中深海=大変というイメージもあるが
道具が良ければ手軽に楽しめる
ブルーサファリ35で攻略!
中深海の超高級魚・アカムツ狙いの
スローピッチジャーク
高級魚の「のどぐろ」の名で、今や多くの人に知られるアカムツ。オフショアルアーフィッシングでは、中深海のスローピッチジャークの人気ターゲットとなり、日本各地で狙われている。今回そんなアカムツを、スローピッチジャークのエキスパートである西本康生さんが、スタジオオーシャンマークのベイトリール・ブルーサファリ35を使用して攻略。実釣の様子に加え、タックルや攻め方について解説してもらった。
INDEX
アカムツは釣れた時の喜びが大きいターゲット
日本海沿岸で「のどぐろ」という地方名で呼ばれ、高級魚として全国の食通に知られているアカムツ。最近では日本海以外でも獲れる、釣れることが分かり、釣りのターゲットとして定着。と同時に、スローピッチジャークという釣りの広がり、スローピッチジャークのエキスパートたちの開拓、研究がありジギングターゲットとして仲間に加わった魚といえるだろう。今回、取材として西本康生さんの釣行に同行させてもらったのだが、西本さんはまだエサ釣りでした実績がない頃から「アカムツをジグで狙ってみよう」と仲間とともに挑戦し、ターゲットとして確率したメンバーの一人。そのため、スローピッチジャークでのアカムツ狙いに対する想いも強い。
そんなジグでのアカムツ狙いは、中深海ジギングといった部類に入る。やったことが無い人は中深海と聞くと「なんだが深そうで大変!」というイメージがあるかもしれない。しかし、狙う水深は200mほどまでが多く、使用ジグも250gほどまでと、比較的手軽に狙えるターゲットといえる。フィールドも今や日本全国に存在しており、シーズンもフィールドによって最盛期はあるものの、周年狙えるターゲットであるため、身近なターゲットと言えるだろう。
そんなアカムツジギングの魅力として最初に挙げられるのは、なんといっても食味の良さ。ただそれだけではない。アカムツは、次々と簡単にヒットするような魚ではなく、ボトム付近でテクニカルに探りヒットに繋げる釣り。だからこそ、1尾の価値、釣れた時の喜びが大きい。良型のキャッチともなれば、船内で注目されるほどだ。だからこそ、エキスパートであっても夢中になるのである。そして、この釣りで良い釣果を出すには、深場での誘い、そしてアカムツのアタリをしっかりと捉えることができるタックルセレクトが非常に重要である。
アカムツ狙いのオススメリール・ブルーサファリ35
そんなアカムツジギングの取材を、今回は茨城県北部の平潟から出船して行った。西本さんにアカムツジギングの様々なことを教えてもらうとともに、アカムツに狙いに最適なスタジオオーシャンマークの小型リール・ブルーサファリ35について解説してもらった。
ではまず、そのブルーサファリ35について。
このリールは、レベルワインダー付きの小型モデル。中深海と聞くとレベルワインダーの無いリールを使うと想像する人が多いかもしれないが、ブルーサファリ35はしっかりアカムツ狙いの中深海ジギングに対応する性能を備える。
「250gまでのジグなら、ブルーサファリ35が使いやすですね。それ以上の重さのジグなら、ブルーヘブン30等をセレクトします」。今回の平潟沖の使用ジグは、200~250gのジグがアベレージ。ブルーサファリ35は操作性も良く、250gなどの重いジグを扱ってもスムーズに巻ける剛性、巻き取りパワーを備えているため、最適なのである。
そして「操作性の良さ」の理由のひとつとして、やはりレベルワインダー付きということが挙げられるだろう。レベルワインダー無しのリールは、巻き上げ時においてスプールにラインを均等に巻くために指でライン操作をしなければならない。レベルワインダー付きなら、その操作も必要がなくなるため、初心者でも扱いやすく、ヒット後もラインの巻きに気を取られることなくファイトにより集中できるといえる。ちなみに今回の釣行で西本さんは、メインラインに、バークレイ社のスーパーファイヤーライン1.2号をセレクト。ブルーサファリは標準スプールで1号600mの糸巻量を備えているため、1.2号なら500mほど巻けることになる。ラインキャパシティも十分というわけだ。
独自のドラグシステムが、アカムツにベスト
