使ってみなけりゃ、本当の良さが分からない!
関東のヒラマサジギングの聖地で開催!
TENRYU・ジグザムミーティングin外房2023
外房、大原、勝浦エリアは、関東のヒラマサの聖地。キャスティング、ジギングともに、良型ヒラマサを狙える場所として、古くから多くのアングラーがチャレンジしてきた場所である。そんな外房で、2023年春にリニューアルして発売されたTENRYUのジギングロッド「ジグザム・ドラッグフォース」はテストを繰り返し誕生。そこでそのロッドを多くのアングラーに使ってみてほしいとの思いから、実釣会が開催された。
外房でテストして誕生したロッド
外房ヒラマサは、オフショアのヒラマサフィッシングをやっている人なら、関東エリアの一級フィールドであることは知っているだろう。そもそも日本のオフショアルアー創世記に「ヒラマサをルアーで釣り上げよう」と始まったのがこの外房である。それから現在まで数々の大型ヒラマサがキャッチされ、さらに49.50㎏、170cm世界記録までこの地で捕らえられている。ただ、簡単にはキャッチできない難しさも、ここにはある。それはこれまで数々のヒラマサの取材を経験してきた記者が、この外房では身を持って経験している。よりフィールドをアングラー自身が読み、そしてポイント後に様々な技を繰り出さなければ安定した釣果が得られない場所。だからこそ、釣り上げた時の価値がより高いと感じられる。そんな外房の海でテストが繰り返され、鍛えられたロッドであり、今春発売されたのがTENRYUの「ジグザム・ドラッグフォース」だ。このロッドを使用した実釣会が、6月の下旬に開催されたのだ。
今回のこの実釣会の船は、長年、外房のヒラマサゲームを見てきた山口徹船長が舵を握る山正丸。外房ヒラマサで人気の遊漁船であり、多くの実績を持つ。「ジグザム・ドラグフォース」のテストも、この山正丸で行われてきた。果たして、参加者たちに良い結果はもたらされるのか?
当日は、外房らしくアンダーハンドキャストで浅根を攻略!
さて、当日の様子だが、波も無く穏やかな開催日となった。狙いは大型ヒラマサをメインに、ブリやカンパチといったもの。近々の釣果情報は、それほど良くはなかったが、「一発、大型が出る可能性がある」という船長の言葉もあり、何かが起こるのではないか?と期待をしての出船となった。そして船長からは「水深20mより少し浅い場所を探る」との話があった。ジグをキャストして広い範囲を探るとのこと。ベイトは小さいらしく、やや小型のジグが効果的とのことであった。
外房では、浅根を攻略することが多い。そして乗合船での出船が基本となるため、プラグもジグもアンダーハンドキャストで探っていく。自分の釣り座で、ドテラ流しで流れる船の風を受けない舷の時はプラグ、またはジグをキャスト。風を受ける舷の時はジグを入れることが多い。アングラーには、アンダーハンドで投げる技術が要求され、ロッドにもその性能が必要ということだ。
進化したジグザム・ドラッグフォース
ちなみに今回の実釣会で使用される新しいジグザム・ドラッグフォースのコンセプトは、近海ジギングにおいてフィールドやターゲット別に攻略法が存在し、その用途に応えるために設計するというもの。2023年春に発売された4タイプは、外房フィールドでのアンダーハンドキャストでの使用に対して作られたモデルであり、ジグを横方向にスイミングさせて誘うためのアクションに設定。前モデルのジグザム・ドラッグフォースも扱いやすさ、粘り強さで高評価を得ていたが、そのドラッグフォースをさらに進化させ、「特化×進化」というコンセプトを掲げ、攻略法に特化し、機種ごとに感度、操作性、パワー、ブランク素材やアクションを追求している。そしてアンダーハンドキャストして探ることに特化させたため、細身でありながら粘り強くブランクになるTENRYUのロッドテクノロジー「C・N・T」を採用しつつ、バットガイドにキャスト時の糸抜けの良いRVガイドを採用。また、今回のモデルは使用ジグの幅が広いのが特徴でもある。レングスに関しては、パワーが上がるにしたがって、短く設定。これは、フィールドでロッドを持ち替えた時に、なるべく近い使用感で操作できるようにしたためだという。
