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使ってみた!
リールの糸巻き作業が電動巻き取りで楽チン
Hapyson【電動ラインワインダー】

様々な便利アイテムを展開しているHapyson(ハピソン)。その中にリールの糸巻き作業を電動の力を借りて楽に行える「電動ラインワインダー」という製品がある。発売から数年経っている製品でははあるが、大量の糸巻き作業を必要とするアングラーには便利だろうと思い入手。実際の使用感をここでお伝えしたい。

使ってみた!<br>リールの糸巻き作業が電動巻き取りで楽チン<br>Hapyson【電動ラインワインダー】

リールへの糸巻き作業は自分でやるもの

リールを使用する釣りをするうえで、必ず必要となってくる作業がリールへの糸巻きだ。最初はリールを購入したショップなどで巻いてもらうこともあるが、ラインは使用しているとキズが入ったり、劣化したりする。そこで巻いている糸を出し、新品のラインを巻くことになる。ラインには、PEライン、ナイロン、フロロカーボンとあるが、ソルトルアーでメインラインに使用しているラインは、今やPEラインが主流。PEラインは他のラインよりも紫外線劣化や吸水による影響が少ないため、釣行ごとにキズが入りやすい結束部付近の数メートルをカットするだけであまりライン交換しないという人もいるだろう。しかし魚とのファイトが多かったり、ラインクロスなどで強度低下を起こしていることもある。そのため定期的なライン交換が必要になる。その頻度は人それぞれだが、大型魚を狙っている人ほど、いつ掛かるか分からないトロフィークラスのヒットで後悔しないためにも頻繁に交換する。

ただ、その作業が意外と大変。200mほどと巻き量が少ない場合なら良いが、数個のスプールに300m以上のラインを巻き換えたり、中深海、深海などの深場を探るような釣りなら600m、1200mを巻き換えたりすることもある。既にスプールに入っているラインを出すだけで一苦労だ。また、PEラインは高価であるため、大量のライン交換で下のほうの使用していない部分は、いつか他のリールに巻いて使用するために残しておきたいと思う人もいるはず(実際、記者はいつもそうします)。そのような場合は、空スプール(巻き終わったラインの空のプラスチックスプール)にしっかりと巻いておきたい。このような面倒な作業を、より楽に行えるものは無いかと考えた時、電動の力を借りて行えるアイテム「Hapyson・電動ラインワインダー」の存在が浮かんだ。そこで早速、入手して使ってみた。

Hpysonから発売されている電動ワインダー。リールから糸を出すときに電動で行え、糸を巻く作業もしっかりとテンションを掛けて行えるアイテム。発売から数年経ってはいるが、大量の糸巻き作業に便利と思い使ってみた。

糸巻きで重要な要素をしっかり装備

まずリールに糸巻きする際に重要な要素として、ラインに適切なテンションを掛け続けながら巻くことがある。テンションを掛けずに、スプールにフワフワの状態でラインを巻くと、キャスト時のトラブル、ヒット時のラインの喰い込みでラインブレイク等のトラブルが発生するからだ。さらにテンションを掛ける際に、ラインにダメージを与えないようにすること。ラインを直接掴んだりしてテンションを掛けるような方法では、巻きながらラインの強度を低下させることになる。そのようなことから、様々な糸巻きアイテムが各社から販売されている。では電動ラインワインダーはどうかというと、メーカーホームページには下記のように記してある。

• リールからスプール、スプールからリールの両方向巻き取りを快適に
• 長いラインも電動で素早く巻き取るスピード調整機能付き
• PE0.5号~6号まで対応。最大3kgのテンション調整機能付き
• 固定方法はクランプ固定、足踏み固定、紐固定の3種類対応
• 様々なスプールが使用可能

内容を確認すると、リールに入っているラインを空スプールに巻き、さらに新品のラインをリールに巻く際にテンションを掛けられることが分かる。また本体はクランプで机などに固定する方法と本体に足踏みステップを装着、さらには紐などで固定して作業する方法がある。

さらに2番目のリールから空スプールにライン巻く際のスピード調整ができるとのこと。スピード調整ができることで安全に作業が行え、さらにリールを傷めることもないだろう。さらにスプールに巻かれるラインも、スピード調整ができれば捨てずに再利用を考えた場合に極力傷めずに巻き取ることができそうだ。
また3番目を見ると「最大3㎏までのテンション調整」と書かれており、しっかりとテンションが掛けられる。ラインを巻く際は、装着したラインスプールから直接リールにラインが来るため、途中で何かに触れて強度低下を起こすこともない。ちなみに「最大3㎏のテンション」に関しては、その数値があればPE6号までなら十分。ライン製造メーカーであるXbraidが推奨しているのは、「PEラインの号数+1×0.3」というもの。電動ラインワインダーで糸巻きできる最大号数の6号で2.1㎏の負荷が掛けられれば問題ないということだ。

ラインはしっかりと巻いておかないとトラブルの原因になる。キャスティングでは、キャストと同時にラインがグシャグシャになったり、ヒット後にラインがスプールに喰い込んだりしてラインブレイクしてしまうこともある。確実に魚をキャッチするためには、しっかりとラインを巻いておきたい。

実際に巻いてみた!

