PE4号以上で大型魚と対峙する

ついに情報解禁!
大型魚に挑める【SALTIGA35】
開発テスター・清水一成インタビュー

発売は2025年だが、情報解禁となった、ダイワ大型ベイトリール「SALTIGA35」。大型魚を獲るために開発されたモデルだ。その詳細を掲載するとともに、開発に携わったSALTIGAテスターである清水一成さんに、今回のモデルについてのインタビューも掲載。

ついに情報解禁!<br>大型魚に挑める【SALTIGA35】<br>開発テスター・清水一成インタビュー

 

夢を実現する強靭モデル

大型の魚を、深場に潜む大魚を獲るために設計された「SALTIGA35」シリーズが、2025年の春に発売される。2024年のフィッシングショーで展示はされていたが、その詳細はこれまで出ていなかった。発売はいつか、どんなリールかと思っていたSALTIGAファンも多くいただろう。そんなアングラーのためにか、情報が先に解禁となった。

まずサイズ感だが、PE3号600m、4号500m、6号300mのラインキャパシティーを備える。そして、ヘビーウエイトジグの使用、太糸による水中でのラインの抵抗による巻き重り、ハイドラグ値による大型魚との根際の攻防などといった過酷な状況に対応するように設計されているという。ギアとスプールを強く高精度で支えるフルアルミのHYPERARMED HOUSING、滑らかな回転が維持するHYPERDRIVE DIGIGER、HYPER DOUBLE SUPPORTといったギア部、トラブルの少ないHYPER TOUGH CLUTCHといったダイワのベイトリールの設計思想であるHYPERDRIVE DESIGNで磨き込み、いつでも軽く強靭な巻上げ性能を実現したモデルなのだ。

高い初期性能が長く続くことを目指し、全ての基本性能の水準を大幅に高めたダイワ両軸リールにおける次世代の設計思想。滑らかな回転を持続するハイパードライブデジギア、強く軽い巻上げをもたらすハイパーダブルサポート、内部構造を強く支持して歪みづらいハイパーアームドハウジング、塩ガミによる固着を激減させたハイパータフクラッチによって、あらゆるフィールドにおいて安定した性能を発揮し続ける。

ちなみに最大ドラグ力は、ラインをスプールに最大に巻いた状況で13㎏。ドラグには「UTD」があえて選択され、ドラグの粘り強さを追求。これは大型魚がヒットした時の、僅かな時間の中でアングラーが主導権を握るためだ。さらに1日通して使用し続けられるように、スプール径や幅、フレームサイズにこだわったデザインを採用。フレームは握る際の指掛かりを研究し、パーミングしやすく、サミングも行いやすいTHUMB HOLDING FRAMEを使用することで、より少ない力でリールを保持することが可能だという。また長時間のファイト時に、少しでもラインを巻きとるために、押すように巻ける形状にこだわった大型のオリジナルノブを採用。110-110㎜の強靭なAL製クランクハンドルを「ハの字」に取り付け、より力強く巻けるセッティングが施されているのだ。

SALTIGA15でも採用されたパーミングしやすく、サミングも行いやすいTHUMB HOLDING FRAMEだが、SALTIGA35のサイズ感においてもスプール径や幅、フレームサイズにこだわってデザイン。清水さんをはじめとしたテスター陣が意見を出し合い、ベストな形状に作り上げたという。

グリップは、押しながら巻ける形状に。大型魚狙いは、ヒット後に素早く巻き上げることが必要になる場面も多い。そんな時に、手のひらを使って力強くグリップを押し込めるように、清水さんが削り、握り続け形状を決めたという。

110-110㎜の強靭なAL製クランクハンドルが「ハの字」に取り付けられている。こちらも強く巻けるための工夫。

ラインナップは、ギア比5.1でハンドル一回転で104cmの巻取りのノーマルギアと、ギア比5.8でハンドル一回転で118cmの巻取りが可能なハイギアモデルがラインナップ。ハイギアモデルでも、ヘビージグを扱えるパワーを備える。大型魚を獲るための性能が余すとこなく搭載され、アングラーの夢を叶えてくれるリールだ。

耐久性向上を目指し、金属腐食をやわらげるアノードプロテクションを搭載。金属が腐食する代わりにアノード(亜鉛)プレートが腐食を引き受けることで、耐久性能を維持する。

スペシャルページ
https://www.daiwa.com/jp/special/products/saltiga_bait/

清水一成に訊く、SALTIGA35
【新しいステージへいくために】

様々な場所で大型魚狙いから近海のライトゲームまで、スロージギングを武器に実釣を繰り返し、その経験や知識をダイワタックルに注入してきた清水一成。前作22SALTIGA15に続きSALTIGA35においても、、開発担当者とともに作り込んできた。
「今回、なぜSALTIGA35を作ることになったか。15シリーズでは、かなり想いを込めましたが、それでも獲れない魚がいる。PE4号を使用する世界です。大型魚狙いは、より高トルクを備え、ヒットした瞬間にグリップを押し込んで巻け、さらに強靭なボディと圧倒的なパワーが必要です。それを目指して作り込んだのが、SALTIGA35です」   

SALTIGA35のテストでは、清水さんは根際での攻防でいかにして主導権を握るかと言うことを考え、カンパチをターゲットに各地を回った。沖縄、トカラ、薩南といったフィールドでテストを繰り返し、改良を加え、そして完成に近づけていったという。

