまり重いメタルスッテは使いにくい点もあり、指定するメタルスッテが軽いエリアであれば専用ロッドと遜色なく使用可能です。

タックルはスピニングタックル、ベイトタックルがありますが、初めて購入するなら、ベイトタックルのほうがタナなどの細かな調整などもしやすいので、ベイトタックルから揃えたほうが良いでしょう。

ロッドは専用のものがベストだが、その他のロッドでも代用可能。ただ、それぞれのロッドの特徴を理解したうえで使用することが必要。

【リール】新たに購入するならカウンター付のベイトリールがベスト!

次にリールですが、手持ちのタックルがある場合はそれに合ったベイトリールもしくはスピニングリールを使用していただければ問題ありません。新たに揃える場合は、デジタルカウンター付きのベイトリールをお勧めします。

イカメタルゲームは、イカのタナ(泳層)を見つけることが重要です。イカは群れで行動しているため、そのタナを見つければ連発することがよくあります。そのため、一度釣れたタナはしっかり覚えておき、次の投入ではそのタナを重点的に狙います。デジタルカウンターがなくともPEラインのマーカーでタナはわかりますが、夜釣りの集魚灯下では使用するPEラインによってはラインカラーが見難いこともあり、視覚でしっかりと確認できるカウンター付きのリールのほうがストレスなく釣りができます。ずっと手持ちで誘い続けるため、リールのサイズはPE0.6号が200~300mほど巻ける小型で軽量のものがベストです。

リールは、カウンター付きのものがオススメです。その理由は船長のタナのアナウンスに素早く、確実に対応できるから。また釣れた層を把握出来たら、次の一投でもしっかりタナを合わすことが可能。

【ライン】PE0.6号がスタンダード! 太すぎるラインはトラブルのもと…

イカメタルでは、ほとんどのエリアでPEライン0.6号が主流となっています。PE1号以上の太いラインは潮の抵抗を受けやすい分、イカの繊細なアタリがわかり難く、また潮に流されて他に乗船しているお客様とのオマツリの原因にもなります。自分が持っているリールに巻いている糸の太さが太い場合(1号以上)は、巻き替えて挑んでください。釣船によってはラインの太さを指定している場合もありますので、釣行前に遊漁船に確認してみると良いでしょう。

また、時期によってはフグやサワラなどにPEラインを切られたり、オマツリで切れてしまったりすることもあります。リールには最低でもPE0.6号前後を200m以上巻いていれば安心です。

仕掛(リグ)を結ぶためにメインラインに摩擦系ノット(FGノット、PRノットなど)でフロロカーボンの3~4号を1~2mほど繋いでおくとオマツリ等の解消がスムーズに進むことが多いです。2号以下の細めのリーダーを繋ぐと縮れやすくトラブルが起こりやすいので、3号以上が良いでしょう。

メインラインはPE0.6号が一般的。船によっては、オマツリを避けるためにPEラインの号数が決められていることもあるので、事前にしっかりと確認しておくこと。リーダーは3~4号をセットしておく。

【イカメタルリーダー】トラブルに備えて複数個持参がオススメ

イカメタルはリーダーの先にメタルスッテを一つだけ結んで楽しむことができます。しかし、メタルスッテに反応が悪い時もあり、その対策としてメタルスッテの1mほど上にドロッパーと呼ばれる浮力のあるスッテを装着することが多いです。このような仕掛(リグ)が市販されているので、いくつか用意しておくと便利です。特に夜の船上で仕掛けを作成するのは、時間も要し、せっかくの時合も逃しかねません。仕掛は船上では作成せずに事前に用意しておきましょう。

リーダーの先にメタルスッテをセットするだけでもイカメタルは楽しめるが、よりアタリを取るためには、ドロッパーを装着したい。写真はヤマシタから発売されている、ドロッパーが装着できるリーダー。数個は用意しておきたい。

https://www.yamaria.co.jp/yamashita/product/detail/656

【ドロッパーのサイズ】イカのサイズに合わせる

ドロッパーは釣れているイカのサイズに合わせたサイズを揃えることが基本! まずはメタルスッテの上に装着する浮力のあるスッテ、通称ドロッパーと呼ばれるスッテのサイズから説明していきます。

ドロッパーにはイカメタル専用ドロッパーのほか、浮スッテやエギなども使用できます。それではドロッパーのサイズについて解説していきます。ドロッパーのサイズを選ぶにあたってはまずはその地域で釣れているイカのサイズがどれくらいなのかを知っておく必要があります。

一般的には大型のケンサキイカが釣れているエリアでは大きめのドロッパー、例えばエギの2.5号、浮スッテ4号、専用ドロッパーの90㎜前後を使用することが多いです。逆にイカが小型のエリアでは小さめのドロッパー、例えばエギの2号前後、浮スッテ2.5~3号、専用ドロッパー70㎜前後を使用します。

