福島県沖のヒラメジギング

日本で一番!?ジグでコンスタントに、しかも大型が釣れる!

日本各地にヒラメが釣れる釣り場はあるが、筆者がこれまで各地に取材で赴き、「ここが日本一、ヒラメが釣れる!」と感じたのが福島県沖。しかもこの海域は、アベレージサイズも良く、他の海域では味わえない釣果を得られる。夏が最盛期の福島ヒラメ。ぜひチャレンジしてほしい。

日本で一番!?ジグでコンスタントに、しかも大型が釣れる!

豊かな福島沖のヒラメフィールド

数年前になるが、東日本大震災の影響で休業していた福島県の遊漁船が復活したという情報が入り、バリバスのテスターである横島敏弘さんと、その釣り仲間とともに釣行を計画した。この釣行の時は初冬だった。お世話になる遊漁船船長は、「今はあまり良い魚が釣れない!」と言ったが、クロソイ、マゾイ(キツネメバル)の大型、ワラサが釣れ、さらに普段はなかなか出会えない大型のヒラメが数枚、船上に上がった。

我々はこのサイズ、しかもキャッチされた数に驚き、船長にその驚きについて話をすると、「夏場なら、こんなのがもっと釣れるよ!」と言う。そしてこの船長は、小型のヒラメはリリースを推奨し、この海が釣り人にとって日本一と言われるようにしたいと言葉を付け加えた。

そして翌年の夏、そんなヒラメをメタルジグで狙うために、釣り仲間たちが再度集結。そして早速、「日本一」を感じることになったのである。それからこのエリアのヒラメジギングを経験した釣り仲間たちは、この地の夏場のヒラメ釣りが毎年の恒例行事に。さらに毎年、アングラーを何人か誘い、参加者は皆、その釣果にリピーターに。それだけ魅力のある海域なのである。

ヒラメ オフショア

この海域は、釣行の度に豊かさを感じる。ヒラメがメインターゲットだが、それ以外にも良型のホウボウ、クロソイ、マゾイ、カレイ、イシナギ、アイナメ、ワラサ&イナダ、マダイと、様々な魚がヒットしてくる。

ライトタックルで大型ヒラメと対峙

この海域は、ベストなシーズンであれば、1人10匹以上のヒラメをキャッチできる実績を持つ。しかも3~4㎏は普通、5㎏だと少し大きめ、6㎏以上は大物という場所。だからといってヘビーなタックルは必要ない。

2022年の今年もお盆休み後に横島さんとともに釣行したが、用意したタックルはベイトタイプをメインに、スピニングタイプも1本用意し、どちらもライトモデル。ベイトロッドはジグを跳ね上げられるティップを備えたスロー系のモデルで、そのような性能を備えていればライトジギング用のロッドでも使用可能だ。ラインはPE1号、リーダーは20lb、25lbを3ヒロほど結束する。スピニングはライトジギングロッド、またはスピニングタイプのスロー系モデルで、ベイトタックルと同様のラインだ。

ちなみにドラグは、2㎏ほどに設定しておき、あまりにも走られるようなら、少しだけ上げて調整する。ゆっくり引きを楽しみながら上げればよい。逆にあまりドラグ値を上げすぎてしまうと、ヒラメの場合は口切れする可能性もあるので注意が必要だ。ちなみにヒラメに混じって、ワラサ、40cmオーバーの良型のクロソイ、マゾイ(キツネメバル)、小型のイシナギもヒットする。特にイシナギは良い引きをみせ、漁礁の隙間に入ってしまうこともあるので、ドラグをどれだけ回せば何キロになるのか、ある程度は把握しておき、ライン号数、使用ロッドなどによってドラグ値を少し上げて対処したい。

ヒラメ釣りにベイトタックルを使用

ベイトタックルをメインにしよう。ベイトのほうが、フォールでのアタリを取りやすく、巻き上げのトルクもあるので使いやすい。ジグをちょい投げして探っていく。またより広く探る場合は、ジグを遠投しやすいスピニングにチェンジ。アンダーハンドキャストで、できる限りジグを飛ばし探っていく。