そしてこのブルーサファリ35には、他のリールには無い機能を搭載し、こちらも操作性の良さに繋がる部分だ。それが新たなドラグシステム「ウイングドラグ」である。通常、レベルワインダーが装備されているベイトリールは、スタードラグになっている。スタードラグは設定が簡単で良いのだが、ファイト中にドラグを上げたり下げたりする際、どれだけ変化したか数値が分かりにくい。一方、レバードラグを搭載しているリールは、レバーのワンクリックで決められたドラグ数値を上げられるという良さがあるものの、最初のドラグ設定がフリーのレバー位置でドラグを調整し、ファイトポジションで計測するという作業を繰り返して設定しなくてはならない。ドラグ設定に少々手間がかかるのだ。
スタードラグ、レバードラグともに、それぞれに良さがあるのだが、ブルーサファリ35は、そのどちらも備えたリールと言える。その構造は、まずスタードラグと同様のダイヤル式のドラグ・プリセットノブが装備されており、メインとなるドラグ値はそこで設定する。さらにウイングドラグを動かすことでワンクリック400~500gごとのドラグの上下を可能にしたのだ。ウイングドラグのどの位置でドラグを設定するかにもよるが、ファイト中にドラグを400~500g刻みで上げていく、下げていくことが可能なのである。ウイングドラグのレバーは、4段階。ドラグをファイト中に上げていく釣りであれば、一番手前でドラグ値を設定して上げていく。ドラグを下げていく釣りの場合は、ウイングドラグを一番奥に倒した状態でドラグを計測し、ファイト中の状況により下げていく。ウイングドラグの中心でドラグ値を計測し、状況に応じて上げたり下げたりする使い方もできるのだ。
ちなみに、アカムツジギングの時の西本さんは
「アカムツはファイト中の口切れを防ぎたいので、一番奥の1.5㎏のドラグに設定しています。ヒットしたら、ドラグ値を下げていきます」
最初から弱いドラグ値では、波による船の上下が大きい、潮が速い状況などで抵抗が大きい時に、ジグをしゃくっただけでラインが出てしまう。しゃくりを入れる時はドラグを1.5㎏にしておき、ヒットしてから優しいドラグでファイトするというワケだ。ちなみに青物狙いの時には、ウイングドラグのセンターの位置でドラグ設定をし、ファイト時に魚の引きに合わせて上げたり下げたりして対応するとのこと。ヒット後の魚の、キャッチ率をより高められるドラグ機構なのである。
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ジグ操作の基本。ボトムをキープすること
さて、そんなブルーサファリ35を使用して挑んだ今回の平潟アカムツ。平潟から今回お世話になる英昇丸で乗り込み出港した我々は、べた凪の海だったこともあり、いつもより少し早くポイントに到着した。水深140mで船長が開始の合図を出した。
アカムツのジギングは、ボトムから1.5mの範囲が勝負だと、西本さんは解説。ジグをボトム付近から離さずに、誘いを繰り出していくことがヒットへのカギとなる。ボトム着底後、丁寧にジグを操作。リールのハンドル1/4、1/3、1/2回転でジグを動かし探っていく。「釣れるときは、ボトムから3回しゃくってくる間に喰ってくることが多いですね。基本は1.5mの範囲でボトム付近にジグをとどめておく探り方ですが、暗い時間帯、潮が濁っている状況では、魚が少し浮いている、ヒットレンジが高い時にあるので、少し上まで探ることもあります」
少し上までと言っても、3~4mほど。ちなみに西本さんは、探っている合間に、一旦10mほど上までジグを巻き上げ、再び落とす「入れ直し」も行う。入れ直しでジグが入っている場所をズラすことと、長いフォールを入れることで、アカムツにジグを認識させるのだ。
ちなみにジグの動かし方は、その日、その時のアカムツの活性によって異なるが、基本はあまり派手に動かさずに、しゃくり上げていく感じ。時にジグを動かさずに、じっくりアカムツに見せることもある。
「今回の平潟は産卵後の回復期なので、喰いが浅いと思います。そんな時は、大きなベイトをバンバン喰う感じではないので、あまり動かさないほうが良いでしょう」。そんなことから、まずはパワーギアをセレクトし探っていく。
今回、西本さんはブルーサファリ35のパワーギアとハイギアを持ち込み使い分けていた。パワーギアは、ラインをMAXで巻いた状態で、ハンドル一回転の糸巻量が70cm、ハイギアは90cmとなっている。
「基本はハイギアを使用します。ハイギアは、誘っている時の波の上下にも対応しやすいですし、魚が掛かってからの巻き上げ時も、波に合わせた巻き上げが行いやすいからです。また水深が深い場合は、ジグの回収も速いからです。ただ今日みたいに凪の時はパワーギアを使用してネチネチと誘うこともあります」
深場のポイントで高活性!