各モデルについては、下記で簡単に解説しておきたい。
JDF631S-2/3
モデルとしては、ローレスポンス系のモデルであり、アンダーハンドキャストと横方向へのスイミングジャークを得意とし、ジグの初動を抑え飛ばし過ぎずナチュラルなアクションで喰い渋るターゲットを攻略するシリーズ中、最もライトなモデル。
JDF621S-3/4
近海を広くカバーし、アンダーハンドキャストで、広範囲に散るターゲットを斜め引きで探ることに特化しており、ワンピッチジャークから激しいコンビネーション、ジグの初動を抑えたスイミングジャークも得意なモデル。
JDF611S-4/5
JDF621S-3/4よりバットパワーを少し上げ、近海を広くカバーするパワフルモデルで、パワーがあることでより遠くにキャストでき、広範囲に散るターゲットをワンピッチジャークから激しいコンビネーションといった探り方、スイミングジャークでも活躍する。
JDF601S-5/6
アンダーハンドキャストで、広く探ることを特化しつつ、大型魚のヒットにも対応するストロングモデルモデル。ハリのあるブランクス性能を活かして、ジグキャストの飛距離を稼ぎたい時や、水深120m程の深場まで広くカバーし、180~200gのジグを操作しやすいパワー設定。
さて実釣! 最後にはドラマも
ポイントに入り、船長からの合図で実釣がスタート。皆、浅根の中でジグザム・ドラッグフォースを使用し、アンダーキャストのやりやすさ、斜め引きでのジグ操作のしやすさなどを確かめていく。ロッドは、お店などで店員にティップを持ってもらっての曲がりや、ロッドだけでの軽さなどは確認できるが、やはり実際にリールを装着してジグを引いてみないと、そのロッドの持つ使用感の全ては分からない。重さも、リールを装着し、ジグを引いてみることで、バランスがしっかりと取れていることが分かり、そこで初めて軽さを実感できることが多い。特に今回のドラッグフォースは、アンダーハンドでキャスト、斜め引きすることに特化したモデル。ラインの抜け具合、斜め引きした時のアクションの付けやすさなどは、使ってみてより実感できるというわけだ。
その後、参加者たちにはロッドの使用感を確かめたり、使いやすさを実感しつつ、多彩なゲストフィッシュをヒットさせて楽しんだが、思い描いた青物のヒットはなかなか厳しい状況が続いた。海は終始穏やかであり、それがターゲットをタフコンデイション化させたようだ。しかし、そんな状況に気を抜いていると、突然大型がヒットしたり、フォール中にヒットしてスプールからラインを引き出して逃げた魚もおり、さらにランディング寸前で逃したりといったこともあった。ヒラマサの存在は確認できていたため、参加者たちは休まず探り続けた。
そして終了間際、船長は更に浅い場所に移動した。船長は、散発的だが捕食による水柱が見えていたようだ。そして移動した浅場には、多くのイワシが群れていた。船長から「できるだけキャストして、広く探ってください」とのアナウンス。皆、ジグを遠投して斜め引きで探っていく。すると、少し沖で小型のボイルが起こり、それが大型になりつつ船に近づいてきたのだ。そしてそこでは大型ヒラマサが捕食を繰り返していた。
そんな中、フィールドスタッフであり、今回の釣行会で同船していた渕上氏にヒット。使用していたドラッグフォース3/4がバットから曲がり、ラインを勢いよく引き出していく。さらに参加者にもヒット。しかしその後、残念なことに2人ともフックアウトとなってしまった。ただ、その光景は皆の脳裏に焼き付いたに違いない。そして興奮冷めやらずまま、釣行会は終了となってしまった。今後も、TENRYUでは同様のイベントを開催する予定とのことなので、ぜひ身近な地で開催され、ドラッグフォースに興味のある方は参加してみてはいかがだろうか? 何度も書くが、やはりロッドは、実際に使ってみないと分からないことも多い。そして使ってみれば、TENRYUのロッドの進化と真価を実感できるだろう。