仕舞寸法90cm以内で移動時のストレスが少ない!
遠征先で大型魚を釣るためのキャスティングロッド
DAIWA【SALTIGA C】
EXPEDITION
大型の魚を求めれば求めるほど、その魚が釣れる確率が高い場所へ遠征することになる。GT、ヒラマサ、マグロ、キハダの大型との出会いに日本各地、海外へと出向く人も多い。そんな時に考えなくてはならないのがロッドの運搬。SALTIGAでは、そんなアングラーのためにEXPEDITION Cモデルを発売してきたが2025年、最新テクノロジー、そして現在の釣りに合わせてリニューアル。どんなモデルなのかチェックしたい。

INDEX
遠征には頼もしく、そして扱いやすい性能
大型魚を求めて遠征するとなると、荷物運搬で気になるのが長尺のロッドケースだ。遠征では飛行機やその他交通機関を使用することも多い。飛行機には長さ制限もあり、機体によっては長いものは積めないということもある。また海外では、長尺のロッドケースを積んでくれたとしても、特殊な荷物はバックヤードで別保管されることでロストバッゲージの可能性もある。また空港に行くまで、現地に着いてからバスやタクシー、電車で移動となると、長尺のロッドケースは積めない、持ち運びが大変などといったこともある。ロッドの運搬にストレスを感じることも多い。そこでロッドを選ぶ上で仕舞寸法が短いパックロッド(ポータブルロッド)という選択肢が出てくるだろう。今回のSALTIGA C EXPEDITIONは、まさにそんなロッド運搬でのストレスを解消するアイテムだ。仕舞寸法が90cm以下となっており、小型のロッドケースにすっぽりと収まるのだ。
SALTIGAでは、これまでもEXPEDITIONモデルのキャスティングロッドを発売してきた。そしてこのモデルは、キハダやGTキャスティングで多くのアングラーから高評価を得ていた。記者が行った取材先での出来事で、公共交通機での持ち運びの必要がない、自車でフィールドに行けるアングラーが、あえてEXPEDITIONモデルを選んでいるということもあった。持ち運びやすさだけでなく、ロッド性能も高いという証明だ。
しかし、時とともに使用するルアー、釣り方、そしてロッドのテクノロジーは進化する。そこで現代の大型魚狙いのキャスティングシーンに合わせ、最新のロッドテクノロジーを纏って誕生したのが、今回のSALTIGA C EXPEDITIONというわけだ。ソリーズは全5種。82-6、710-8、82-8、77-10、82-10というラインナップだ。
GTフィッシングでの使い心地×仲村茂樹
SALTIGA C EXPEDITIONは、どんな性能なのか? まず国内だけでなく、海外も含めた遠征先で大型魚と真っ向勝負できるパワーを備えているというもの。SALTIGAロッドの象徴とされるタフなブランクスを装備しており、さらに3ピースの設計でありながら、しなやかで綺麗な曲がりを実現。開発に携わった沖縄の遊漁船のキャプテンでありDAIWAテスターの仲村茂樹さんはこう語る。
「僕がこのEXPEDITIONで拘ったのはテーパーです。テーパーは本当に何度もテストをして、サンプルを送ってもらって実釣を繰り返しました。曲線が綺麗なのは当然のこと、表面積の大きいGTをいかにリフトするか、身体に負担を掛けないかという点に重点を置きました。メインにテストした710-8、77-10は全体的にレギュラーに曲がるテイストで、GTやヒラマサなどは、潮の流れで魚を反対舷に回してからランディングするケースが多いですが、レギュラーに曲がりこんでくれる分、腹当てファイトしたままスムーズにデッキ上を移動しやすいと感じます」
また、仲村茂樹さんは幅広いルアーチョイスとアクション、操作性も拘ったとのこと。
「GTはダイビングペンシルの他に、ヘビーシンキングペンシルで沈めたり、大口径ポッパーも使用して水面での大きなアピールが求められます。710-8はダイビングペンシル、中口径ポッパー、ヘビーシンキングペンシルが非常に引きやすいです。素直に曲がってくれるティップでダイビングペンシルの操作性はもちろんのこと、中口径ポッパーはバットが受け止め、しっかりと泡を出しつつスイムさせられます。77-10は、全長231cmで、239㎝ある710-8と8cmの違い。「8cmだけ? 8cmも?」と感じ方は様々だと思いますが、短いことで操作性が向上して、スイングスピードもアップして飛距離を出せます。また、大口径ポッパーが本当に引きやすいです」(仲村コメント・ダイワホームページから引用)
82-6、710-8、82-8の使い心地×瀬川良太
