軽く、感度ビンビン、そして強度も備える!
より繊細に攻める大型魚、深場のゲームに最強の武器!

新たな機構を搭載して登場!
STUDIO OCEAN MARK
OGM BLUE HEAVEN L100
【大田ガレージモデル・ブルーヘブンL100】

個性的、かつ独創的な製品を次々とリリースし、アングラーの期待に応えてきたスタジオオーシャンマーク。代表的なモデル、ブルーヘブンのOGMモデルに、今年度、ついにL100モデルが登場となった。日々、進化し続けるスタジオオーシャンマークのアイテム。L100モデルにおいても、これまでのOGMの単なるサイズアップだけでなく、これまでにない性能を搭載。大型魚狙い、深場狙いのアングラーにとって注目のモデルだ。

新たな機構を搭載して登場!<br>STUDIO OCEAN MARK<br>OGM BLUE HEAVEN L100<br>【大田ガレージモデル・ブルーヘブンL100】

OGMのNEWサイズの誕生!

スローピッチジャークを極めた、これから極めようとしているアングラーに高い人気を誇るレバードラグリール、スタジオオーシャンマーク(以下SOM)ブルーヘブン。サイズ、そしてタイプと様々なモデルがラインナップされており、ジギングシーンを幅広くカバーする。そもそもレバードラグリールは、ベイトリールのドラグ機構の選択肢の1つであったが、ファイト中にレバー調整によってドラグ力を的確に変化させられることにスローピッチジャークを極めたアングラーが着目。今やスローピッチジャークの必要不可欠のリールと言えるだろう。

スローピッチジャークは、ジグの姿勢をより把握、コントロールする釣りである。そのため、潮の影響等を受けにくい等の理由から、ターゲットのサイズに合わせて可能な限り細糸をセレクトすることが多い。そして、魚の動きに合わせてレバーのクリックでドラグ数値を的確に調整できるレバードラグリールの性能が活きてくる。もちろんスローピッチジャークでなく、ハイピッチ系のジギングでもレバードラグのドラグ調節機能は強い味方となるといえる。

レバードラグの利点の1つが、ファイト中のドラグ操作が的確に行えること。レバーを上下することで適性の数値を調整することができ、魚の種類(口が弱いなど)に合わせたファイトが可能となる。

スタジオオーシャンマークのレバードラグリール・ブルーヘブンを作り続けてきた大塚隆氏、そしてテスターの西本康生氏は、今年5月末に鹿児島県川内市にいた。すでに発売(2024年7月発売)となっているブルーヘブンL100のMidギヤーモデル(下記のアドレスで、その性能の詳細を確認できます)と、OGMブルーヘブンL100のテストという2つの100サイズの最終モデルを持ち込んでいた。OGMモデルは、これまでL30、L50、L80が発売されている。2020年にOGMブルーヘブンL80が発売され4年が経つ。その間、軽量でいて高感度の同サイズのOGMモデルが欲しいというユーザー、テスターからの要望があったに違いない。すでにリミテッドモデルのノーリミッツL100で、クロマグロ狙いで多くの実績を残しており、さらに深場狙いの繊細な釣りをするアングラーからは、軽く高感度の大型サイズが欲しいと要望が出るのは容易に想像できる。今回は、その最終サンプルのリールを使って、宇治群島で大型カンパチ、大型根魚を狙いつつ意見交換と最終確認を行うというものだ。

右がOGMブルーヘブンL100、左はノーマルのブルーヘブンL80のMidギヤーモデル。100は横幅が広くなるため、OGMブルーヘブンL100では、内部構造を変更して、ノーマルモデルよりもよりコンパクトに作られている。

ブルーヘブンL100 Mid Gear
https://anglers-time.com/4282/

ブルーヘブンL100詳細
https://studio-oceanmark.com/products/blue-heaven-100-80-50-30/

OGMは、そもそもどんなモデルか?