エリアや釣れているイカのサイズに合わせて、ドロッパーのサイズをセレクト。各色、用意しておきたい。

https://www.yamaria.co.jp/yamashita/product/detail/655

製品紹介動画

また一般的にシーズン初期は大型が多く、シーズンが盛期になるとイカのサイズが小さくなる傾向があります。まずは釣行予定の釣船にドロッパーのサイズを聞いてみるのが最も早い方法です。ただ、活性によっても好むスッテのサイズが異なることがあり、一般的には高活性は大きめのドロッパー、低活性には小さめのドロッパーが有効になります。そのため、メインのサイズ以外にも少しサイズの異なるドロッパーを用意しておくと良いでしょう。例えばメインで使用しているドロッパーのサイズが、浮スッテの4号のエリアであれば2.5号や3号で、基本カラーを数本持っていくと良いです。基本カラーについては後程解説していきます。

【メタルスッテ】サイズは、釣船が指定する号数を揃えよう!

メタルスッテのサイズについてですが、まずは釣行する釣船に問い合わせてください。釣船のHPにも記載されていることがあるので釣行前には確認しましょう。メタルスッテの重さは乗合船では揃えるのがルールです。1人だけ指定されている重さと異なるスッテを使用するとオマツリの原因になり、釣り自体が楽しめなくなってしまうので注意しましょう。

また釣行する際には指定されている重さのスッテに加えて、やや重めのスッテを少しだけ持っていくと良いです。釣場の環境は一定ではなく日々変わっているので、場合によっては潮が速くて指定の重さよりも重いスッテを使用したほうが良いこともあります。例としては指定のメタルスッテが15号としたら、20号と25号を1~2本ずつは準備しておきます。指定されているスッテよりも軽いスッテのみを持ってきていて、潮が速い場合、イカのタナにスッテが到達せずに釣り自体が成立しなくなることもありますので、指定されているスッテよりも重いスッテを用意しておきましょう。

メタルスッテは、船の指定の重さに合わせるのがルール。事前に確認しておきましょう。また、潮が速い場合を想定して、重めのものを数個用意しておくと良いです。

https://www.yamaria.co.jp/yamashita/product/detail/677

 

https://www.yamaria.co.jp/yamashita/product/detail/419

【スッテのカラー】基本は赤白と赤緑! 最低限この2色は揃えよう!

釣具店に行くと、いろいろなカラーのスッテが並んでいます。いったいどのカラーを選べば良いのだろう? と考えてしまうことも多いと思います。一般的に夜釣りのイカメタルゲームでは、赤白と赤緑をベースとして使用します。もし迷ってしまったり、予算的にあまりたくさんのカラーは揃えられなかったりする場合は、まずは赤白と赤緑を揃えましょう。

この赤白と赤緑、一見すると赤白のほうが目立つので赤白はアピール系、赤緑は目立ちにくいのでナチュラル系と思われがちです。実際にその認識でも問題はないのですが、これは集魚灯の光が届きにくい水深での認識としていただいたほうが良いでしょう。逆に集魚灯が届くような浅い水深ではどうかというと、赤白と赤緑では赤緑のほうがシルエットがしっかりと映るため、赤緑がアピール系となります。

イカメタルのメインターゲットであるケンサキイカは一般的に下からエサを狙う傾向が強いです。つまり下から見たとき集魚灯の光で白っぽいものは見えにくくなります。イワシなどのベイトフィッシュの腹面が白いのと同じ原理です。つまり、浅い水深で赤緑、深い水深で赤白で釣れるときは活性が高い、逆の場合は活性が低いと一般的には考えられています。まずはイカの活性を調べるにはドロッパーに赤緑、メタルスッテに赤白からスタートすると効率よくイカの活性を調べることができます。

基本となる赤白。その他、赤緑も基本となるカラー。必ず用意しておきたい。

メタルスッテとドロッパーは、異なる色をセレクトし、その日、その時にイカが興味を示すカラーを探していく。その色が分かれば連続ヒットに繋げられることが多い。

他にベースとなるカラーとしては赤白と赤緑の中間的なカラーである赤黄があります。これは潮色が濁っている場合やハロゲンランプ(黄色っぽい集魚灯)などに有効なことが多いので、持っていて損はないでしょう。

ではスッテのカラーがなぜ他にもあれほどのカラーがあるのか? というと、そのエリアの潮色にマッチするカラーが存在するためです。前述のとおり、赤白と赤緑、赤黄で大抵の状況はカバーでき、釣果も安定しています。しかし、時間帯や潮色、イカの活性によって爆発的にヒットするカラーがあるのも事実です。これはそのエリアでの釣果情報や乗船予定の船長に問い合わせてみると良いでしょう。

今回はタックル、スッテセレクトについて解説させていただきました。まずは基本タックルを知り、しっかりと準備することが釣果への近道です。ぜひ、これからのイカメタルシーズン、夏の夜のアツいイカメタルゲームを楽しんでください!

写真と文:山中陽介
協力:ヤマシタ
https://www.yamaria.co.jp/yamashita

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