状況に応じたルアーの使い分けで攻略!

玄界灘・キャスティング釣行
自己記録更新を目指して

玄界灘は、今や多くのオフショアアングラーにとって、ヒラマサの名フィールドとして広く知られている。大型をキャッチできる確率が高く、多くの釣り人がこの海域を目指して足を運ぶ。そんな玄界灘をホームにして活動している、シマノサポートアングラーの小林凜さん。毎年、春のヒラマサキャスティングに幾度となく挑戦しており、今回はその釣行の一部を紹介してくれた。タックルセレクトやアプローチなど、ぜひ参考にしてほしい。

玄界灘・キャスティング釣行<br>自己記録更新を目指して

記事投稿者
小林凜(シマノサポートアングラー)
佐賀県在住。魚影の豊かな玄界灘をホームフィールドに、オフショア・ショアを問わず釣行を重ね、記憶に残る一尾との出会いを追い求めているアングラー。ビッグゲームからライトゲームまで幅広く精通し、その魅力と楽しさを多くの人に伝えている。

 

大型を求めて、苦手な春の玄界灘

春の玄界灘でヒラマサを狙ったオフショアキャスティング釣行。今回乗船したのは、佐賀県唐津市の遊漁船「サンライズ」。名船長・田代誠一郎さんのもと、3日間にわたってヒラマサに挑み続けました。
毎年のことながら、春は自分にとってやや苦手なシーズン。しかし、大型のヒラマサが狙える時期でもあるため、自己記録更新を目指して毎年通っています。
釣行初日。この日は朝から南西の風が12〜13mとやや強く、波も立つ状況。1か所目のポイントは雰囲気も良く、キャスティングをスタートしました。春はヒラマサが小さなベイトを捕食していることが多いのですが、朝一番のポイントであり、潮波も立っていて良い雰囲気であり、大型のヒラマサが喰ってくる可能性があると判断し、大型ヒラマサに実績のある「別注平政220F フラッシュブースト」を選択。しかし丁寧に誘ったものの、残念ながら朝イチのポイントでは反応が得られず、大きくポイントを移動することになりました。

別注平政220Fフラッシュブースト。ヒラマサキャスティングで多くの結果を残してきた別注平政220Fにフラッシュブーストを搭載したモデル。フラッシュブースト搭載によって再調整され、より複雑なスラロームアクションを演出。実績十分の安定のペンシル。 https://fish.shimano.com/ja-JP/product/lure/offshorecasting/topwater/a155f00000c6dcpqav.html

二箇所目のポイントでは、ファーストポイントで220mmサイズでは魚が出なかったこと、船長からベイトサイズが20cmほどと聞いたこと、さらに8号タックルでも投げられることから別注平政190Fフラッシュブーストにチェンジ。潮のヨレにルアーが差し掛かったタイミングで、水柱を上げる激しいバイトが発生しました。水深はそれなりにあったため、焦らず丁寧なファイトを心掛け、見事に良型のヒラマサをキャッチすることができました。

別注平政190Fフラッシュブースト。ヒラマサに多くの実績を誇る別注平政190Fを、さらに後方重心にし、重量を増量。ステイ時の姿勢を再調整したことで、ダイブミスが低減され、複雑なスラロームアクションでターゲットを刺激する高実績モデルだ。
https://fish.shimano.com/ja-JP/product/lure/offshorecasting/topwater/a155f00000cbga6qaf.html

 

異なるアピール力で誘う。
スクリュードライブ180F&アーマジョイント220F

潮波が激しいポイントでは、2025年にシマノからリリースされたスクリュードライブ180Fをセレクトしてキャスト。スクリュードライブは水絡みが良く、潮波が立っているポイントにおいてダイビングペンシルよりアピールが高いという考えとともに ダイビングペンシルのようなミスダイブがないことからチョイスしてみました。すると潮波が最も立っているスポットで、ただ巻きしているとバイト。ヒットしたのは、春らしい丸々とした良型のヒラマサでした。
スクリュードライブ180Fはショートジャークやロングジャークといった多彩なアクションにも対応しますが、私の場合は“ただ巻き”メインで使用します。しっかりと水を噛み、音と泡で強くアピールできるので、非常に信頼している使い方です。大時化で、ダイビングペンシルではミスダイブが起こりやすい状況でかなり使えるルアーだと思っています。また、操作が簡単なので初心者にもおすすめです。