朝の140mのポイントでは、開始して30分ほどでミヨシのアングラーにアタリが出た。上がってきたのは1㎏クラスの良型。その釣果を見て、西本さんも含めた同船者たちは、より慎重にジグをボトムにキープさせつつ動かしていく。アカムツは、どちらかというと好奇心が旺盛な魚。しかも単体ではなく、ある程度の群れでいる。青物ほどの大きな群れではないものの、何人かに連発することもある。
その後、160mへ移動。ここでも同船者にアタリが出た。そんな様子を見て西本さんは、様々な動かし方、ストップ、そしてジグ交換をしていく。ジグは動くもの、動きが小さいもの、シルエットが小さいものと試していく。釣果は出たもののアタリが単発のため、船長判断でポイントが港から更に離れている200mエリアに入った。船長は「あまりこの時期には、この深場に入らない」とのことだが、アタリが連発しないために勝負に出たのだ。
そして200mエリアで、西本さんはヒットに繋げた。すぐにブルーサファリ35のウイングドラグを調整し、ドラグを下げ、ロッドを定位置に構えたまま、慎重に等速で巻き上げていく。途中でアカムツは、小気味よい引きを見せる。この引きでドラグを絞めていると、口切れでバラしに繋がることが多い。ランディングまで、集中力を切らさずに、やさしく巻き上げていくことが大切だ。
「スパイファイブで何度かアタリがあり、やっと乗りました。アタリがあって乗らなかったのですが、一旦大きく巻き上げて入れ直しをしてフォールで見せ、誘いの後に少し止めてみるとヒットしました」
これまで何度も、何匹もアカムツを釣り上げてきた西本さんだが、無事魚を手にして嬉しそうな表情。ジグを巧みに操り、狙い通りの操作で釣果に繋がった時の喜びは大きい。
ここでアカムツのアタリの出方について聞いてみた。
「基本的にはリールの巻き上げでティップが入り、そのティップが戻って、ジグが『ピュ』と動いた時にアタリが出ます。糸ふけなどの関係で、ティップが戻った後のフォール中で喰ってきたと感じるのですが、その時は既に食っています」
アタリがあったら、大きなアワセは入れずに巻きアワセでフッキングさせるのがアカムツジギングの基本パターン。とにかく、常にジグの動きに集中して、その動きの変化を捉えることが大切。そのためには、ロッド、リール、ラインと感度の高いものをセレクトする必要があるといえる。
この日、この200mエリアで釣果が連発した。終了までに西本さんは3本追加。グッドサイズも混ざった。同船者でアカムツジギングをやり込んでいると思われる人たちは、巧みにジグをあれこれ操作し、釣果を追加していく展開。アカムツジギングは派手な釣りではないが、釣り上げた時の皆の笑顔が印象的。オフショアのターゲットとしては小型魚といえるが、食味が良く、さらにゲーム性が高いことから釣れた時の喜びが大きい。エリアもアングラーたち、船長たちの開拓によって全国に広がり、身近な海で楽しめるようになったので、やったことが無い人はひとまずチャレンジしてほしい。その際は、アカムツジギングに最適なブルーサファリ35やその他タックルと、万全の準備をして楽しんでほしい。
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釣り船:英昇丸(北茨城・平潟港)
http://www.houemaru.com/