ライン選びの重要性&注意点

この地にシーズン中に頻繁に訪れる横島さんは、前記したようにメインラインにPE1号を使用する。他のアングラーも、1号、または1.2号、太くても1.5号だ。そんなラインで大型ヒラメ、時にはワラサクラスの青物、イシナギとファイトしなくてはならないため、メインラインは信頼できるものを選びたい。横島さんは、強度のバラつきがなく、強く、8本縒りで表面が非常に滑らかであり、特殊加工で耐久性に優れるという理由から、VARIVASアバニジギング10×10マックスパワーPE X8をセレクト。10mごと、10色のマーキングで即座に棚を把握しやすく、長年愛用しているラインだ。

またリーダーは、漁礁に擦れることもあるので、フロロカーボンを使用。ランディングの際に、リーダーが魚体やネットに触れて傷が入ることもあるので、マメにチェックして、傷が入っていたらすぐに結び直して対処したい。

ヒラメ釣りのライン

メインラインはPE1号、または1.2号を使用。強度があり、強度が安定してるVARIVASアバニジギング10×10マックスパワーPE X8がオススメ。リーダーは22lb、30lbを使用。意外と傷が入るので、頻繁にチェックしたい。

ヒラメを釣り上げた瞬間

ヒラメからのバイトは、連続してくることも多い。小型のものなら、抜き上げ、すぐにリリースして、次の1投を素早く行いたい。

誘いの基本と裏技

誘いは、ジグを軽く投げ、ジグがボトムタッチしたら、すぐに巻き上げに転じ、リールハンドル1/2回転、または1回転などで斜めにしゃくり上げていく。ジグはしゃくり上げ毎に、横に向くタイプが良いように感じる。しゃくりとフォールを意識し、数回しゃくったら、喰わせの間である少し長めのフォールを入れる。この時、フォールがバックスライドするような動き、前方にスライドしていくような動きが良い。ヒラメの視界は狭く、素早く、大きすぎる動きは視界から外れてしまうこともあるので、意識して誘いたい。ちなみに視界から外れなければ、かなり上までヒラメが追いかけてくることもある。また漁礁の高さもあるため、ボトム付近での誘いがメインだが、少し上、漁礁の上にいるヒラメが飛びついてくることもある。そのためボトムから10~15mほどまで細かく誘っていきたい。数回しゃくり上げとボトムまでのフォールを繰り返し、船の真下を数回探ったら、一旦回収し、再び軽くジグを投げて誘っていき、新しい場所を次々と探るようにしたい。

ヒラメ釣りに使用したジグ

横島さんのジグセレクト。左の写真の左上から、ダミキジャパンのスープレックス、その下は右列はバックドロップ。バックドロップは、ヒラメに強いジグだ。また右写真の左列はtamaTVのスパイキーロング、スパイキーセミロング。こちらも高実績ジグ。130~150gがメインウエイトだ。

ヒラメがヒット

ヒット後は、ポンピングは行わずに、ロッドをある程度の位置に構え、ヒラメの動きに合わせて巻き上げてくる。ポンピングすると、バレの確率が高くなる。

ヒラメを掬い上げる

ヒットしたら、水面で滑らすように誘導し、ネットへと導くようにする。水面から魚体を出しすぎると、暴れ、バレに繋がるので注意したい。

小型、中型はどんどんリリース。時には、大型のものもリリース。キープする場合でも、数枚。

2022年の釣行を振り返って

今回の釣行は、8月下旬に差し掛かる頃。2日間に渡り久ノ浜の及川丸にお世話になった。今年は、昨年、一昨年と比べると中型(3㎏クラス)が多く、大型のヒット数が少なかった。それでも他のエリアと比べると、かなり釣れ、しかもアタリも多い。よく釣る人で、1日に10枚以上だ。2日間やってみて、例年の比べるとショートバイトが多かったように感じる。2日間とも潮があまり動かず、しかも風も無いことで船が流れないということが影響したように思う。また、水温を調べてみると、例年の8月の釣行日と比べ、少し低かった。もしかしたら、こちらも影響しているのかもしれない。ただ、乗船したメンバーは、他にはなかなか無い釣果に満足したのは言うまでもない。

巨大なヒラメの釣果

今年の釣行時は、中型が多かったが、大型も日に何枚か上がった。最大は98cm、7.2㎏。

久之浜港の及川丸

お世話になった久之浜港の及川丸。広くハイテクな遊漁船だ。

取材協力◎及川丸
http://www6.plala.or.jp/oikawazousenn/tsuri/

製品情報◎VARIVAS
https://www.varivas.co.jp/

写真と文◎大本英則

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