リーリングすることでテール部分のプロップフィンが回転し、ポッパーでもペンシルでも出せない強烈なサウンドを発生し、同時にバブルで存在をアピールするルアー。ヒラマサ、GT、マグロといったターゲットで高実績。
https://fish.shimano.com/ja-JP/product/lure/offshorecasting/topwater/a155f00000eokbzqap.html

さらに同じポイントで船を入れ直し、ルアーも変更。次に選んだのは、2025年にシマノから発売されたオシア アーマジョイント220Fでした。「この辺りだろう」と狙いを定めてキャストしたところ、ルアーがポイントに差し掛かった瞬間にバイト。見事、10kgオーバーの良型ヒラマサをキャッチすることができました。さらに次の流しでも、アーマジョイント220Fで8kgクラスを追加。連続ヒットに繋がりました。
アーマジョイント220Fは通常のジャークでも十分誘えますが、自分はやや速めのロングジャークで、水面をなぞるように動かす使い方をしています。今回のヒットも、このアクションが効いたと感じています。また、錘をつけて水中に沈め、ただ巻きで誘うといったカスタムも面白そうだと考えています。

ジョイントベイトの欠点である飛距離を克服するために、シマノが開発したアーマブスト機構を搭載したモデル。アーマジョイントシリーズは、シーバス、ブラックバス、ヒラメ狙いようにスタートしたが、同時期のテストを進めていたのが、このSWビッグゲーム用の『アーマジョイント220F アーマブースト/フラッシュブースト』。オフショアでもしっかりと飛距離が出せる性能を装備し、艶かしいスイミングアクションでアピール。ペンシル、ポッパーとは異なる波動、アピールで誘うことが可能だ。
https://fish.shimano.com/ja-JP/product/lure/offshorecasting/topwater/a155f00000eokbiqap.html

そして迎えた釣行初日の夕マズメ。田代船長から「ここは大型が出るポイントだから、タックル選びは慎重に」とのアドバイスがあり、10号タックルをチョイス。ルアーはダイブフラット240Fをセットし、キャストを開始しました。大型の可能性が高い場所では、ワイルドレスポンスの240Fをセレクトすることが多いのですが、波が高い状況であったため、よく潜り、水絡みの良くミスダイブが少ない性能のダイブフラットをセレクト。フラッシングも強いことから、波が高い状況でもヒラマサに見つけてもらいやすいルアーです。

数投目、潮波が激しく立っているエリアにルアーが差し掛かった瞬間、この日一番の強烈なバイトが発生。ドラグはほぼ締め切っていたにもかかわらず、ラインを簡単に引き出していく圧倒的なパワー。水深が浅いため根ズレのリスクも頭をよぎりましたが、なんとか止めることに成功。そして慎重にファイトを続け、無事ランディング。上がってきたのは、自身の記録を更新する25kgのヒラマサでした。
初日からヒラマサ6本のキャッチに成功し、最高の滑り出しとなりました。

ベタ凪の釣行2日目

2日目は朝から風もなく、海は完全なベタ凪。こうした状況では、ヒラマサがトップに出にくくなるため、厳しい一日になることを覚悟していました。
まだ薄暗い朝イチのシャローポイントでは、大型が出そうな雰囲気を感じたため、10号タックルにダイブフラット240Fをセットしてキャスト。すると、潮波が立っているスポットにルアーが入ったタイミングで、水中から強烈なバイトが発生。ファーストチャンスをしっかりものにし、10kgに迫る良型のヒラマサを朝イチからキャッチすることができました。

ダイブフラット240 F。ボディー側面に大きくフラット面を備え、ギラギラとフラッシングして広範囲にアピール。ロングジャークではロールアクションでアピールし、ただ巻きでもパタパタとロールしながら誘う性能を備えている。