届いた製品を開封すると、中には本体、空の大型スプール、アダプター、クランプ(机などに固定する際の金具)、ステップが入っていた。まずは机に本体を固定する方法で作業してみる。ちなみに今回は、スタジオオーシャンマークのブルーサファリを使用。巻いているラインを空スプールに電動で巻き取り、新たに新品のサンライン・ソルティメイト インフィニティブx4の1号をラインキャパシティーいっぱいの600m巻く(300m×2)。

内容物

こちらが内容物。本体(写真は空スプール装着済み)、アダプター、クランプ(机などに固定する際の金具)、ステップが入っている。

 

クランプで固定

今回、まずはクランプで机に固定して作業することに。本体にクランプのツメを引っ掛け、ネジを回して固定。今回は厚さのないテーブルに固定したが、厚さのある机にも対応する。

 

本体の各ボタン、調整レバー

ボタンは、リールから空スプールにラインを巻く際のON/OFFボタンがあり、右側にはリールから空スプールにラインを巻く際のスピードレバーと、スプールからリールに巻く際のラインテンションを決めるテンションレバーがある。

 

リールの巻かれているラインを空スプールに巻く

空スプールにリールに巻かれているラインの先端を結ぶ。

 

空スプールに巻く準備

テンションレバーと巻取速度レバーの間にある選択スイッチを巻取速度側に。リールのドラグは緩めにしておく。

 

巻き始める

ONボタンを押し巻き取りスタート。巻き取りが速い、遅いようなら、を巻取速度レバーで調整。

 

巻き終わり

そろそろ空スプールにラインを回収完了するというタイミングで、巻き取り速度を落とすといい。

 

巻き取り終了

巻き取り終了と同時に、OFFボタンを押して巻き取り終了。もしも巻き取り中にラインが喰い込んだなどのトラブルが起こった場合も、OFFボタンで止めて対応できる。ちなみに600mのラインをリールから出す作業であったが、かなり楽に行えた。これは、いい!

 

リールに巻くラインを用意

空スプールに巻きとったラインを、スプールごと本体から外し、リールに巻く新品のラインを用意。ラインスプールの真ん中に穴を開けて装着。

 

リールに新品のラインを巻く最初の作業

まずはリールスプールにラインを結ぶ。そして数回リールにラインを巻き、ラインが滑らないかを確認。

 

テンションレバーを調整して巻く

ONボタンを押し、テンションレバーを確認。テンションは電子制御で掛かる。ちなみに、推奨のラインテンションは下記の㎏数。
PE1号/0.6㎏、PE2号/0.9㎏、PE3号/1.2㎏、PE4号/1.5㎏、PE5号/1.8㎏、PE6号/2.1㎏(㎏数は、PEの号数+1×0.3で計算)

そして上記の㎏数は、テンションの目盛りのどの数字なのかを、ドラグチェッカーを使用して確認してみた。

メモリ1/0,5~0.6㎏、メモリ2/約0.8㎏、メモリ3/1㎏、メモリ4/1.3㎏、メモリ5/1.5~1.6㎏、メモリ6/2㎏。届いた製品ではこの数値に。もしも購入したならば、まずは数値を計測して把握しておきたい。ちなみに今回はPE1号のため0.6㎏に。メモリは1に設定。ここからは手動で出来る限り同じペースでラインを巻いていく。

 

ステップでも巻く

途中、ステップも装着して、足で固定して巻いてみた。

足を乗せるステップを装着した写真。ステップはネジ式で簡単に装着可能。

机が無い場合は、クランプを挟むスペースが無い場合はステップ仕様が良い。ただロッドにリールを装着して巻く人は、クランプでの巻きのほうが良いだろう。

 

終了

ラインが巻き終わったら、電源を切って終了。テンションがしっかりと掛かった状態で巻けた。リーダーを装着して、あとは釣りに行くだけだ。

総論

今回、電動ラインワインダーを使用してみて、リールから空スプールに巻き取る作業は、かなり楽。普段は空いているリールを利用したり、手動糸巻器を利用したりしていたが、大量の巻取り作業はかなり大変。ラインを捨ててしまうなら良いが、そのラインを再利用すると考えると、巻き取りきちんと行いたい。それが電動でできるのだ。また、リールに新品のラインを巻く作業は手動になるが、同じ糸巻機で、しっかりとテンションを掛けながら行えるのも良い。作業中の音は若干大きいが、記者自身はそれほど気にならない程度だった。

魚とアングラーを繋ぐライン。ソルトルアーは想定外の大型の魚がヒットしてくることもある、さらに最初から大型魚狙いでは、そのヒットが人生の中で唯一かもしれない。そのためにもライン交換は頻繁に行った方が良く、そして糸巻作業をしっかりと行う必要がある。正直、面倒ではあるが、その作業を少しでも楽にするのが、この電動ラインワインダーではないだろうか。

製品情報
https://hapyson.com/products/yarn-related/418/

まとめ:アングラーズタイム編集部
協力:ハピソン(Hapyson)

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