ライトジギングのススメ_タチウオ編Vol.2

タックルも手軽で楽しめる
タチウオジギング

「タチウオ編Vol.1」で解説した通り、魅力がいっぱいあるタチウオジギング。 では釣行の際には、どんなタックルで、どんな誘いをすればよいのか?

タックルも手軽で楽しめる<br>タチウオジギング

リールはベイトタイプが基本

オフショアのタチウオジギングは、基本的に群れの反応に船を付けて真下へジグを落として探ることになる。この時、ジグのフォールでのアタリの取りやすさ、さらにフォール中のアタリやボトムタッチに素早く対処するために、ハンドルの回転だけでクラッチを戻せるベイトリールがベストである。リールサイズは、探るエリアの水深×2の糸巻量があると安心。例として東京湾の場合は、夏場は水深2030mという浅場を探ることもあるが、秋から冬にかけては100m、それ以上を探ることもあるため、新たにリールを購入するなら使用するPEライン1号、0.8号が300mは巻けるリールにしたい。ちなみに探る水深の2倍以上のラインキャパシティが必要なのは、もしもラインブレイクしてしまった時に対処できるようにするため。ラインの先のほうでラインブレイクするだけでなく、かなり上のほうで切れる可能性も時としてあるからだ。ラインブレイクして「ラインが足らない」なんてことにならないようにしたい。また、ジグは100g前後から、200g、それ以上のものを使用することもあるので、巻き上げパワーのあるモデルがベスト。ギア比は、もしも2タックル用意できるならハイギアとローギアを用意したい。異なるギア比のリールを使用することで、アタリパターンを見つけられることもあるからだ。

ベイトリール

カウンター付きのモデルであれば、どの水深で喰ったかを把握でき、次の投入の時もより確率良く探ることができる。

ロッドは専用モデル? それとも……

最近は、タチウオ船用ロッドが発売されているため、そのラインナップの中から自身の訪れるフィールドで使用するジグウエイトに合わせて選ぶのが一番簡単。またロッドスペックが、使用ジグウエイト以内であれば、ライトジギングロッドでも問題ない。ライトジギングロッドには、同じようなジグウエイトスペックでも、青物を狙うタイプと、タチウオやマダイ、シーバスなどを狙うタイプものがある。セレクトの際には、間違えないように後者を選ぶように。ちなみにジギングロッドには、チューブラ、ティップ部がソリッド、フルソリッドがある。一般的な性能を簡単に説明すると、チューブラは張りがあり、感度に優れていて操作性抜群、ティップ部がソリッドのモデルはバイトとともにティップが追従し、ティップの戻りで弾きにくい性能、フルソリッドはバイトとともにティップが入り、胴までしっかりと曲がることから、掛かってからはバレが少ない。どれが良いかは好みによるだろう。

ジギングロッド

専用モデルであれば、大きな間違いはない。ただ、既に持っているライトジギングロッドでも対応できることもある。

PEラインは8本、それとも4本? リーダーは?

PEラインには、8本縒りと4本縒りがある。8本はより円に近く、表面も滑らか。一方、4本は8本に比べて伸びが少ないことが多く、8本と比べると安価。ただ表面が8本よりザラザラしている。どちらを使うかは好みにもよるが、8本縒りのほうがフォール時に滑らかにラインを排出していき、潮流の影響も受けにくい。PE1号、0.8号を使用することが多いが、大型の可能性が高かったり、周囲が次々とヒットしてオマツリ、ラインクロスが多発するような状況が予想されたら、1.2号、1.5号という選択もあるだろう。ただ船で使用ラインの太さが決められている場合もあるので、準備段階で確認しておきたい。またリーダーは、メインラインがPE1号ならフロロカーボンタイプの20lb25lbをセレクト。タチウオの歯によるリーダーブレイクが多発するようなら、先に4050cmほどフロロカーボンの30lb40lbを接続しても良い。メインラインとリーダーの結束は、PRノット、FGノット、MIDノットなど、強度低下の少ない結束にしたい。

PEライン

PEラインは、表面がより滑らかな8本縒りがオススメ。リーダーは、タチウオの歯に少しでも対応するためにフロロカーボンモデルを使用。装着する長さは、3ヒロがベストだ。

ジグは多めに準備

ジグウエイトは、エリアによりことなるが、100200gを使用することが多い。事前に行くフィールドでメインに使用するジグウエイトを確認し、そのウエイトの前後を用意する。遊漁船の予約時にメインで使用するウエイトを確認すると良いだろう。そしてベイトフィッシュが小さい時の軽めのもの、潮が速い時、深い場所を探る時の重いモデルも用意する。ラインブレイクで失うこともあるので、それぞれ数本ずつ準備しておきたい。また、ジグカラーによりバイト数が変ることも多い。カラーも幅広く用意したい。

様々なウェイト、カラーのジグ

ジグは各ウエイト、様々なカラーを用意。沈みの速いモデルならフォール中のバイトでのラインブレイクがより少ない。逆にヒラヒラと落ちるタイプは、フォールでのタチウオの捕食ミスによるラインブレイクは起こりやすいが、よりフォールでアピールしてバイトを拾える。

フックセッティングも様々

フック

フックは刺さりの良い細軸のものをセレクトする。フックも、様々なメーカーから専用のものが発売されているので、そちらを選ぶとよい。ちなみにセットの仕方は、追わせてからフッキングさせるためのテールフック(トレブル、4本バリ)、フォールやジグのストップ時にバイトを拾うためのフロントのアシストがある。アシストもシングルフックタイプとトレブルタイプがある。針先が多いほどフッキング率は高くなるが、スレ掛りも多くなり、ファイト中にバレが多くなる。フックが少なければ、スレは少なくなり、フッキングした後にバレも少ない。闇雲にフックを増やさず、少ないフックでチャレンジするのも面白い。1つのフックがしっかりと口に掛かれば、引きはより強く感じ楽しいものだ。

専用モデルフック

フックは素早く奥まで刺さる細軸のモデルを使用。トレブル、アシストともに専用モデルが多数発売されているので、それらを選びたい。

釣行時に用意したい小物類

タチウオは歯が鋭い。それはちょっと触っただけでも流血するほど。しかも、釣り上げて船上にいる状態で、ハリを外すときに向かってきて噛みつくこともある。そのため、ハリを外す際は、細心の注意が必要。ハリを外す時、まず魚挟みがあると、より危険を回避できる。その魚挟みでつかんだ後、フックを外す際も、プライヤーやハリ外しアイテムを使用して外したい。また、魚を持ち帰る場合は、そのままエラの下側からキッチンバサミで切れ目を入れ、バケツで血抜きをすれば完璧だ。

小物類

タチウオの歯は強烈。釣り上げたタチウオを扱う道具を準備して、歯によるケガに気を付けよう。

写真と文 : 大本英則

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