その後は数か所のポイントをランガンするも、魚からの反応は得られず、厳しい時間が続きました。昼の潮変わりのタイミングで、まだ試していなかったポイントに入り、6号タックルにヘッドディップ175Fをセットして探ることに。海はベタ凪であり、魚にルアーを気づかせたいという考えから、水絡みも良く、水深のあるポイントでもしっかりと見せられるシマノの中でもアクションが大きいヘッドディップ175Fをセレクト。小さくても飛距離が出せるのもセレクト理由です。

ベタ凪ではあったものの、潮はしっかりと流れている状況。そこで魚に見切られずに、さらにスイッチを入れられるようにショートジャークでやや速めのアクションを加えて誘っていると、水面に背ビレを出しながらヒラマサがチェイス。そしてそのままバイト! 春らしい肉付きの良いヒラマサをキャッチすることができました。
その後も夕マズメまで粘ってキャストを続けましたが、追加の反応は得られず、この日の釣りは終了となりました。

十分な飛距離に加え、水面直下をブリブリと泳ぐルアー。ロングジャーク、ショートジャークともにしっかりと泳ぎアピール。フラッシュブーストモデル、ジェットブーストモデルがラインナップされている。
https://fish.shimano.com/ja-JP/product/lure/offshorecasting/topwater/a155f00000c5cscqaf_p.html

釣行3日目の最終日

この日は朝から南西の風が約10m吹いていました。朝イチは前日と同じシャローポイントで、PE10号のタックルにルアーはダイブフラット240Fを選択しました。すると、一流し目から潮波の激しい場所で背ビレを出しながらバイトしてきました。シャローポイントだったため慎重にファイトし、なんとか船下まで寄せることに成功。しかしランディング直前にサメに襲われてしまい、魚が見える位置まで寄せていたものの、残念ながらキャッチには至りませんでした。しかし、その後も諦めずにキャストを続けると、再び強烈なバイトを得られました。そして今度は無事にランディング。大型の15kgオーバーのヒラマサをキャッチすることができました。

その後、さまざまなポイントを探り、何度もバイトまでは持ち込めたもののヒットには至らず、終了時間が近づいてしまいました。しかし、釣行のラストポイントで強烈なバイト。水深が約30mあったため、落ち着いてファイト開始。船底をかわしつつ、締めていたドラグからラインを出しながらやり取りを続けました。ところが突然強烈な走りを見せ、その走りを止められずに根ズレによってラインブレイク。釣行の最後に痛いミスとなってしまいました。とはいえ、3日間の釣行で最大25kgを頭に多くのヒラマサをキャッチ。逃した魚は残念でしたが、満足のいく釣行となりました。まだまだ挑戦は続きます。最後に、今回の釣行で使用したタックルをご紹介します。ぜひ参考にしていただければ幸いです。

タックル①
ロッド:シマノ・25 グラップラータイプC S82XH
リール:シマノ・20 ステラ SW 18000HG
ライン:シマノ・オシア8 10号
リーダー:シマノ・オシアナイロンキャスティングリーダー 140lb
ルアー:シマノ・ダイブフラット 240F
フック:がまかつ・GTレコーダー4/0

タックル②
ロッド:シマノ・25 オシアプラッガーリミテッド S88H
リール:シマノ・19 ステラ SW 14000XG
ライン:シマノ・ オシア17+ 8号
リーダー:シマノ・オシアナイロンキャスティングリーダー 140lb
ルアー①:シマノ・スクリュードライブ 180F
ルアー②:シマノ・オシアアーマジョイント220F
ルアー③:シマノ・別注平政 190F フラッシュブースト
フック:がまかつ・トレブルSP -XH 4/0
フック:がまかつ・GTレコーダー4/0

タックル③
ロッド:シマノ・25 オシアプラッガーリミテッドS88MH
リール:シマノ・21 ツインパワー SW 14000XG
ライン:シマノ・オシア17+ 6号
リーダー:シマノ・オシアナイロンキャスティングリーダー 120lb
ルアー:シマノ・ヘッドディップ 175F
フック:がまかつ・トレブルSP -XH 4/0

製品情報:シマノ https://fish.shimano.com/ja-JP

文:小林凜
まとめ:アングラーズタイム編集部

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