清水さんは様々な大型魚がいる場所でテストを繰り返してきた。狙うは、根際の攻防を余儀なくされることが多い大型カンパチ。巻き取りパワー、ドラグ性能、力を入れた時の操作感が試されるターゲットだ。

【大型魚を獲るための強靭さ】

「SALTIGA35で、大型魚と勝負できるということを痛烈に感じることができました。大型と勝負できるリールとして完成させられたのは、22SALTIGA15の時にとことん作り込んだハイパードライブデザインというダイワ設計思想のおかげです。具体的に解説すると、まずはギアとスプール内部構造を高精度、高剛性でしっかりと支えるハイパーアームドハウジング。そして耐久性がありしっかりと噛み合うギアにより、高ドラグ設定時にもトルクフルで滑らかな巻き心地を実現するハイパードライブデジギアです。この剛性感と高トルクにより、重いジグ、深場の攻略でもハイギアモデルがセレクトできるようになった。「武器となる」ハイギアが出来上がったのです。もちろんノーマルギアモデルは言うことも無いほど良い仕上がりになっています」

そしてさらにSALTIGA35で注目すべき性能がドラグだ。
「ドラグは22SALTIGA15ではダイワ最新のドラグ機構のATDを採用しましたが、SALTIGA35ではUTDに替えました。ATDは凄く滑らかであり良いドラグ機構ですが、UTDは、ATDよりもライン放出時に少しだけ粘りがある。ヒットした瞬間、主導権をいかに握るか。バイトした魚の顔が下に反転するまで、0コンマ何秒でいかにプレッシャーを掛けるか。いかに顔をこちらに向かせるか。それをUTDに託したのです」
ちなみにこのSALTIGA35のUTDドラグは最大13㎏まで上げられる。
「この13㎏は、ラインを目いっぱい巻いた状態での数値です。リールのドラグは、スプールのラインが放出されて瘦せれば、ドラグ値は上がります。ドラグを目いっぱい締め込んだ状態で、深場で魚を掛けた場合は13㎏以上のドラグ値が掛かるということ。大型魚と戦えるリールであることを理解してもらえると思います」

ドラグは13㎏に設定。これはラインを最大限に巻いた数値。ラインが100m、200mと出れば、それ以上にドラグは入る。ドラグは、ヒット後の一瞬の粘り強さが必要だと現場で感じ、あえてUTDを採用。

【こだわり抜いたグリップ形状】

「そして一日中、しゃくり続けても疲れない、力を入れやすいハンドルとグリップが必要でした。グリップは僕自身が毎日のように握り、形を作り上げました。またハンドルを『ハの字型』にセッティングしました。大型の魚のヒット時、根際で掛かるカンパチ狙いなどでは、すぐにプレッシャーを掛けたい。もたもたしているとラインが根にやられる。そんな時に、ロッドは下方向に構えたまま、ハンドルを押すように少しでも巻き、対処する必要がある。この時、手のひらの全面を使い押し込む。そこで手のひらに当たる面積を増やしました。僕なりのグリップのノウハウが詰まっています」

グリップの形状は、清水のこだわりが詰め込まれている。力が入り、巻きやすくなくては意味が無い。ロッドをストレートに構えてターゲットとやりとりする時、手のひらで押すことのできる形状。そして使用し続けても痛くならないこと。

根際で掛かったカンパチは、すぐにボトムから離さなくてはならない。ヒットし、フッキングした瞬間、とにかく巻く。ロッドをストレートにした状態で、数センチでも巻く。それがキャッチへと繋がる。それができるリールが必要となり、それを作り上げたのだ。

【使い続けられることの大切さ】

「さらに、今回のSALTIGA35においても、15シリーズと同様に一日中巻き続けても疲れにくいことを考えました。これは、SALTIGA15の時に、徹底的に作り上げた、サムフォールディングフレームのおかげだと思います」

サムフォールディングフレームは、握るという発想から、指を掛けるという発想の独自設計。とにかく握りやすく、疲れにくく、操作しやすいというものだ。
「SALTIGA35においても緻密に設計し、指の位置、持つ角度、指でのドラグの入れやすさ、大型魚とやりとりしても疲れにくく握りやすいサイズにしました。また22SALTIGA15でも搭載されたアノードプロテクションも搭載しています。SALTIGA15をかなり長い期間使い続けていますが、オーバーホールをほとんど行わずに滑らかな巻き心地を維持しています」
大型狙いの遠征などでは、リールにトラブルが発生した時、現場では何もできないこともある。性能が維持されるというのがベストなのは言うまでもない。

「SALTIGA35で、大型魚をより獲れるようになると常々実感しています。このリールのパワー、疲労度の軽減、扱いやすさなど、全てにおいて体感してほしいと思います。そして私自身、このSALTIGA35の誕生により、世界の大魚への挑戦権を得たと思っています」
清水一成のSALTIGA35を使用した大型魚への挑戦はこれからも続く。次なる夢を実現するためにあらゆるフィールドへ、SALTIGA35ともに出向くことだろう。

スロージギングでは、色々なリールの持ち方、サミングを行う。その際、握りづらく手が痛くならないデザインがベストである。細かい部分まで開発スタッフとともに作り上げていった。

製品詳細ページ
https://www.daiwa.com/jp/product/nqmoniq

SALTIGA35解説動画

まとめ:アングラーズタイム編集部

 

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