すでにブルーヘブンファンならOGMがどんなものか知っているかもしれないが、分からない人もいるだろう。ノーマルモデルの上位機種であるという認識はあるが、性能については細かく分からないという人もいるに違いない。そこで、まずはOGMについて解説したい。

まずOGMとは「OTA GARAGE MODEL」の頭文字。OTAとは東京都大田区の大田。SOMは大田区にある。大田区には、小さな町工場が集中しており、その大田区に難削材の金属加工を得意とする製作所がある。ブルーヘブン・ノーマルモデルにおいては、スプールシャフト、ハンドルシャフト、ノブシャフトを海外で加工しているのだが、OGMではこれらのパーツの素材にチタン材(64Ti)を採用し、大田区の製作所で削り出した部品を使用しているのだ。そしてそれらを国内で組み上げた、完全「日本製」のモデルがOGMなのである。このOGMに求められているのは、軽量化と感度である。これはテスター西本氏が、より繊細に攻めていく釣りを具現化するために、SOMにリールの軽量化と感度を求めたのが、OGMモデルの開発のスタート。スローピッチジャークのエキスパート、西本氏のこだわりが詰まったリールというわけだ。

軽さと感度、この2つの要素を具現化しているのが、チタン材とカーボンパーツ。使用している「64Ti」チタンは、切削に高度な技術が必要であり、さらに高価なことから、リールに使われることはほとんどない。だがOGMでは、メインシャフト、スプールシャフト、ハンドルリベットに採用。さらにスプールシャフトの表面には、摩擦を低減する表面潤滑処理、WPC(表面改質)+DLC(ダイヤモンドライクカーボ)処理が施されている。そしてハンドルボルト、リールフットにも、チタン合金を採用している。

加えて、ドラグレバー、ハンドルアームにはカーボンプレートを使用。特に強度が必要となるハンドルプレートアームには、6㎜厚の36トンカーボンを採用し、アルミアームより1.8倍の強度アップとなっている。そしてリールの最も重要な部品であるドライブギヤーは、ノーマルは強度と静音性のバランスから真鍮素材を採用しているが、OGMでは高感度をさらに追求したため高硬度のステンレス材を使用している。また、チタン、カーボン素材での軽量化以外にも、フレームのパーミングサイドを大胆に削り込んだデザインを採用するなど、とことん軽量化と高感度を追求した仕様なのである。

ドライブギヤーは、感度追求によって高硬度のステンレス仕様。より明確にラインから伝わる水中の様子、アタリ等をアングラーに伝える。

パーミングカップは、サイドを大胆に削り込んだデザイン。強度アップしているフレームにより実現し、軽量化により感度をより高めている。写真はOGMブルーヘブンL80だが、L100モデルも同様に仕様。

36トンカーボンを使った6㎜厚のハンドルを装備。ハンドルノブは、EVAより軽量であり高感度性能をもたらすコルク材を使用。

新たな設計で、強度、より性能アップ!

さて、そんなOGMモデルの2024年夏に発売のNEWサイズのL100だが、このモデルはこれまでのL80をそのまま大きくした、ノーマルモデルのL100の素材やボディ仕様を変更しただけでない。OGM、そしてL100サイズならではの新たな設計が施されている。求めたことのひとつが、今まで以上の強度だ。そして防水性である。
「まず、ハンドル軸のシャフトは10㎜だったのですが、それを12㎜に変更。これまで10㎜のシャフトに対してクラッチを2つ装着していましたが、それだとどうしても幅が広くなってしまう。リールの操作性上、幅が狭いほうが良いため、12㎜に変更しつつ、クラッチを1つ付ける方法に変更しました。これによりコンパクトになったとともに、強度も1.4倍を実現。またこの部分を今まではゴムリングで防水をしていましたが、新たなオイルシールという防水性能を上げるためのシールドを採用。これによりバケツ内でハンドルを回しても水が入らない性能を備えることに成功しています。ちなみにハンドルシャフトはもちろんOGMなのでチタンなのですが、以前はチタンとステンレスの2ピース仕様だったものを、今回は新たに12㎜の太さでワンピースに。加工作業してくれるところがなかなか無く苦労しましたが、できる製作所を探して作成しました。1ピース仕様によってこれにより強度とともに精度も出たため、さらなる感度が備わっています」(大塚)

強度をアップさせつつ握りやすさを追求。それを可能にしたのが、12㎜に変更したハンドル軸のシャフト。一般的な製作所で加工してくれる場所が無く、最終的には医療器具加工メーカーに依頼して完成させたという。