ショア、オフショア問わず世界の大型魚と戦う瀬川良太さんも、自信が設計したDAIWAの人気オフショアルアー・カドラー160、185、200、フロッサー170、240mmのプラグを使って今回のSALTIGA C EXPEDITIONをテストしてきた。
「82-6はファスト目のレギュラーテーパーとなっており、投げる時も魚を掛けた時も素直に曲がってくれます。竿を立てても綺麗に曲がり込むので、とても身体が楽。振り抜きが鋭く決まり、軽く振ってカドラー160、185、フロッサー170の大遠投が可能です。アゲインストでも遠投できます。一見パワーファイト向きではないように感じますが、魚を止めた後のリフトも力強く行えます。82-8、82-10はファストテーパーで、ロッドを曲げ込んで投げるというよりも、弾き飛ばす系のロッドです。初動でしっかりとロッドを曲げ込めば、振り抜きは軽くても綺麗に飛びます。ティップが入りやすく、魚が掛かって首を振った時にも安心感があります。また、魚が突っ込んだ時にはバットまでよく曲がり高負荷を掛けても身体が楽です。82-8はカドラー185、200ともに大遠投ができ、82-10は240サイズのルアーも気持ちよく飛ばせます」(瀬川コメント・ダイワホームページから引用)
よりスムーズな操作を実現する設計
ちなみにブランクスは、高強度、軽量のダイワテクノロジーHVFナノプラスを採用し、さらにティップからバットまでの最外層をX45フルシールドで締め上げた作り。X45フルシールドにより、キャスティング、アクション、フッキング、ファイトなどの動作の中で発生するネジレを防止し、ブレのないキャスティング、的確なフッキング、よりスムーズなファイトを実現させている。
また全番手、リアグリップにスラッシュカットを採用。このデザインは、ギンバルを使わずにロッドエンドをお腹に当てても、痛くなりづらいというもの。痛みを気にせず、思いっきり竿を曲げ込んだファイトが可能だ。また、サイドが削り込まれたフロントグリップを採用。握りやすいこちらのデザインによって、滑りにくく握力も長く持ち、ルアー操作時のロッドの上げ下げの動作が安定する。
さらに糸抜け、トラブルの少ないRVガイドが装着され、リールシートにはZEROシートを採用。キャスト、プラグのリーリングにおいて2、3、フルフィンガーの全てに対応するリールシートであり、キャスト時、リーリング時の操作感がアップ。結果として、アングラーは手が疲れにくく、そして何より魚に近づくことが期待できるだろう。

ジョイント部は、高強度素材のナノアロイを採用し、さらにDAIWA独自の精密加工技術によるV-ジョイントαにより、綺麗で強く曲がりを実現。
各モデルの特徴
【82-6】
PE MAX6号、プラグウエイトMAX130gのモデル。中型GT、ヒラマサ、キハダなどに最適で、200mm前後のダイビングペンシル、小口径ポッパー、シンキングペンシルの操作を得意とする。適合リールサイズは6000~14000。
【710-8】
PE MAX8号、プラグウエイトMAX160gに対応。PE8号をメインにしたGT、大型ヒラマサ、キハダ狙いで活躍。レギュラー寄りのテーパーで、曲げていなして獲るタイプのモデル。ショートレングスで振り切りやすく、十分な飛距離を稼げる。220mm前後のダイビングペンシルやポッパー、ヘビーシンキングペンシルを快適に操作可能だ。適合リールサイズは14000~20000。
【82-8】
PE MAX8号、プラグウエイトMAX 160gに対応。【710-8】と同様にPE8号をメインにたGT、大型ヒラマサ、キハダなどをターゲットとしたモデルで、使用ルアーも220mm前後と同じ仕様。ただ、【82-8】はファスト寄りのテーパーとなっており、強引にパワーで浮かせて獲るファイトスタイルに最適。適合リールサイズは14000~20000。
【77-10】
PE MAX10号、プラグウエイトMAX 200gに対応。PE10号を使用する大型GT、モンスターヒラマサ、マグロ類狙いで活躍。レギュラー寄りのテーパーとなっており、曲げていなして獲るタイプ。ショートレングスなので振り切りやすのも特徴。250mm前後の大型ダイビングペンシル、大口径ポッパー、ヘビーシンキングペンシルを快適に操作可能だ。適合リールサイズは14000~20000。
【82-10】
PE MAX10号、プラグウエイトMAX 200gに対応。PE10号で大型GT、モンスターヒラマサ、マグロ類などを狙うときに最適。ファスト寄りのテーパーとなっており、強引にパワーで浮かせて獲るタイプの性能。250mm前後の大型ペンシル、大口径ポッパー、ヘビーシンキングペンシルをしっかりと操作できる。適合リールサイズは14000~20000。
製品情報
https://www.daiwa.com/jp/product/lxi3lw4