久しぶりの開催!

釣り好き大学生が主催
学生だらけの相模湾シイラ大会

シイラフィッシングを皆が純粋に楽しみ、そのシーンが脈々と受け継がれている相模湾。そんな地で、大学生が主催した、学生参加者が主体のシイラ大会が開催された。釣り好きの生徒たちが集まり、皆で楽しみながらシイラを狙う。久しぶりに開催された今年の学生大会は、ゲスト魚もキャッチされ、大いに盛り上がった大会となった。

釣り好き大学生が主催<br>学生だらけの相模湾シイラ大会

相模湾の学生シイラ大会

相模湾のシイラフィッシングの代表的な遊漁船である平塚・庄三郎丸では、以前、大学生だけのシイラ大会が開催されていてた。毎年行われていた大会であったが、いつのまにか開催されなくなり、さらにコロナの影響もあって、ここ最近は開催できないでいた。そんなシイラ大会を「またやろう」「大学生大会はもうないの?」などの意見があったことで、2024年久しぶりに開催することとなった。大会の企画運営は、以前と同様、東海大学海洋学部の釣魚部。OBからアドバイスを受け、参加メンバーを集め、27名の参加者で開催することとなったのである。

今大会の参加者は、東海大学をはじめ、慶応大学、学習院大学の釣り好き、釣り部のメンバー。参加アングラーによっては、すでに異なる大学であっても交流があるようで、早朝から和気藹々とした雰囲気で開催地である平塚・庄三郎丸に集合した。

ちなみに本大会は、シイラの長さで競うというもの。参加者は庄三郎丸18号、23号艇の2艇に分かれて沖へと繰り出すこととなった。ちなみに18号艇には、ゲストとしてマングローブスタジオの上屋敷隆さんが乗船。23号艇には、東海大学釣魚部のOBでもある、サプライズの椙尾和義さんが乗船。参加者は、シイラフィッシングを経験しているものから、オフショアゲームが初めてというレンタルタックルの人まで様々だ。

東海大学、慶応大学、学習院大学の釣り好きが集まりシイラ釣りを楽しみ。釣り上げたシイラの全長で競う大会。普段は陸っぱりメイン、淡水の釣りがメインの参加者もいたが、レンタルタックルで参加。シイラフィッシングが初めての参加者には、よい経験にもなったことだろう。

取材艇は苦戦!

取材では、18号艇に乗船させてもらった。上屋敷さんからアドバイスを受けつつ、皆は準備。そして沖でシイラを探し回った。まずは真沖に走らせ、パヤオを攻める。ここですぐにヒットするものの、痛恨のラインブレイク。その後、しばらくしてから大型シイラが参加者にヒット。これは112cmの良型だった。

この日、この感じだと、パラパラとヒットが続き最終的にそれなりの釣果が出るのではと思われたが、そこからが厳しい時間だった。気温はどんどん上がり、シイラが沈み気味なのか、なかなか姿を現さない。潮目沿いに丹念に探っていくものの、姿がなかなか見られない。たまに姿を見ても、ルアーにピクリとも反応しない状況だ。参加アングラーは、しっかりとアンダー、釣り座によってはオーバーで、飛距離のあるキャストは出来ているのだが、なかなかシイラの姿が見えないのである。それでも学生たちは楽しんでいる様子であった。

早々に110㎝が釣り上がり、この日は状況が良いと思われたが、我々の船はここからなかなかシイラを見つけられない展開に。それでも参加者たちは、諦めずに潮目沿いにキャストを繰り返していった。

最後にドラマが!

お昼を過ぎ、残り時間が少なくなってきたところで、クジラを発見。今年の相模湾は、クジラにカツオ、シイラ、時にはキハダ、サメが着いている状態がたびたび目撃された。観察していると、この時のクジラには魚は着いていないようであったが、少し離れたところで鳥が何かを追って旋回していた。そこにカツオが着いていると判断し、様子を見つつゆっくりと近づいていった。すると、突如としてナブラに発展。最初はカツオだと思ったが、それが更に大きくなり、キハダのナブラとなった。大小さまざまなサイズのキハダが、全身を露わにして飛ぶ。しかも船のすぐ脇で。

皆、いっせいにプラグをキャストする。すると胴の間とミヨシでダブルヒットとなった。惜しくも胴の間のアングラーはラインブレイク。飲まれ切れのようだ。一方、ミヨシのヒットはしっかりとフッキングした様子。ちなみにヒットした二人は、ともにシイラ用レンタルタックルでの参加者。ラインはナイロンである。オフショアは初めてという参加者だ。上屋敷さん、経験者のアドバイスを聞きつつ、必死にファイトを続ける。

初のオフショア、初のキハダのヒットとなった参加者。レンタルのナイロンタックルにヒット。その引きに驚きながらも、慎重にファイトして寄せていく。

ナイロンはPEラインと比べて伸びがあるため、いいところに掛かってしまえばバレにくい。ただ時間が掛かる。ヒットさせた参加者は、皆に励まされながら自力で最後までファイトを続け、船べりでの突っ込みに何度も耐え、無事ランディングまで持ち込んだ。特大とはいえないキハダだが、初めてでしかもレンタルタックルで獲ったのは、称賛に値するだろう。そして何より、釣り上げたアングラー、皆の思い出になったに違いない。

皆に励まされながら、慌てずに徐々に寄せていく。

さて、もう一艇を含む大会結果だが、23号艇は朝から良い潮目を見つけ、結果として全員キャッチだった様子。こちらの船からは信じられない状況だったようだ。

そして今回は、1位は佐藤友彦さん(東海大学)の114㎝、2位は小崎考太さん(慶応大学)の113㎝、3位は松田崇寛さん(東海大学)の110㎝という結果に。さらに、キハダ114㎝・18.5㎏を釣り上げた岡野幸樹さんが特別賞に輝いた。結果発表&閉会式も和気藹々と楽しんでいる様子であった。

普段楽しんでいる釣りとは異なる参加者も多くいたが、釣りが好きというだけで集まった参加者たち。このような大会は、情報交換の場にもなり、出会いの場にもなる。オフショアは乗合船で手軽に楽しめるものもあるが、遠征などは仕立てがメイン。遠征に行く仲間ができればいいが、そうでなければショップのツアーなどに参加するしか手立てがない。しかし、このような大会を通じて同世代の仲間が増え、いつか一緒に夢の魚を獲りに行というのもあるだろう。これからも、この大会が代々引き継がれ、開催され続けることを期待したい。

まとめ:アングラーズタイム編集部
取材協力:庄三郎丸(神奈川県・平塚)
https://www.shouzaburo.com/

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