連載 平松慶のオフショアワールド vol.16
オフショア実釣。
伊豆七島・八丈島沖でジギング釣行。
カンパチ、キハダを狙ってきました。
暑い夏も落ち着きをみせ、金木犀の香りが街に広がり始めた10月下旬。伊豆七島のひとつ「八丈島」へリールの撮影を絡めた釣行ロケを行って来た。20数年ぶりに訪れた八丈島。利島、新島、大島、御蔵島周辺には年に数回は釣行しているが、八丈島は長い間ご無沙汰なエリア。今回は懐かしくもあり、新鮮さもある釣行。八丈島に新たな気持ちで、カンパチやキハダマグロをジギングで狙った様子をお届けしたい。
八丈島沖へいざ、出港。
羽田空港から八丈島までの航路は1時間。一日3便あり、朝一番の便で羽田空港を発てば10時過ぎには沖に出ることが出来る。都心からこれほどアクセスが良かったのか‥‥と20数年ぶりの私は驚いていた。7時40分のANA1891便で羽田空港を離陸。伊豆諸島を上空から眺め、八丈島空港に到着。空港には今回お世話になる、オフショアアングラーなら誰でも知っているパパ大津留さんの奥さんが迎えに来てくれていた。挨拶を済ませ、宿泊先になるパパズインへ。そしてすぐにフィッシングウェアーに着替え、タックルを組む。パパ大津留さんは先のお客さんのガイドで沖に出ており不在。急ぐ気持ちを抑えながらも準備を完璧に済ませ、八重根港へと向かった。
私達は3日間の釣行スケジュール。乗船させていただく船は、第8幸漁丸。船長は既にスタンバイして、我々を待ってくれていた。まずは八重根港から東側に回り込む方向に向かった。潮が寄れるように波立つ突き出したエリアを越えポイントまでは20分ほど走った。ポイントに入り、船長から「水深、100m。30m(下から)まで反応が出ています」とのアナウンスとともにスタートだ。まだどれほどの流れがあるのか検討がつかない。ストレス無くボトムまで落ちていくKEI-JIG SHARP 200gからスタート。水深があるエリアではまずKEI-JIG SHARPを使うのが最近のスタイル。それで潮流をある程度把握し、ジグウエイトをどうするか判断していく。ボトムは簡単に取れた。身体慣らしに、とワンピッチアクションでしゃくり始める。「グッ!」スタート初日の1投目でヒット。1kgほどの可愛いヒレナガカンパチだった。いきなりのヒットに驚く。この先も釣果が続いて欲しいと願いながらジグを指示されたポイントに落としていく。こうして始まった、八丈島沖ジギングゲーム。3日間の内容濃い釣りが始まったのだった。
青物中心のジギングでの狙い方とキハダ、サワラの釣り分け
今回の釣行で3日間継続して動きを把握するのが難しかったキハダマグロの狙い方と、沖サワラの対処法をまず書き記したい。釣行中は、鳥山が出来上がるとカツオが跳ねているのが見えるのだが、派手なボイルやナブラの様な状況は起こらなかった。そこで水鳥の飛ぶ様子を見るのが一番の目印になった。薄い鳥山が出来ると、小さな水柱が所々に起きる。ボトム中心だけでなく、中層を意識してのドテラ流しの潮下から回収に合わせてしゃくりを入れるとサワラ(沖サワラ)がアタックしてくる。サワラは鋭い歯でメタルジグに果敢にアタックしてきた。容赦なく噛んだメタルジグには歯形が残り、鉛を剥き出しにする。ジグが残っていればまだ良いが、リーダーからスッポリと切られてしまうことも多い。これには私だけでなく同船者全員が泣かされた。
私はサワラへの対処法として、ジグで探りたい層を通過した後は、出来る限り速いスピードで回収するように心掛けた。ベイトタックルのアングラーはどうしても回収スピードがスピニングリールに比べ遅いのでサワラの餌食になってしまう。私は意図的にサワラを掛けてやろうと中層域をイヤラしくスピードの強弱を取り入れて探ったが、そんな時にキハダマグロが食ってきた。豊かな海を知り、その状況に合わせていく感覚がつくづく難しく感じたのであった。
平松流のマストパターン