また今回のモデルでは、スプールの軸受けの強度もアップ。レバードラグのリールは、ドラグを絞めるとスプールが動いてドラグディスクに接続するのだが、その時にピニオンギヤーを支えているベアリングに横からの負荷が掛かる。そのためメーカーによってはダブルディスクにして、この負荷を克服するが、それだとスプールがどうしても重くなってしまう。SOMでは、シングルディスクを採用し、ピニオンギヤーを支えるベアリングは荷重に強いアンギュラボールベアリングを使用して対応してきた。ただ僅かながらガタツキが出る。そこでアンギュラボールベアリングに並列でベアリングを一個追加し、ガタツキを排除。これにより巻き上げ効率のアップに繋がったという。
「今回のOGMブルーヘブンL100の開発において、最初は単純にノーマルモデルをチタン、カーボン化して作ってみたのですが、出来上がったものを握ってみると、すごく横幅が大きく感じました。そこで内部構造を変え、よりコンパクトにし、軽量化、防水性能、感度、巻き上げ性能のアップを追求しました」(大塚)
ちなみにノーマルモデルのL100は655gに対して、今回のOGMは615gとなっている。この軽量化が感度UPをもたらす。単純な軽量化は強度を落とすこともあるが、それを素材と技術でアップさせているのがOGMモデルなのだ。

感度とともに、ピニオンギヤーのブレを無くすことで巻き上げ効率もアップ。誘いでの巻き上げがスムーズならば、水中の変化、魚が寄って来たなど、様々な様子を把握できる。自ずとヒットに近づく。

Midギヤーの採用

今回のOGMブルーヘブンL100の開発にあたって、西本氏はハンドル1回転1mというMidギヤーはどうか? という案を出した。
「ひと巻き100cmです。これを使ってみると、様々な釣りに使いやすい。自分がジギングを始めた頃、ひと巻き100cmというリールが一般的だったこともあるかもしれませんが、幅広く対応するバランスの良いギヤー比だと思います。早い巻きでも大きくしゃくって誘う場合にも、ジグの動きと巻きの量を調整しやすいと思います」(西本)
これが、先に最終テストが終了したノーマルのブルーヘブンL100に搭載されることになり、さらにOGMブルーヘブンL100にも搭載されることになったのである。
ちなみにOGM L100は、5号600m、4号750m、3号1000mのラインキャパを備え、大型のキハダ、カンパチ、ヒラマサ、大型根魚、さらに中深海、深海ジギングにも対応する。そして今回のテスト釣行のターゲットは、大型カンパチ、大型根魚のカンナギ狙いだ。

今回のモデルで西本氏がリクエストしたMidギヤー。ハイギヤーとパワーギヤーの中間だが、速い動きもでき、巻き上げも強い。「どっちつかず」と思われがちだが、どっちもしっかりと対応するということだ。

西本氏は、操作しやすいというMidギヤーを搭載し、抜群の感度を備えるOGMブルーヘブンL100で、水中の変化の様子を把握ししつつ、ジグの姿勢を巧みに操り探っていく。水深は160mほど。PE3号、リーダー20号のタックルだ。そして大塚氏は、これまで西本氏のリクエストを得て改良を加えて作り上げてきたOGMブルーヘブンL100の最終的な使い心地、性能を西本氏に確認。アングラーと設計者で、二人三脚でしっかり作り込んでいったリールなのだ。結局、今回釣行では潮が悪く、1日という限られた時間だったために大型の魚には出会えずに小型のカンパチに終わったが、その性能良さを西本氏は確認し、大塚氏に「合格サイン」を送った。大型魚の釣果は、次の機会にとなった。

OGMブルーヘブンL80よりも横幅が広めだが、ラインキャパをしっかりと確保しつつも、パーミングしやすいサイズ感と形状。

ちなみに今回の釣行は、西本氏の釣り仲間と同船。大塚氏は新しいOGMブルーヘブンL100をセットしたタックルを彼らにも触ってもらい、その感想も聞いていく。他の釣行でもこのように大塚氏が持ち込んだタックルを、同船者に触ってもらっているシーンを目にする。ちなみにOGMの時は、触ったアングラーがまず発するのが、その軽さ。そしてしゃくりを入れると、ノーマルモデルよりかなり高い感度に驚く。フィールドで実際にジグを落として触ることで、より実感できるのだ。この性能の違いが、アングラーに強い味方となるのである。

西本氏の最終テストとともに、大塚氏も様々なものを同時にテスト。フィールドでも度重なるテストが、いい製品にと繋がる。ちなみに今回の釣行では、大塚氏が釣り上げたこのサイズが最大。しかしこの地は、大型の実績もある。西本氏とともにまたOGMブルーヘブンL100、それとも更なる新作を持ち込み挑戦するだろう。ちなみに西本氏が釣りあげたカンパチは、船上にも上げずにリリースとなった。

OGMブルーヘブンL100詳細
https://studio-oceanmark.com/products/ogm-blue-heaven/

まとめ&写真:アングラーズタイム編集部

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