ライトジギングのススメ_タチウオ編Vol.3テクニック

タチウオジギングで
よりキャッチするコツ

ここまで、タチウオジギングの魅力とタックルについて解説してきた。そこで、いざタチウオ船に乗船したら、どのように探り、掛かったらどうすれば良いのか? 今回はそんな技術的な部分を解説したい。

タチウオジギングで<br>よりキャッチするコツ

タチウオは探る層の把握することが大切

さて、いざタチウオ船に乗船した時、どうすればよいのか?まず船は、タチウオの魚影を見つけると、その反応が出ている水深を船長がアナウンスしてくれる。このアナウンスは、ボトムから何mとか、水面から何m、水深〇mから〇mなどと教えてくれる。それを聞き逃さずに、きちんと聞くことが大切。アングラー側は、その水深にジグが入るようにPEラインに付けられている10m毎のカラー違いや、リールのカウンターを目安にジグを落としていく。このフォール中にもタチウオがジグに当たってくることがあるので、ラインをサミングしながら落とし、少しでもラインの出方に変化があったら、スプールを押さえて合わせを入れる。タチウオからのアタリでなければ、スプールから指を離し、再度落としていく。もしアタリであったら、すぐにリールハンドルを回し追いアワセを入れる。落とすときにサミングしないと、ラインの糸ふけでアタリを把握できないばかりでなく、タチウオが食いついた時に素早い反応ができずに歯によるリーダーブレイクに繋がってしまうこともあるので注意が必要だ。またジグのフォール中にラインが斜めになるようなら、その分を計算して、指示された水深よりも、少し多めに落としたい。そして、その指示された層にジグが到着したら、すぐにしゃくり始める。この巻き始めにアタリが出ることもある。しゃくる幅は、指示ダナの前後5~10m。水深50m~40mといった指示ダナなら、35mくらいまではしゃくり上げたい。ジグを追いかけてきて、指示ダナを超えてからヒットしてくることもあるからだ。

タチウオの群れを探る

タチウオの群れがいる棚を把握して、重点的に攻めることが必要。ヒットする棚が分かれば、よりテンポよく探ることができる。

しゃくり方の基本とアレンジ

ジグのしゃくり方は、ワンピッチジャークが基本。ロッドを一回しゃくり上げたら、ロッドを下げるときにリールハンドルを1回巻く。これを繰り返し、リズム良く上へ上へとジグを動かしていく。これでアタリが無ければ、しゃくる幅を変えてしゃくってみたり、スピードを変えてみたり、途中でストップを入れてみたりすることも効果的。この止めた時や、しゃくる層が終わってフォールに転じるときにアタることも多いので注意したい。さらにしゃくりでなく、ただ巻きでアタることもある。しゃくった後に、一回一回フォールを少し入れると良いこともあるが、フォールを入れることで追いかけてきたタチウオの捕食ミスでリーダーブレイクに繋がることがあることも覚えておこう。タチウオはどんな動きでもアタってくるともあれば、アタリパターンがあることもあるので、いろいろとジグの動かし方を試したほうが良い。そしてそのパターン探しが、何よりも面白い。

最適なしゃくり方を探る

どんなスピード、どんなしゃくり幅が良いか、試しながら探っていく。パターンがハマれば、連続ヒットしてくることもある。周りのアングラーと差をつけるには、考えながらしゃくることが大切だ。

ヒットしたらノーポンピング

タチウオがヒットしたら、ロッドの位置はロッドエンドを脇に挟んだ状態のまま、ロッドの高さを前方より少し低い位置で構えたままリールを巻く。タチウオがガンガン引いている時は、ロッドの弾性を活かしていなし、巻けるときはどんどん巻く。この時、ポンピングするとバレに繋がるので注意したい。また、巻いている途中に、ランテンションが緩み「あれ?バレたかな?」という時がある。この時、バレておらずにタチウオが上へと食い上げていることもある。ヒットしたけど、ラインテンションが緩んだ場合は、リールを素早く巻いて対処したい。タチウオジギングでは、フックの刺さりやすさという理由から、バーブレスフックを使用する。そのようなフックでバレを防ぐには、とにかく水面まで常にロッドが曲がった状態をキープすることだ。

ノーポンピングで巻く

タチウオジギングのフックは、刺さりやすさを優先するためにバーブレスを使用する。そのため、下手なポンピングを行うとバレに繋がる。ロッドを一定の位置に構え、タチウオの引きにが緩いときにどんどん巻いて寄せるほうが良い。

水面まで上げたら小型、中型は抜き上げる

水面までタチウオを寄せたら、サイズを確認した後、指3本クラスまでの小型、4本クラスの中型なら、躊躇せずに抜き上げて船上へ入れる。この時に、もたもたしていてバレてしまうことも多い。抜き上げは、ロッドを立てて抜き上げるのでなく、ティップの少し手前、リーダーが残り3040cmほどまで巻き、釣り座の横にスペースがあるようなら、ロッドは少し上へ上げる程度で横方向へ抜く。抜き上げる際に、タチウオが外れ、ジグが飛んでくることもあるので、目の前でロッドを立てて抜くのは避けたい。また、横に抜く時も、周りの人にジグが外れた時に飛んでいかない角度を見ておくことが大切だ。横にスペースが無ければ、水面までタチウオが上がってきたら、ラインテンションを緩めずに、リーダーを持ち、一気に抜いてもよい。

抜き上げて船上へ入れる

水面まで上げたタチウオは、そこで暴れてバレに繋がることがある。水面まで巻き上げたら、小型、中型なら一気に抜き上げよう。ファイト中に、どこに抜き上げるか確認しておくとよい。スペースが狭ければ、リーダーを素早く持って抜き上げる。

船上に上げたら、歯に注意!

タチウオは歯が鋭い。それは、少しでも肌に触れたら、すぐに切れるほど。しかも、つかもうとして向かってくることもある。ガブっとやられたら、かなりの流血。少し触れただけでも流血する。そのため、魚バサミのようなものでしっかり掴むことが大切だ。釣れる時間帯だからといって、釣り上げたタチウオをそのままにして、隣のお客さんに迷惑になるようなことも避けたい。

魚バサミでしっかり掴む

タチウオの歯は、ちょっと手で触れただけで流血に繋がる。魚バサミなどを用意しておこう。もしもの時のために、絆創膏も持っていきたい。

大型は、群れの外側にいることも

大型タチウオと中型や小型タチウオが混生している場合、大型は大きな群れの反応の外側にいることもある。その理由は定かではないが、これまでの自身の経験、取材に同行してきた経験から、船下の反応の外側や、指示ダナの外側でヒットしてくることが何度かあった。そのため、ずっと船下の同じ層を探るのではなく、時として指示ダナより下、指示ダナより上、さらにジグをアンダーキャストで軽く投げ、反応の外側を探るというのも意識したい。

指示ダナの前後を探る

大型は、群れから少し離れているところにいることも。軽く投げて探ってみたり、指示ダナの前後を探ってみると、そんなタチウオがヒットすることがある。

写真と文 : 大本英則

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