今回、カンパチを主として狙った。ヒラマサもタイミングが良ければ口を使うポイントもあると聞き、そんな場所ではヒラマサに集中して狙ってみたが、反応はなかった。今回、水深が80mで一番浅いポイントとなり、3日通してほぼ3桁水深。平均して115mといったところ。最も深いポイントで150m。それ以上の水深のポイントもいくつもある。
今回はリールのインプレッションとドラグを鳴らす動画撮影が中心となっており、いかにドラグを効かせて魚を浮かしていくのか? が課題であった。このミッションへの私なりの対応策は、「ひたすらカンパチを掛ける」と決めていた。3日間という限られた時間内の中であり、また20数年ぶりに訪れたフィールドだけに組み立ては難しい。ならば、船長がガイドしてくれたポイントで全力を尽くして「掛ける回数を多くする」ことがミッションクリアーになる可能性が高いと読んだのだ。
とにかくメタルジグでカンパチを掛けまくる。キャッチしてはリリース、これを繰り返した。良型を狙いながらのゲームは「出たとこ勝負」では対応出来ない。しっかりとジグの特徴を活かしてカンパチを狙い、サイズアップを試みた。私は数を狙うスタイルで組んでいたので、ジグは流さず、ジグのピックアップは誰よりも多く行った。投入したジグラインを頭で描き、ファーストアプローチを多く行うようなスタイルで攻めていった。今回、取材だけでなく釣り人としての役割もあった同行の大本さんはベイトタックル。私はスピニングタックル。共にPE4号でワンピッチアクション中心に狙う。
釣りのスタイルがブレると時としてラインブレイクが起きたり、根魚などの連発でそもそもの意義からゲームがズレてしまう。私には、いつもの道具で大型を掛け、リールのドラグを鳴らす撮影と言う任務がしっかり課されていた。ただ後半に本来の目的からズレた事、ヒットが船中であり、寂しい時間を過ごすこととなった。私は最終日の後半、悩みながらジグをしゃくっていた。今回のマストパターンは徹底的にカンパチを掛ける。7kgのドラグをギュンギュンと出していく力強いカンパチとのやり取りの動画を撮影してもらうことだった。小型カンパチは結構な数をキャッチすることができた。普段狙っているヒラマサやブリとの探り方の違いも試し、実釣での手応えは大きかった。海が穏やかだった3日間。秋にこれだけの好条件はなかなか無く、特に最終日の後半は貴重な時間であった。ただ結果として最後の最後まで全力を尽くしたかったと思う心に、無念さが残る釣行となってしまった。釣り、とはその瞬間を逃す事ほどつまらないものはない。最高なコンディションの時間帯に何も出来ず、虚しさを船上で強く感じたのでした。
今回の実釣も、前回の伊豆南沖ジギングからの引き続きでピュアフィッシングPENNリールプロモーション撮影、アングラーズタイム取材も行われた釣行。すでに再チャレンジへの気持ちが止まない。
《ジギングタックル》
ロッド:PENN トルクPHK-63LH
PENN トルクPHK-63M
リール:PENN オーソリティー 6500HS
ベイトリール:ファゾムⅡ 2スピード 30LD2
ライン&リーダー:サンライン X8フルコンタクト 4号&ツナギート16号、18号
ルアー:K-FLAT Gummy200g、220g、250g
Gummy-fat235g、250g
KEI Jig200g、235g
KEI Jig シャープ200g、235g、260g
フック&パーツ:オーナー ハイパーワイヤー♯7、ソリッドリング6.5㎜
JS-39 ブルーチェイサー11/0、9/0
偏光グラス:zeal optics veroモデル
《八丈島フィッシングガイドデータ》
パパズイン(パパ大津留)04996-2-3888
パパズインHP: https://www.papasinn.com/
《製品情報》
PENN(ピュア・フィッシング・ジャパン)
https://www.purefishing.jp/product/brand/penn/
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(今回の釣行の様子も配信しています)